021 ケルベロス
・・・朝か、ぐっすり眠れたな
ムスタングが扉をガリガリしてる
ああトイレか、今開けるよ
「おはようございます、タカネ」
「カオリはまだ?」
「ええ、疲れているようです」
「昨日頑張ってたからな」
サテンは今日休みだっけ
朝御飯を食べ終わるがまだカオリが起きて来ない
具合悪いんじゃないだろうな?
「カオリ、大丈夫か?」
「うう、腕立て200はやりすぎたかも」
筋肉痛か
じゃあ大丈夫だろう
今日一日休むといい
「俺は依頼見てくるよ、そのまま受けて来るかも」
「気を付けてくださいね」
ムスタングをつれハンター組合に行く
お、グリフォンがあるな
・・・ムスタングが居るからやめておくか
お、中級に狼男がある
行ってみるか
ムスタングを抱え5分
盗賊に出くわした
久々だな、首都の近くにもいるのか
しかしムスタングがグリフォンだと気づいた途端四方八方に逃げ出す
その盗賊が逃げた一方で叫び声が聞こえた
何か居るな
・・・2匹の狼男だった
盗賊は噛み殺されてしまったようだ
ダッシュしてエストックで心臓をグサリ
一匹が力尽きた
もう一匹は攻撃させてみるか
ヨダレを垂らしながら4本足で向かって来る狼男
結構早いな
しかし敵ではない
爪を振り上げたところでスローモーション
後ろに回り込み心臓にグサリ
力尽きた
終わった、猪突猛進型みたいだ
盗賊は罰が当たったんだな・・・
街に帰る
ハンター組合に帰る
新しい上級依頼は追加されていない
帰ろ
「上級依頼はあった?」
「あったけどグリフォンだったからやめておいた」
「そっか」
「俺は河川工事に行って来るよ」
ムスタングを連れ採石場へ
「あんたか、聞いてるよ、すごい美人だな」
採掘場の責任者っぽい人に話しかけた
丈夫そうなソリを持って来てくれる
「10tくらいなら運べるので」
「ソリが持たないよ、2tで往復してくれ」
「馬だと一日何往復くらい出来るんですか?」
「2往復がやっとだな、いま10組に分かれて運ばせてるが」
ソリに石が積み込まれる
一個20kgくらいの石だな
これを河原に敷き詰めたり、堤防作ったりするのだろう
100個くらい積み込まれ、準備が出来たようだ
ムスタングをその上に乗せ大人しくしているように言う
運ぶ場所を聞いて走り出す
道もあまり良くないのでスピード出し過ぎ注意
バウンドしてひっくりかえるのは避けなくては
途中で馬が運んでるのを見かける
・・・足の太い丈夫そうな馬だが遅いな
8頭で引いてるが重いから大変そう
軽々抜かしていく
おや、止まっちゃってるのもいる
引っかかっちゃったのか?
一回動き止まると動かし始めるのに苦労するだろうな
手伝ってあげよう
ソリの後ろを押し、動かしてあげる
従者が手を上げお礼を言う
グリフォンは馬を襲うって話だったけど、ムスタングは大人しいな
それを抜かし、先に行く
現場に着くと、石を降ろす
空になったソリを持って戻る
空になった分、衝撃を考えなくていいから早く帰れるな
途中止まってるソリを助けてやる
結構みんな苦労してるんだな
「すごい勢いで走ってったと思ったらもう戻って来たか」
「石積むの手伝いますよ」
「・・・軽々持ち上げるな」
「採石も急いでください」
「ああ、この分だと足りなくなるな」
そんなこんなでその日は12往復した
「あんたすごいな、これなら工事があっという間に終わるよ」
「またハンターの仕事が無い日は来るので」
「ああ、頼りにしてるよ」
帰るか
ムスタング、大人しくしてて偉かったぞ
「タカネ、おかえり~」
「ただいま、サテンは?」
「魔法の練習で疲れちゃったみたい、リビングで寝てるよ」
サテンも頑張ってるな
夕飯の買い物は俺が行ってこよう
ムスタングを連れ買い物へ
ナンパよけに大活躍のムスタング
買物もスムーズだ
必要な物を買いそろえ家に帰る
「タカネ、買い物に行ってくれたんですか?さっき行って来たのに」
「あらら、確認し忘れた、サテン一人で行って来たの?」
「はい、ナンパされましたがあしらいましたよ」
「そっか、なんとかなったか、良かった」
「この前行った下着屋さんにも行ってきました、それでタカネ、相談があるのですが」
「何?」
「今度貴族のご婦人相手に下着屋さんで新作発表会をするそうです、そのモデルを頼まれたのですが」
「ふーん、やるの?」
「・・・タカネと2人でならやると言ってしまいました」
「え?俺も?」
下着のモデル?
