046 住民登録
「土の壁ら!これでモンスター閉じ込めて窒息死させるら!」
「おお」
一夜明けて今は家の裏に居る
メアリーは魔法使えるという事でどれほどのもんか確かめ中
「上の方に少し隙間空けて水を流し込むと手っ取り早いら」
「溺れさせるのか」
なるほど
メアリーの得意魔法は土の魔法らしい
一辺が3mくらいの壁をサイコロ状に出せる
他は火と水と風をちょこちょこっと使えるくらい
「これならトロールでも倒せるかな」
「トロールは倒した事無いら、オークならあるらー」
「オークだって中級だ、すぐにでもハンターになれるな」
「ハンター?」
500年前には無かった職業なのかな
「タカネ様、ハンター登録させるにしても他の仕事をするにしても住民登録しないと、ランバートは不法移民にうるさいですし」
「ああ、そうだっけ」
「申請するだけなんで、怪しまれるような事は無いかと・・・」
「国勢調査っていつくらいから始まったの?」
「良く知りませんが、ここ100年以内じゃないでしょうか」
メアリーは500年前の人間だけどこの世界には戸籍登録とか無いしな
じゃあ申請しておくか
「クーリエがメアリーさんを連れて行ってきますよ、王宮なら勝手が解ってます」
「そうか、じゃあ任せようかな」
「はい」
じゃあ俺は一休み
団欒室でゴロゴロ
サテンとカオリはハンターの仕事に行ってる
「タカネ様、お茶をお持ちしましたわ」
「おおシオン、悪いね急に住人増えちゃって」
「いえ、タカネ様はお優しいんですね、聞けばサテン様もタカネ様に拾われたと・・・」
「ああ、言ってた?サテンはもう一人立ちしてるんだけどね」
急に世話をする人間が1人増えちゃって悪かったかな
だがシオンは気にして無いようだ
「部屋もまだ2部屋空いてますし、私達にもまだまだ余裕がありますわ」
「そうか、そうポンポン増えるような事もないと思うけど」
「賑やかで良いと思いますわ」
「そうだ、エディローって知ってる?」
「聞いた事ありませんね、何の名前ですか?」
「街の名前らしいんだけどね」
ガチャ「ランバートの2つ前の名前なの」
「知っているのかエリーゼ」
「歴史は好きなの、いつか世界中の街を回って歴史を調べたいの」
最年少のエリーゼ
博識なんだな
そうかランバートがエディローだったのか
500年前にメアリーを生贄に出した・・・
何か文献でも残ってるかなぁ
・・・・・・
zzzzzzz
・・・あ、寝ちゃったのか
毛布が掛けてある
気持ち良いなあ
「タカネ様、起きられました?メアリーさんの住民登録が終わりましたよ」
「んん?ありがとうクーリエ」
「街はすごかったら―!都会らー!」
「うふふ、メアリーさんが喜んじゃって遅くなっちゃいました、もうお昼ですよ」
「そんなに寝ちゃったか」
食堂に行き、昼ご飯を食べる
「メアリー、何かやりたい仕事はあるか?」
「・・・・・・よく解んないら」
「取りあえずハンターでいいか、兼業も出来るし」
「うん、それでいいら」
「何か武器は使えるの?」
「ナイフなら使えるら、でもまだ足がおぼつか無いら」
「そうだな、無理させても危ないしもうちょっと様子見るか」
ご飯食べたらクリスティが来た
「タカネ様、500年前この街はエディローって名前だったそうです!」
「・・・うん」
「国勢調査は68年前から始まったそうですよ!」
「おお、そうなんだ、どこで調べたの?」
「国立図書館です!」
国立図書館てのがあるのか
「ムワードって村があったの知ってる?」
「知りませんね、調べて来ましょうか?」
「悪いね、何度も」
「・・・違います、言い方が」
「さっさと行ってこいメス豚がっ!」
「きゅーん、行ってきます!」
「もう戻ってくんな!これはマジ!」
はあ、疲れるなあもう
何で俺がこんな事・・・
「ちょっと街に出て来るよ、クリスティが戻って来たらその辺で逆立ちでもさせといて」
「はい」
「メアリーも行くら」
「そうか体力つけないとな」
「坂が多いから大変ら」
取りあえず街に出る
メアリーとムスタングを連れて
商店街へ行こう
「メアリー、ナイフ買っておくか?」
「買ってくれるら?ありがとう」
「就職祝いだ、鎧も買おう」
最初だし使いやすいのが良いだろう
お店の人に聞いて手頃なのを選んでもらう
ダガーとレザーの鎧と靴
しめて18000アラン
・・・籠手があるんだな
これつけて魔法使えるの?
・・・へえ、使えるんだ
じゃあ買ってあげよう
自分の分と合わせて4000アラン
「頑張るら、モンスターをぶっ飛ばすら」
「おお、そうだな、まずはパーティ見つけなきゃ」
「か、帰り道が辛いら」
「上り坂だからな」
家に帰ったらクリスティが逆立ちしてた
「メアリーもやるら」
「芝生でやるんだぞ、危ないからな」
「あの人凄いら、微動だにしないら」
「見習うなら人は選ぶんだぞ」
メアリーが逆立ち・・・あ、駄目だ
腕が体を支えきれない
華奢だもんな
「腕立てからにしよう」
「うん、そうするら」
クリスティの脇を触る
「っ!・・・」
「クリスティはすごいな」さわさわ
「メアリーは反対側触るら」こちょこちょ
「っ!!・・・」
クリスティの顔がなんとも言えない顔になった
よく耐えてるな
さすが大陸12位
腰も触るか
・・・足がクネクネしだした
顔真っ赤だ
なんかエロいな
「あっ、ああっ、あぁん!」
「ヘソが出てるな、そこも攻めよう」
「ソフトタッチら」
「ううんっ!ひゃあんっ!」
クリスティが耐えきれず崩れた
「ぅぅ、すみません」
「それで、ムワードはどうだったの?」
「・・・昔ありました、けど雪崩で無くなったらしくて」
「どの辺にあったの?」
「北です、山沿いにあったらしいです」
北は行った事無いな
ホソカワムラが東で大きな橋かけたヤーインが西
俺達は南西から来た
無くなったのが500年前なら痕跡も残ってないかもな
井戸跡があるくらいだろう
調べて貰ったけど行く事も無いだろうか
何の為に調べて貰ったんだっけ?
