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全部神様が悪い  作者: 無二エル
ホメロス王国編
17/134

017 治水

「カオリ、俺はもう駄目だ、先に行ってくれ」


生理二日目はもっと辛かった

カオリに迷惑かけたくないので一人で依頼受けに行ってもらう

でも無理はしないで欲しいな


一日中ベットに横になる

何もする気が起きない

これ、明日には良くなるのかな


・・・夕方には楽になってきた

不思議だな

何なんだろこれ

2人が帰って来た


「タカネ、大丈夫ですか?」

「うん、大分楽になったよ」

「明日は行けそう?」

「多分、でもちょっと不安だな・・・」

「大丈夫だよ、心配し過ぎ」


なにしろ初めての経験だ

随分取り乱しちゃった


次の日

随分楽になった

お風呂に入って無かったので朝から入る

体と共に気持ちもサッパリした


4日ぶりのハンター組合

カオリは昨日中級を2つ片付けたらしい

遅れちゃったな

今日は中級3回やってカオリに先に上級に上がってもらおう

マンティコアの依頼があったので受ける

カオリが今度こそ一撃で仕留めるから任せてと言ってくる

頭か心臓か首か

取りあえず任せる事にした

マンティコアと対峙するカオリ

気合が入っている

マンティコアが突っ込んで来た

カオリが横に避けながら力強い一撃をマンティコアに振り下ろす

決まった、あの体勢から一撃か

カオリも順調に成長していた

自分の成長は解らないんだよな

ここまですべて一撃で終らせてしまっている

手ごわい敵に会わない限りは成長しない気がする

うーんつまらん

その後、中級依頼を2つ片付けカオリは上級に上がった


夕飯の買い物をサテンとカオリに任せ、俺はこの前の魔女の女の子に会いに来た


「あ!お姉さん!すごいよ、まだ薬の効果が切れてないよ!」


アンバランスに胸の大きな少女

この前の薬の効果がまだ切れてないらしい


「高く売れたから50万あげるよ!」


遠慮なく貰っておこう、それで、あのー


「生理を止める薬?あるよ、普通に薬屋に売ってるよ」

「そうなの?」

「うん、脳を妊娠状態と錯覚させて生理が来なくなるの、妊娠もしなくなるから彼氏と好きなだけ楽しめるよ?」


・・・彼氏って誰だ

女の子はちょっと赤くなりながらそう言った


「体に悪影響はないの?」

「高い薬を買えば大丈夫だと思う、安いのは誰が調合したか解らないから心配かなあ?」


女の子が言うには高い実績を持った人が調合した薬は副作用も無く安心らしい

その代わり値段も高くなると

実績の無い人が調合した物は安いかわりに効果も低いし副作用も大きいかも知れないとの事

薬全体に言える事なんだって


お礼を言って薬屋へ

生理が来なくなる薬を買う

高いな、毎日飲まなければいけないらしい

30日分で9000だった

時期になると尿が赤くなるって言われた

どういうカラクリか解んないけど排出される場所が変わるって事か

体の中に貯めこむ心配が無いのはいい

明日の朝から飲み始めよう


「ええ?タカネ、そんな薬買ったの?いかがわしい・・・」


家に帰るとカオリに白い目で見られた

何でだ?便利だと思うが

娼館の女が良く買うんだって

ああ、そういう事か・・・

じゃあ俺も薬屋でそう思われてたのかな

買いにくくなった

アマ○ンがあれば恥ずかしがらず何でも買えるのに


「カオリ、上級昇格おめでとう」

「えへへ、タカネより先に上がったよ」

「すごいですね、私なんて中級に上がるのはいつになるか・・・」



次の日

サテンとカオリは休み

俺は中級2つ行って上級に上がってこよう

サテンの魔法練習にはカオリがついてってくれるだろう


「先に上級依頼受けちゃわないでよ」


はいはい、解りました

さてさて、依頼依頼・・・

マンティコアは無いなあ

仕方ない

適当な依頼を2つ受けて片付けた


昼過ぎだな

違う仕事も探したいんだよな

何か面白い仕事は無いだろうか

職業紹介所に行ってみる

うーんどれも給料が安く感じる

月に4万くらいの仕事が殆んど

髙くても月10万とかだ

中級依頼1回で8万くらい貰えるから比較にならない

命がけの仕事だから報酬も良いのだろうが・・・

このままハンターやってくのが一番いいのかな


ん?これは・・・

娼館 1日最低保証1万アラン

娼館でもこんなものなのか

いや、絶対にやらないけどさ

20日働いて20万

歩合だろうからもっと行くだろうけどハンターの方が全然良い

しかし職業紹介所に娼館の募集があるとはね

倫理観の違いだろうか


「興味がおありですか?」


娼館の募集見てたら中年の紳士に声を掛けられた


「あなたなら月200万も夢ではありませんよ?」

「この前ドラゴン狩って1600万貰ったんで興味ないです」

「な、なんと、貴方がそうでしたか、確かに銀髪の美女・・・」


娼館の経営者なのかな?

