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全部神様が悪い  作者: 無二エル
ホメロス王国編
6/134

006 コスター

馬で2時間ほど走ると大きな街に着いた

途中、盗賊の影をいくつも見たが、馬上から魔法を撃つと逃げて行った

ここがコスターだろう

メンフィスから比べると随分発展したような気がする

道は綺麗ではないが一応石畳だ

大通りだけだけど

2階建ての建物も見える

メンフィスに2階建ての建物は無かったよな


「おおい、馬は街に乗り入れちゃ駄目だよ」

「え?そうなの?」

「危ないからな、荷馬車以外は乗り入れを認めてない」

「そっか、どうすればいい?」

「あそこに柵が見えるだろ入口で預けてくれ」


街の外に牧場のような広い囲いがしてある

入口に人が居るな

話しかけてみよう


「いらっしゃい、おお、すごい美人さんだな、馬は1泊200アランだよ」

「ああ、はいはい」


金取るのか、当たり前か


「いや、後払いで良いよ」


そう言って馬の首に番号を書いた布を巻いた


「これを持って行ってくれ」


同じ番号のプレートだな

引換券みたいなもんか


「鞍はこっちで外しておくよ、、、良い鞍だな、貴族様かい?」


・・・この馬も盗難馬だと思うんだが、、、大丈夫かな、バレないよね?

俺は適当に言っておいた


ふう、ミニスカートで馬なんか乗ると股ズレを心配してたけど・・・なんともないな

やっぱ丈夫な体なんだろうか

サテンをチラリと見る

・・・平気そうだ

サテンが足を閉じ、手で腿のあたりを押さえる

い、いやいや、違うって

そんな困った顔するなって

俺は女ですから

やましい気持ちはありません


街の入口に戻って来た

今何時くらいだろう

昼過ぎくらいかな

まだ早いが馬も休ませなければ可哀そうだ

今日はここに泊まるか

衛兵に聞いて見よう


「どこか、宿屋ありますか?」

「ああ、この通りにいくつかあるよ、裏路地の宿はやめておけ、汚いしあんたらみたいな美人には危険だ」

「そうですか、怖いですね」

「おすすめはすぐそこの『花月亭』かな、ちょっと高いけど、風呂もあるよ」


風呂!

入りたい!

そこにしよう!

衛兵にお礼を言って花月亭へ


「1泊、お一人様1200アランです」


高いな

ノッティカウンの約3倍

あそこは特別汚かったけど


「泊まります」


風呂があるなら仕方ない


「お風呂は地下です、女湯はそちらの階段を下りてください」


そう言って部屋の鍵を渡された

ああ、部屋に風呂がある訳じゃないんだね

サテンがモジモジしている

・・・・・あ


「一緒の部屋じゃ駄目だった?」


鍵は一個しか貰ってない


「い、いえ、そ、そんな、贅沢は」

「あいにく本日はもう他の部屋は埋まってまして・・・」


だそうです

諦めてね

サテンを引っ張り部屋へ行く

・・・ゆっくり出来そうな部屋だ

ベットが二つにテーブルと椅子が2つ

あ!鏡がある!

背丈くらいの大きな鏡

少し曇った鏡だな、技術的にこれが限界なのか

俺はその前に立った


「うわぁ・・・」


長い銀色の髪

意志の強そうな凛々しい目

高くは無いが可愛らしい鼻

口も小っちゃい、子供みたいだ

きめ細かい綺麗な肌

全体的に幼さの残る美少女がそこに居た

その可愛らしい顔の下には大きな胸が

クビレは細くラインが美しい

形の良いお尻

細く長い脚

これが俺か

顔と体にギャップがあるが、すごく良いと思います

自分に告白したい


自分に見惚れている俺を入口の方でサテンが見てる

まだ躊躇いがあるらしい

もう、メンドイな


「なんもしないよ?っていうか、出来ないでしょ?この体じゃ」

「き、着替えの時、後ろ向いててくれますか?」

「解った解った」


どうせもう全部見たのに

女心は解らん


さて、現在の所持金を見て見る

袋からお金をすべて取り出し数える

・・・34890アランか

結構余裕が出来たな

日常品揃えに行くか


「さて、着替えの時後ろ向くには着替える服が無いと」

「・・・・・」

「・・・なあ、そんなに信用出来ないなら・・・」

「い、いえ、すみません」


はあ

もうなんなの?