クリスティを遠ざけたいからだったかな
さてもうクリスティに用は無いのだが・・・
「明日、どうすっかな」
「ダンジョンは地下6階で終わりだったのでしょうか?」
「ああ、昨日途中で戻って来ちゃったもんな」
「広い空間だったので奥の方は見えなかったです」
「うーん、じゃあ、組合行ってロクな依頼が無ければ行ってみよっか」
「はい!」
クリスティは帰って行った
ふうやれやれ
「メアリー、魔法の練習しよう」
「解ったらー」
家の裏で魔法練習
・・・まだあまり回数は撃てないか
すぐに息切れする
汗かいてるな
あ、生活用品もう少しくらい買ってあげるか?
着替えも必要だ
ゆくゆくは自分で買わせるとしてももうちょっと揃えてあげるかな
女の子特有の物も必要だけど俺はその辺疎いんだよな
「誰か、メアリー連れて生活用品揃えてあげて来てくれない?」
「クーリエが行ってきますよ」
「悪いね、さっき防具揃えに行った時に買って来れば良かったんだけど」
「・・・メアリーさんがハンターになるのなら、初級と下級くらいなら私でもお手伝いできますが」
ああ、クーリエはハンターやってたんだっけ
しかし、メイドさんとして雇ったのにそんな事させていいのかな
「中級は怖くて駄目ですが、下級くらいまでならフォローしながら回れますよ」
「助かるけど、いいの?」
「メイドの仕事も結構余裕があるので大丈夫かと」
そうなのか
じゃあお願いしようかな
初級からじゃパーティ見つけるのも大変だもんな
「武器防具はまだ持ってるの?」
「はい、実家に取りに行ってきます」
「足りない物があるなら言って欲しい、準備するから」
「では毒消しと薬草と・・・・・・」
ついでに買って来て貰おう
メアリー、疲れてるかもしれないが行っておいで
魔法練習でヘロヘロになってるメアリーを連れ、クーリエが出かけて行った
さあ、俺は団欒室でだらだらしよ
「タカネ様、お茶をお持ちしたなの」
「ありがとうエリーゼ」
「明日はお仕事なの?」
「ああ、クリスティと出掛けなきゃ、はあ」
「いつもすごく稼いで来るからビックリするの」
「命がけだけど儲かるからな」
儲かるのはリスクがあるからだ
軽くやってるが本当は簡単な事では無い
明日命を失う可能性も無くは無い
ハンターというのはそういう仕事だろう
サテンとカオリが帰って来た
「大陸20傑の20位の人が亡くなったらしいよ・・・」
そういう事だ
20位と言えど運が悪かったり、過信したり、色々な要因が重なったりで命を落とす事もあるんだろうな
・・・メアリーにハンター進めたのは軽率だったかなぁ
「じゃあ20位は空位になったのか」
「どうするんだろうね?」
「次点の人が繰り上げなんじゃないの?」
「さあ、聞いてこればよかったですね」
まあ俺には関係ない話だ
次の大陸大会は来年、それを目指そう
「ピエトロの1位ってどんな人なんだろう」
「グスタフさんですね、とても良い方でしたよ」
「真面目なおじさんだよ、ヒゲモジャの」
「2人共知ってるのか」
「奥さんに尻に敷かれてるらしいよ」
「どんな話してんだよ」
斧を使うグスタフさん
カオリがチラッと聞いてみたがスイッチ持ちでは無いらしい
この国にはスイッチ持ちは居ないのかな
「た、ただいま~」
「どうしたのメアリー?ヘロヘロだね」
「自分の生活必需品買いに行かせたんだよ」
「坂がキツイら~」
まだしばらくはハンター仕事無理かな
基礎体力をつけて貰わないと
「サテンはそこまで体力落ちてなかったけどなぁ」
「メアリーは元々体力が無いら」
「そうか、華奢だもんな」
「サテンだってか弱いですよ」
「何故張り合うのか」
夕飯の時間になった
「メアリー、体力つけるには食べるのも大切だぞ」
「うん、すごく美味しいら、お代わり欲しいら」
「たくさん食べるなの」
風呂に入る
「タダ飯ぐらいで申し訳ないら、早く働いて家賃入れるら」
「・・・そうするか、その方が気兼ねしなくて済むよな」
「自立しようという姿勢は大切です、私は今思うとタカネへの依存が酷かったので」
「サテンはすっかり変わったよな」
「そういやカオリは馬に乗れるようになったの?」
「うん、簡単だったよ」
「いいな、俺も練習しようかな」
「ホンダもシャネルも良い馬ですよ、練習には最適です」
ムスタングに乗る前に馬で練習しておいた方が良いかなぁ
また全然別物なのかな
風呂から上がりゆっくりする
メアリーの部屋の前を通った
・・・腕立て伏せか?
1・・・2・・・3・・・・・
終わりか
グッタリした、まだまだだな
でも努力する姿勢はあるようだ
慌てなくていい、じっくり体を作ってから始めてくれ