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全部神様が悪い  作者: 無二エル
ホメロス王国編
23/134

023 新作発表会

今日もハンター組合に行く

あと上級依頼4回で最上級か

・・・しかし上級依頼は無かった

サテンとカオリと別れ、俺は河川工事へ行く


「やあ、要所だけを補強する予定だったんだが、この機会に全面補強する事になったよ」


採石場へ行くとそう言われた

全面補強か、それを下流まで・・・

大工事だな

だが一度やってしまえば100年以上持つらしい

長い目で見ると効率的な工事なのだろう

じゃあ張り切って石を運びますか


「大きくて丈夫なソリを新たに作った、あんたなら運べるはずだが・・・」


・・・ソリだけで1tくらいありそうだ

細長く丈夫なソリ

小回りは効きそうに無いな

だが効率が良くなるなら構わない


「5tくらい乗るはずだ、段差や地面の大きな反りには気を付けてくれよ」


これだけ長いと変な重心のかかり方をしちゃうとあっけなく壊れちゃうかもな

5tともなるとその辺も気を付けないと

まあ任せてくれ


石を積み込み走り出す

石を積み込むのも時間かかるな

2台作って貰って、走ってる間に積み込んで置いて貰えないかな

・・・邪魔か、毎日来るわけじゃないもんな

一応、後で言ってみるか

2tの時より若干スピードが遅くなった

細長い分、扱いが難しい

途中で立ち往生している馬を助けながら進む

ムスタングは相変わらず大人しい

偉いぞ

馬の方もムスタングを見て驚かないんだよな

グリフォンは馬の天敵だって聞いていたけど

ムスタングがまだ小っちゃいからなのか

敵意が無いって解るからなのか

よく解んないけど、トラブルが無いに越したことはない


現場に着き、石を下ろす

人足が増えてるな

水をせき止めた川のあちこちで、人間の動く姿が見える

こうしてみると、本当に大工事なんだな


「あんたのおかげだよ、来年の雨が増える時期までに、3つの河川すべて補強を終わらせられる算段が出来たらしい」

「そうですか、氾濫が無くなるといいですね」

「その為の全面補強だろう、この川で2000t、次の川で4000t、最後の一番大きな川で12000tの石が必要な計算だ」


12000t

5tのソリで2400回往復

一日10往復だとして240日?!

俺、そんなに長い間手伝うって言ったっけ

まあ他の馬も居るしなんとかなるのかな

この川が一番遠いしな

他の川ならもっと往復出来るかもしれない


現場から採石場に戻る

すれ違う馬ソリ達

みんな頑張ってるな

あれ?あの馬、足を引きずってる


「大丈夫ですか?」

「ああ、大きな石が転がって来て当たったんだ」


前のソリから?

俺のソリからじゃないだろうな

全然気が付かなかったが

馬って骨折とかすると予後不良になるんじゃなかったっけ

た、大変だ

ヒーリングをかける

馬が癒されていく


「骨には異常無かったみたいだ、ありがとう」

「よ、良かった」


少し泣きそうになった

一生懸命働いてそんな最後じゃ悲しいじゃないか


「久々に馬肉食えるかと思ったが」

「・・・・・」


人間て酷いよな

まあ、そうやって生きてるんだけどさ

俺もモンスターを容赦なく殺してるし

それに馬肉は美味しいよね


採石場へ帰る


「邪魔で無ければソリもう一台欲しいんだけど、私が運んでいる間に石を積んでおいて貰えば助かります」

「構わないが大丈夫なのか?息つく暇が無いじゃないか」

「早く終わらせたいので」


どのみち運んで降ろして戻るのが一番時間がかかるんだ

積む分だけでもロスを無くせれば助かる

ソリは3日で出来上がるらしい


石を積み込みまた走る

現場が少しずつ下流になっている

着々と工事が進んでいるんだな

だがこの先下流になる程、現場は遠くなって行く

・・・計算できないな、これ、本当に終わるのかな

雨の日はやりたくないぞ


焦っても仕方ない

俺はコツコツと石を運ぼう


結局今日は9往復した

運ぶ量は倍増したが、やっぱり石を積む時間のロスで往復出来る数は減ったな

やっぱもう一台作って貰わないと


ムスタングを抱え、走って帰る

おや?いつもより足が速いような

ひょっとして鍛えられたのか?