下卑た感じはしないが・・・

俺の偏見なのかな


「ドラゴンを一人で狩れるほどのお方でしたら、娼館などに用は無いでしょう、失礼しました」

「いえ、違う仕事を探していたのも事実なので」

「おや、ハンターの仕事は命がけですが、それ以上に儲かる仕事はないかと」

「やっぱりそうなんですか」

「ええ、経営者にでもなれば別ですが」


経営者か

それを目指そうかな

お金はあるし何か始めようか


職業紹介所を出る

歩いてると知り合いがいた


「これはタカネ殿、元気そうだな」


騎士アズバーンだ

カントナから首都メルホースまで送ってくれた人


「この広いメルホースで再び会えるとは、運命ではないか?」

「偶然だと思いますが」

「むむ、これは手厳しい」


俺の事狙ってるんだよな

悪いが男に興味は無い


「ドラゴンを狩ったそうだな、只物では無いと思ったが」

「氷の魔法で一撃でした、この強すぎる魔法を何か他の事に使えれば良いんですが」

「な、なんだと?一撃?」


半信半疑って顔だ

そりゃそうか


「・・・ちょっと見せてもらえないか?」

「ここで?それは無理では」

「いや、出来るならで良いのだがファルカン湖を凍らせて欲しい」


アズバーンが馬を取りに行った

一緒にファルカン湖とやらに行く

馬の後ろに乗れと言われたが丁重にお断りした

アズバーンがガッカリしたが男の後ろは嫌だ

俺は走ってついていく



「ここだ」

「随分大きいですね」

「冬は凍るから渡れるんだ」

「渡る?」

「向こうに街が見えるだろう?近道になるんだ」


反対側に建物が見えるな

随分深そうな湖だが・・・

でも凍らせたところですぐ溶けるんじゃないか?

意味あるのかな?

まあいいか、やってみる

魚とかも居るだろうけど凍らせていいのかなあ・・・

よし、イメージだ

湖の表面50cmくらいを全体的に

両手を出し、冷気が広がっていく

見る見る凍りだす

半径300mくらいの湖の水が凍った


「な、なんという事だ」

「対岸までは無理ですね、凍った先でもう何回か魔法使えば行けるかも」

「じゅ、十分だ、こんな強い魔法始めて見た」


どうだろうか

何かに使えると良いのだが


コンコン「分厚い、馬も十分乗れるな」

「でもすぐ溶けちゃうんじゃ・・・」

「何を言ってる、魔法の氷がすぐに溶ける訳無いじゃないか」


・・・そうなの?

良く知らない


「これほど強い魔法なら、術士が魔法を解除しない限り1か月くらいは持つんじゃないか?」


いや、解らないんだよ

まだこの世界に来て1か月経って無いし


アズバーンが剣を取り出し湖の前で振りかぶる

ロングソードだな、1mくらいある

背中から前へ、両手で氷に向かって振り下ろす

キィィィィン

高い金属音のような音が響き、ロングソードは跳ね返された


「いたたた、なんという硬さだ、剣の先が欠けたぞ」


氷にはダメージがないな

これじゃあ穴掘って魚釣りとかは出来そうもない


「・・・下流の川で氾濫が多くてな、これを利用して何とか出来ないかな」

「全体凍らせても、流れ込む水があるんだから溢れちゃうでしょ」

「いや、水の出口は3本の川なんだ、一本ずつ塞いでそれぞれを工事をすれば・・・」

「そんなの木でダム作れば・・・」

「ダム?なんだそれは?」


ダムは通じなかった

水の出口を木で塞げば良いだけなのだが

しかし川幅が広すぎればそれも無理か

簡単に凍らせれるんならダムは労力の無駄かもしれない

出口を土の壁で塞いでもいいかもしれない

いくらでもやりようがありそうだ


「王宮に話してみてもいいか?実現できれば水害が減って非常に助かる」

「治水工事ですか、お役に立てるなら構いませんよ」

「上手くいったら生活が変わる、報奨金も出すからな」


そんな訳で公共事業に手を貸す事になりそうだ

帰りも馬の後ろに乗らないか誘われたが断った

アズバーンはしょんぼりしてた

諦めてくれよ



「タカネ、遅かったね」

「ああ、色々と回ってた」

「上級にはなったんですか?」

「なったよ、明日からは上級にチャレンジしたいな」

「上級依頼はそんなに無いみたいだけどね」

「サテンは魔法の練習どうだった?」

「土の壁が少しだけ大きくなりました」

「そうか、頑張ってるな」


そうだ、明日はミスリルのエストックが出来上がる日だな

朝取りに行かないと

そのあと上級の依頼があったら受けてみよう


サテン、カオリを風呂に入る


「2人共、こんな細い体でもう上級だなんて・・・」


その辺は本当に謎だ

筋肉とか全然無いのに12tのドラゴン引きずってこれたし

おかしなスイッチのお陰でいろいろチート能力に恵まれている


「サテンは自分のペースでゆっくりやればいいからね」

「はい、焦らずゆっくりやります」

「ね、ねえ聞きたいんだけど」

「どうしたカオリ?」

「タカネは脇ツルツルだけど剃ってるの?」

「剃ってない、生えてこないよ」

「・・・私も、前の世界では処理してたのにな」


なんでだろう

無駄な物だからかな

余計な手間がかからないのは良い事だが


「た、タカネは下もツルツルだよね・・・」


おう、子供みたいだよ、悪かったな

そこは突っ込んで欲しくなかったのに

ちなみにカオリは少しだけ生えている


「ふふふ、タカネ、子供みたいですね」

「その体で生えてないなんて卑猥だわ」

「言いたい放題言いやがって」


女の体なんだし体毛は薄いに越した事無いでしょ?

手入れとかめんどくさいし

サテンは・・・処理してるのかな


「私も濃い方ではないので・・・」


ちょっと赤くなるサテン

可愛い


「髪の毛さえ生えてくればそれでいいよ」

「まあね」

「そうですね」


よし寝よう

上級か

少しは歯ごたえがあると良いけど

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