そんなのやりたくないよ
あの下着屋セクシーなの多かったし
「報酬が一人2万だそうです、私にとっては大きかったので・・・」
俺にとっては少ないが、サテンにとってはそうか・・・
うーん
「カオリじゃ駄目なの?」
「カオリもスタイルは良いですが、タカネに比べると・・・」
俺とサテンはほぼスタイルが一緒だ
カオリもスタイルは良いが俺達と比べてしまうと・・・
「うーん、仕方ないか、やるよ」
「ありがとうございます、下着は私と同じサイズで作って貰いますね」
そうか、手間が省けていいけどさ
夕飯食べて風呂へ入る
脱衣所で服を脱いでいたら
「タカネ、一応サイズ図っても良いですか?」
「え?ああ、解った」
「バストは・・・91、アンダーは・・・65、Hカップですね、ウエストは・・・54、ヒップは・・・84ですね」
「うわ、やっぱりすごい体だね、タカネ」
「身長は170、股下は99cm」
「きゅ、99cm?!」
「やっぱり私とほとんど一緒ですね」
「サテンも?!」
あと肩幅とか胸の高さとか色々図られたけどほとんど一緒だった
ついでにカオリのサイズも図る
身長158cm B82(D)、W52、H80、股下81cm
十分スタイルは良いんだがな
しょんぼりするカオリ
贅沢だよな
風呂に入ってからも俺の体をジロジロ見るサテン
サテンもカオリみたいになってしまったか
「触っても良いですか?」
「・・・・・」
「じゃあ私も」
「・・・・・」
女二人に体中を触られる
いやん
なんだよもう
カオリ、触り過ぎだ
もうやってられないぜ
就寝
次の日、3人でハンター組合に行く
サテンはいつも通りテスタさんに預ける
俺とカオリは上級依頼を見て見る
お、ケルベロスってのがあるな
「報酬高いな、行こう」
「50万か、トロールと一緒だね」
カオリとムスタングを担いで前にガーゴイルが居た古城へ
「城の中に居るのかな?」
「さあ、ガーゴイルが居なくなった後に住み着いたらしいけど」
「害はあるの?」
「人間食べるみたいよ」
そうか、じゃあ狩らないとな
いた、城の入口だ
俺達を見つけ唸っている
頭が3つある大型の犬
体長5mくらいかな
牙をむき出し、凶暴そうだ
「どうする?」
「・・・強いね、私じゃ無理だと思う」
そうか、カオリも慎重になったもんだ
取りあえず攻撃してみるか
一気に距離を詰めエストックで頭の一つを潰す
ケルベロスはビックリしてジャンプ
空中で反転して俺達の20m後ろに飛びのいた
どうでる?