見た目は全然変わってないんだけどな


「おかえりタカネ、買い物は行ってあるよ」

「そうか、ありがとう」

「タカネ、明日の事なんですが・・・」

「明日?何かあったっけ?」

「下着の新作発表会です、言ってませんでしたか?」

「明日なの?そういや何時か聞いてなかったな」

「すみません・・・、午後からなのですが大丈夫ですか?」

「ああ、解ったよ」

「2人共、私も見に行くからね」


どんな下着なんだろ

ちょっとだけ不安だ


風呂に入る


「明日、皆に見られちゃうんだね、タカネの胸」

「そう言いながら揉むなよ」

「ふふふ、従業員もお客さんも女性だけですよ」

「そうでなきゃ嫌だよ」

「どんな気分なの?女に裸見られるのって」

「下着姿だけどな、勿論複雑だ」

「すみませんタカネ、嫌でしたか?」

「ちょっと不安だけど、嫌ってほどじゃ・・・」


・・・本当は嫌だけどサテンの為だ、仕方ない

あ、ムスタングはどうしよう

下着店に連れてって良いのかな


「私が抱えてるよ」

「カオリの胸じゃムスタングが不満じゃないかな」

「ひどーい!」


いつも人の胸を触る罰だ

Dあれば十分だよ

邪魔なだけなのになんでこんなもんに拘るのか



次の日、今日は雨だ

午前中だけでも石運びに行こうかと思ってたけどやめておくか


「タカネー上に乗って~」

「はいはい」


カオリの腕立て伏せの重しだ

変な意味では無い


「今日は、何回、やろうかな」

「あんまり頑張り過ぎるとまた筋肉痛になるよ」

「でも、増やして、いかないと」


向上心か

俺は何を目指せば良いんだろう

キャミソールで腕立てをするカオリ

目の前で動くカオリの肩甲骨に指を這わせる


「きゃあ!な、なに?」

「ああごめん、筋肉の躍動に触れて見たくて」

「も、もう」


カオリが腕立てを150回続けた

背中に玉の汗が出来ている


「お、降りて、タカネ」


カオリが立ち上がる

息がはずんでいる

艶のある肌から汗が落ちる

健康的な色気だな


「腹筋もしようかな」

「足、押さえようか?」

「うん、お願い」


カオリの脚に触れる

細いよな

人の事は言えないけど

なんであんな力が出るんだろうな


カオリの上半身が起き上がる

胸の谷間が近づいて来る

悪くない眺めだ

寝転がり、起き上がり、形を変えるカオリの胸

Dで十分じゃないか


「ひゃ、ひゃく~」


バタンと倒れるカオリ

ヘソが出ているな

荒くなった息を整えようと細かくヘソが上下する

指を突っ込みたい衝動にかられるが怒られそうだからやめておこう


「つ、つぎは」


俺を肩車してスクワットするカオリ


「これはキツイでしょ、無理しないでね」

「う、うん、50回でやめとく」


おっと、しゃがんだ時のバランスが悪い

危ない危ない

大丈夫かな

すごく力んでいるのが解る

踏ん張って俺を持ち上げるカオリ


「ふんぬー!!」


変な声を出しながら頑張るカオリ

血管切れちゃわないかな

あまり無理はし過ぎないで欲しい


「ご、ごじゅ~~!!」


ヒョイとカオリの上から降りる

ぶっ倒れるカオリ

汗でビシャビシャだ


「た、タカネ、もう駄目、お風呂に連れてって」

「ええ?仕方ないな」


脱衣所までお姫様抱っこ


「ふ、服脱がせて」

「はいはい」


椅子に座らせ服を脱がせる

汗でくっ付いて脱がせにくい

ビチャビチャだ、洗濯籠に入れる

ブラを外し、パンツを脱がせる

・・・変な気分だ

すごく、変な気分


「駄目ぇ、体も洗って」

「やれやれ」


自分も服を脱ぎ、カオリをお姫様抱っこで風呂へ

風呂椅子に座らせ、お湯をかけてやる


「ああ、気持ちいい」

「髪も洗うか?」

「うん」


シャンプーをつけ、頭をマッサージするように洗ってやる

ショートカットだから洗いやすいな


「ああ、タカネ、上手・・・」

「痒いとこ無い?」

「うん、大丈夫」

「お湯かけるよ」


ザパァ

スッキリした顔のカオリ


「もう大丈夫か?」

「体も洗ってよ」

「ええ?」


仕方ないから背中を洗う

小さい背中がすぐに洗い上げられる

カオリが振り向く


「前もお願い」

「・・・・・」


肩を洗い胸を洗いお腹を洗い・・・


「ここも?」

「うん」


股間を洗い、足を洗った

最後に立ち上がったのでお尻を洗う


「・・・なんなのこれ」

「・・・なんだろね」


カオリの全身にお湯をかけ出来上がり


「さ、さあ、今度は私がタカネを洗ってあげるよ!」

「え?嫌だ」

「な、なんで?」

「鼻息荒いもん」

「そ、そんな事無いよ!」


眼がヤバイ

カオリは何かに目覚めてしまったのではないだろうか


「今日は下着の新作発表会でしょ?隅々まで綺麗に洗わないと!」

ガラッ「私もそう思います」

「サテン」

「2人でタカネを隅々まで洗ってあげましょう」

「・・・・・」