人を性犯罪者みたいに

サテンは確かに綺麗だけど

この体でどうしろって言うの


「このお金、山分けしてここで別れる?馬もあげるよ」

「え!・・・・・・」

「俺と居ても安心できないでしょ?そこそこ大きな街だから仕事も見つかるかもよ」

「・・・・・」


何も言わない

俺の事を信用しきれないが、一人も不安って感じかな

ノッティカウンから連れ出すべきじゃ無かったのだろうか

身よりも無いなら仕方ないと思ったんだけど

これだけの美貌で魔法使えるなら嫁に欲しいと言う人も居たかもしれない

早まったのかな、俺


「み、見捨てないでください」

「いや、そういう事じゃなくてさ」

「見捨てないで・・」

「・・・・・」


どういう意味だ?

急に泣きそうな顔になった

魔法使えるんだから生きて行こうと思えば一人で生きていけるんじゃないのか?


「どこかの屋敷に使えて明かり係になれば・・・」

「い、いえ、それは」

「その美貌なら貴族に嫁入りも出来ると思うよ」

「い、いや、いやです!」

「どうしたいの?」

「・・・・・」


・・・だんまりだ

うーん、困ったな

俺もどうしていいのか

・・・考えてみれば今朝500年ぶりに起きたばかりだ

すぐ決めろってのも酷かも知れない

ここまで引っ張って来たけど、あのまま残しても途方に暮れるだけだっただろう

仕方ない、もうしばらく時間を与えるか

自分で何かを決めれるようになるまでは


「取りあえず買い物に行こう、日常品を揃えるよ」

「は、はい」


外に出る

俺に肘を絡めて来るサテン

急にベタベタして来たかと思ったが表情が暗い

捨てられると思ったのか、逃がさないようにしてるのかなw

やれやれ、好きにしてくれ

俺達はリュックと下着をいくつか、楽そうな普段着、あと日常品を買った

しめて3500アラン飛んで行った

あ、大きめの丈夫な巾着袋も買った

盗賊がお金入れてた袋は汚かった

あれは捨ててしまおう

宿に戻る

早速楽な服に着替える


「俺は風呂に入ってくる、好きにしてて」

「え!、、、あ、、、私も」

「え?裸見られたくないんでしょ?」

「で、、、でも」


急に依存し始めたな

そんなに一人が不安か

・・・まあ不安か

信用してないが故に一人で風呂に行かせたくないのか

複雑だなぁ


「せ、洗濯も私がしますから」


媚びてきた

逆にやりにくい

でも任せるか

手で洗濯なんてした事ない

下着の着替えを持っていこう


風呂は地下だ

共同風呂で何人も入れるようになっていた

俺は一気に服を脱ぐ

サテンは躊躇してるが見てたら余計脱げないだろう

俺は先に入った

まだ時間が早いせいか誰も入ってなかった

・・・シャワーはないか、当たり前か

湯船からお湯を汲み、それで体を洗うシステム

サテンが入ってきた

タオルで前を隠している

あまり見ないようにしてあげよう


「お背中流します」

「いいよ、洗濯は頼む」

「で、ですが」

「普通にしてくれ、逃げないから」


サテンはシュンとしてしまった

・・・仕方ないなぁ


「じゃあ、背中だけ頼むよ」

「は、はい」


背中はサテンに任せ、髪を洗う

シャンプーなんて勿論ない

外国人とかは髪が痛むから毎日シャンプーしないって聞いたな

この銀色の髪はどうなのだろう

この世界に来て1日半経ってるが艶々してるけど

濡らすだけにして手揉みで洗うかな

長い髪を前に持ってきて洗う

空いた背中をサテンが洗ってくれる

うーん、変な気分だ


「タカネは裸が恥ずかしくないんですか?」

「・・・どうだろう」