・・・一番右の頭で潰した頭に息を吹きかけるケルベロス
再生した、脳を貫いたはずなのに
「また再生か」
「引きつけるから魔法で一気に倒して」
「解った」
カオリが走り出す
ケルベロスは警戒し、カオリの方を向いた
俺はケルベロスの後ろに回り、氷の魔法を撃つ
大きなつららが5本くらいケルベロスに飛んでいく
あ、察知されたな、ケルベロスが振り向きジャンプする
逃がさん、つららが空中のケルベロスに方向転換する
追尾出来るのか、知らなかった
空中で避けようのないケルベロスに当たった
凍るケルベロス
凍ったまま真下に落ちる
結構な高さから落ちたが氷は砕けない
「や、やっつけたの?」
「たぶん、凍死してる」
近付いてみる
俺の察知能力が働かない
再生能力はどこまで働くんだろう
ここは慎重になるべきか
「5分ほどしたら魔法解いてみよう」
「うん、それにしても魔法を曲げるなんて・・・」
―――5分後
「解いてみるよ、気を付けて」
「う、うん」
氷の魔法が解ける
力なく崩れ落ちるケルベロス
死んでるな
再生したら困る、心臓らしき場所にエストックを刺しておく
・・・キズは塞がらない
たぶんこれで大丈夫だろう
「私、出番無かったな」
「強かったよ、早期に退治できて良かった」
魔法を察知された
侮れないな
取りあえずハンター組合に戻ろう
「これでトロールとケルベロスをやっつけた事になりますね、あと上級依頼6回こなせば最上級です」
受付のお姉さんにそう言われた
トロールとケルベロスと依頼10回が昇格条件らしい
こうなるとさっさと上がりたいな・・・
だが上級依頼はもう無い
ん?カオリが誰かと話してる
女3人のパーティだ
「タカネ、この人達3人共中級なんだって」
「そうなんだ」
「私、パーティに入れて貰おうと思う、中級で腕を上げるよ」
「解った、気を付けてよ」
カオリは上級だが力不足を感じているようだ
それがいいだろう
というか俺と組むのは良くない気がする
あっさり終わらせちゃうと経験積めないよね
「じゃあ俺は治水工事にでも行ってくるよ」
「うん、頑張ってね」
家に帰り邪魔なエストックを置き、採石場へ
途中、ゴブリンに襲われている馬ソリを見かけた
魔法でゴブリンをやっつける
従者が涙ながらに感謝してくれた
採石場に着き、また現場との往復
今日は11往復で来た
途中、引っかかって立往生してる馬ソリを助ける事もしばしば
ソリはどうしても摩擦が多いからひっかかるよね
車輪にした方が速いのだろうが2tもの荷物を運ぶとなるとブレーキの効きやすいソリの方が良いのかもな
車輪はいざと言う時、急に止まれないのがネックだ
坂道で止まれなくなるのも危ないのだろう
採石場はちょっと山の方にあるからな
「ああ、それに車輪は傷みやすい、10往復もしたらボロボロになるだろう」
そうらしい
この世界の車輪は木だ
2tの荷物乗せてるとそんなものかも知れない
まだまだ文明レベルは低いんだ、仕方のない事なんだろう
家に帰ろう
2人共帰って来てた
「おかえりタカネ、いやあ今日の私は大活躍だったよ!」
カオリは自分より実力の劣るパーティメンバーと共に戦い生き生きとしてた
やっぱ俺と一緒じゃない方がいいんだな
役に立てる充実感があるんだろう
「でも私が張り切り過ぎちゃった、もっと連携も覚えないと上には行けないかな」
自分の課題もちゃんと解ってるんだな
俺はどうすりゃいいんだろ
何を頑張れば良いのか解らない
「サテンはどんな感じ?」
「1m四方の土の壁が出せるようになりました、もう少し大きく出来ると良いのですが」
「随分進化してると思うけど」
「タカネに比べれば全然ですが、私も魔法の才能が開花し始めました、これほどのスピードで上達するのは珍しいそうです」
サテンも俺から離れて成長が著しい
テスタさんの指導も上手なんだろう
元々努力すれば伸びる才能があったんだろうな
「ゆくゆくはヒーリングも覚えたいです」
皆、俺から巣立っていった
少し寂しい
昨日買い過ぎたので今日は買い物は無しだ
夕飯を食べて風呂へ
「タカネ、柔らかいのに張りがあってとても良い胸です」
「たまんないなあ、むぎゅー」
サテンとカオリに弄ばれる俺の胸
そろそろ怒ろうかな
まあいいか、胸くらい
男には絶対触らせないけどな
「足もツルツルで素敵です」
「股間もツルツルで可愛いよ」
・・・悪かったな