サテンは親切で言ってくれているのかも知れないが、カオリは違うと思うんだよな・・・


「さあタカネ、座ってください」

「む、むう」

「た、タカネ、早く、早く」

「・・・・・」


仕方ない、風呂椅子に座る

サテンが俺の前に来て俺の髪を洗いだす

・・・丸見えなんだが

サテンは気にしてない様子

カオリが俺の背中に回る

うう、後ろをとられた

マジで不安だ

何する気だろう

首から肩、腕を洗い、脇、背中、腰を洗う

意外と普通だな

うわ、後ろから胸を洗って来た

背中に鼻息が当たってるような

長い、長い、胸を洗うのが長い


「カオリ、綺麗に見えるよう丹念に洗ってくださいね」

「余計な事言うなよ、サテン」

「え?!何を怒って・・・」

「・・・・・」

「ハァハァ」


なんだろう、洗って貰ってるのに穢されてるような感覚

イライラしてしまった

サテンは戸惑っているな

俺の顔の前でサテンの胸が揺れる

こんな状況なのに背中の方が気になるなんて


「わ、私も体を洗いますね」


サテンが気を使いだした

タオルを泡立てお腹を洗う

そしてその下へ

ぐぬぬ、こ、これは


「タカネ、立ってください」

「ま、マジで?」

「?、でないと洗えません」


・・・立ち上がる

股間、内腿、足全体を洗うサテン

カオリは後ろから俺のお尻を洗ってる

は、恥ずかしい

変なもん見えてないと良いけど


「さあ、お湯をかけますよ」

「・・・あれ、もう終わりなの?」


早く終われ

サテンがお湯をかけてくれた

カオリは名残惜しそう

俺はぐったりとし、湯船に入る

うう、もうお嫁に行けない


「ふふ、カオリ、くすぐったいですよ」


風呂からカオリがサテンを洗うのを見守る

姉妹が仲良く体を洗ってるみたいだ

・・・俺の時と違うじゃないか

俺の時はネチネチと胸を攻めたくせに


クスン、2人に穢されちゃった

ホロリと涙が出た


「タカネ、のぼせたんですか?元気が無いですね」

「大丈夫?これから新作発表会なのに」


誰のせいだよ

まったくもう



午後、下着店


「こ、これを着るのか」


嫌な予感的中

いくつか着替えるみたいだが、殆んどがセクシーなガータベルトとTバック

俺の苦難は続く


試着室が2つ

カーテンが敷かれ、中で着替える

店員が手伝ってくれる

着替え終わるとカーテンが開く

外には貴族のご婦人方、お嬢様方

普段は下着が展示されてる部分が開けられ、客席になっていた

50人くらいいるかな

俺の下着姿を見つめ、ウットリしてた

・・・複雑だ

もう一方の試着室ではサテンが着替え、準備が出来たら開くのだろう

そしたらまたこっちのカーテンが閉まり俺は着替えさせられる

・・・何してんだろ、俺

男なのに


「ポーズとってください」


カーテンに隠れている店員にうながされ、適当にポーズをとる

腰に手を当てて見たり、髪をかき上げてみたり、足をクロスさせてみたり

その度に客席からため息が漏れる


「素敵ねえ・・・」

「わ、私もあの下着を着れば・・・」

「アレを着たら愛しのあの方も・・・」


どうだろうね

それは責任が持てない

サテンのカーテンが開く

・・・いやらしい下着を着ていた

あ!こっちのカーテンが閉められる

もうちょっと見たかったな

慌てて下着を脱がされ、次の下着を着せられる

下着の中に手を突っ込まれ、胸を寄せられ、されるがままだ

・・・本当に何してんだろ、俺

溜息が出た


Tバックが尻に食い込む

ああ、何とも言えない感触

女はよくこんなもん着てられるな

落ち着かないったらありゃしない

あ、カーテンが開いた

笑顔でサービス、適当にポーズをとる

金貰う以上しっかり仕事をこなさないとな

・・・カーテンが閉まると自己嫌悪

今日何度目かの何やってんだ俺


ボソッ「素敵ですよ、ポーズも見せ方が上手です」

「は、はあ」

「しぃ~、客席に聞こえてしまいます」

「・・・・・」


だったら話しかけないでよ


地獄のような時間が続き、10回ほど着替えたところで新作発表会が終わった


「タカネ、綺麗だったよ」

「そりゃどうも」

「うふふ、今回着用した下着を貰えました、良かったですねタカネ」

「・・・・・」


絶対着ないような下着を10着と2万貰った

代わりに何か大きな物を失った気がする


家に帰る


「俺、今日はご飯も風呂も良いや」

「大丈夫ですか?タカネ」

「元気ないねぇ」

「いや、なんだか疲れたんだ」


自室に戻り、ベットに突っ伏す

上着を脱ぎ、下着姿になって毛布をかぶる

ムスタングが心配してベットの上に乗って来た


「クゥー・・・」


細い声を出し、俺を慰めてくれる


「お前だけだよ、俺の気持ちを解ってくれるのは」


静かに眼を閉じ、呼吸を整える

知らないうちに寝息をたてていた

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