サテンが恥ずかしがるから気にしなかった

男に見られたとしたらどうなのだろう

恥ずかしくはないけど見せたくはないかな

なんか、勿体無い気がする

前を洗う

あらためて胸がデカいなと思う

洗うのも一苦労だ

丹念に丹念に

下半身も

・・・あるべきものが無い

洗いやすかったが複雑だった

お湯を被り、湯船へ

サテンを見ないようにしてやる

サテンは洗濯を始めたようだ


「これ、綺麗ですね?」

「ん?」


チラッと見た

サテンの胸が見えたがこちらに気づいていない

俺のレースのパンツを見てた

綺麗なレースのパンツだ、俺もそう思った

転移した時に着ていたものだ

神様の贈り物なのだろうか

この世界に売ってるのかな


「し、慎重に洗わないと」


適当で良いのに

どうせ下着は消耗品だ


「ブラも綺麗です・・・」


多分セットなのだろう

ブラジャーの洗い方なんて解らない

洗い方見ておこうかな

・・・またサテンが警戒するからやめとくか


サテンが洗濯を終え湯船に入ろうとする

見えないように、見えないように

あ、前をタオルで隠したまま・・・

タオルを湯船に入れるのは日本人としては許せないところだが

今日は仕方ないか


「あ、熱いですね、よくずっと入ってられますね」


日本人だからな

でも先に出るか

落ち着いて入りたいだろう

ザパァ


「あっ」


俺は体を拭き、風呂場から出ようとする

サテンが慌ててついてくる


「逃げないからwゆっくりしてたら?」

「い、いえ、熱かったので」


・・・やれやれ

しっかり体は拭けよ

脱衣所で替えの下着に着替える

サテンが手間取ってたのでゆっくりゆっくり

髪をクシャクシャ、汗をフキフキ

サテンも終わったかな?

・・・まだ下着来てる途中だった

・・・遅い、女の子だから仕方が無いのか

心の中で100数える

・・・・・・・・・・

89でサテンの準備が出来た

はあ、疲れた


部屋に戻ると夕暮れだ

昼飯食べてないから、お腹すいてる

サテンを連れ、夕暮れの街へ


湯上がりなのにくっついてくる

暑い、汗が・・・

歩きにくい

逃げやしないのに

適当な食堂に入る

テーブルにつくが対面が空いてるのに恋人座りで隣に来る

徹底マークされてますわ

サテンは俺の左手を右手で組んだままご飯を食べていた

左利きで良かったね

・・・そんな訳あるか

これいつまで続くんだよ

でも時々俺の二の腕にサテンの胸が当たるから我慢します


ご飯食べたから宿へ戻ろう

部屋に入る

また鏡の前へ

サテンもついてくる

こうして見比べて見ると、身長も大体一緒くらい

うーん二人とも170cmくらいかな

胸の大きさも一緒くらいかな

足の長さも・・・

顔は全然違うけどスタイルはそっくりだな

金髪と銀髪

サテンがお姉ちゃんで俺が妹に見える

頼りない姉をもう少し面倒見てやるか


さて、なんだかんだですっごい疲れた、主に精神的に

ちょっと早いと思うが寝ちゃうかな

俺は下着姿になりベットに戻りこむ

フカフカだ、昨日の宿とは大違いだ

ダニの心配もしなくていいだろう


サテンは起きてるのかな

あ、服を脱ぐ生地が擦れる音

サテンも疲れただろ

ゆっくり休んでくれ


「失礼します・・・」


俺のベットに入って来ちゃった

俺の背中にすり寄り、頭を背中に付けてくる

・・・もう着替え見られたくないって話はどうなったんだ

まあいいか

疲れた、寝よう

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