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全部神様が悪い  作者: 無二エル
ホメロス王国編
16/134

016 中級依頼

次の日、武器屋へ向かう


「片手で持ってるが両手剣だぞそれ」


武器屋のおじさんがいろいろ教えてくれた

やたら長い長剣

刃はついてない突く武器だ

長すぎるので鞘が無い

抜けないからだろう

刃がついてないから鞘が無くても平気かな

でも錆びるような・・・


「折れやすいから使い捨てだよ」

「そうなの?折れない素材で作ってもらえない?」

「ミスリルで作るか?昨日儲けたって聞いたぞ」


もう銀髪の女がドラゴン狩った噂は街中に広がってるらしい


「ミスリルだといくらくらいになるの?」

「貴重な金属だからな、80万くらいになるよ」


高い

普通のエストックは13000なのに

勿体ないかな

・・・いいか1600万あるんだし、他に使い道も無いのが現状だ


「一週間くらいかかるよ」


お金を80万払い1週間後に取りに来ることになった


さて、今日はどうしようか

サテンはいつも通りテスタに預ける


「カオリ、中級に行ってみる?」

「そうだね行ってみよっか」


中級依頼はオークか

報酬は84000

オークってエルフにエッチな事をする事に定評のあるデカい奴らだよね?

悪い奴らだな、この世界ではどうだか知らないけど


・・・エルフは強いのでオークになんて負けないらしい

というかエルフ居るんだな

オークは集落を襲う事もあるので人間にとっては脅威なんだそうだ

じゃあ狩りますか



「居たぞカオリ、4匹いるな」

「2匹ずつね、私の分盗らないでよ」

「解った解った」


オークは2m以上の巨躯で筋肉隆々、棍棒のような物を持っているな

前に出た

眼の色を変え見るなり襲い掛かって来るオーク

えらく好戦的だな

カオリが前に出る

棍棒を避ける

地面にめり込む棍棒

当たったらタダで済みそうもない

攻撃を避けられよろけているオークにカオリが剣を刺す

心臓を一突き

2体目が襲い掛かって来る

これを横に受け流し背中から斬る

致命傷にはならないが、距離を置き体勢を整える事が出来た

睨みあうカオリとオーク3匹

俺の方見てないな

ダッシュ

こちらが向かってくる事に気付かずオークが斬られる

驚く残りのオーク

一瞬でその後ろに回りもう一匹仕留めた

残り1匹、カオリに任せよう

俺とカオリに囲まれキョロキョロするオーク

オークが俺の方を見た瞬間をカオリが見逃さなかった

一気に間合いを詰め一閃

力尽きるオーク

終わったな


「どうだった?」

「攻撃がちょっと怖いね、でも隙だらけだから当たらないと思う」


カオリも余裕みたいだ

でも念の為今日は2人で依頼受けよう



マンティコア討伐

報酬は100000

人間が大好物なライオンみたいな生き物

動きが速いので要注意


「あれか?」

「うわあ、醜いね」


顔が人間みたいだな

体は確かにライオン、変な尻尾

なんとも醜い・・・


「1匹だけだぞ、どうする?」

「私に狩らせてよ」

「解った、危なかったら助けるからな」


前に出た

マンティコアが気づく

襲い掛かって来る

早いな

ジャンプで一気に間合いを詰めて来た

スローモーションになる

避ける

すれ違い様にカオリが剣を一太刀

横っ腹に深いキズを与えた

通り過ぎ振り向くマンティコア

どうする?

・・・逃げた、早いな


「う、うわ、タカネ止めて!」


世話が焼けるな

俺はマンティコアの前に素早く回り込む

慌てて止まるマンティコア

反対側に逃げる

そっちはカオリが居るぞ


「うりゃああああ」


変な掛け声でカオリが向かって行く

マンティコアがカオリの横をすり抜けようとする

見逃さないカオリ

剣を腹に突き刺す

仕留めたか?

まだだ、動きは遅くなったがそれでも逃げようとする

カオリがジャンプした

力を込めクビを落とす

終わったか


「首切っちゃった」

「なかなか手ごわかったね」

「逃げられると追いつけないかな、ハハハ


ハンター組合に戻る

移動に時間かかっちゃったな

今日はもうやめておこうか

サテンはまだ戻って来てない

待つか


「どう、一人で行けそう?」

「タカネは?」

「余裕だろうな」

「だよね・・・」


ショートソードでマンティコアをやっつけるのは少々骨かも知れない

でも魔法があるから何とでもなるよな


「マンティコアは一撃で仕留めなきゃ・・・」


カオリがイメトレしてる

一回戦ったんだ、次はもっと上手くやれるだろう


「お前がタカネか?」


誰だろう、話しかけられた


「ドラゴンを一人で狩ったと聞いたが」

「ああ、そうだけど、貴方は?」

「すまない、名乗り遅れたがハインツだ、よろしくな」


ハインツ

確かホメロス王国10傑の一位とかっていう

白い鎧を身に着けた40歳くらいの男


「ひょっとして『スイッチ』か?」


出た!

この人もそうなのか!


「そうです、貴方も?」


なぜかひそひそ声で話してしまった


「ああ、エメラルドのな」


なんだ、エメラルドか

なんだって言ったら失礼だけど

カオリもエメラルドだし


「ドラゴンを一人でと言うからやはりか」

「そっちはいつから?」

「もう22年経つ、ドイツから来た」

「おお、ドイツ」


この世界で聞くと新鮮だな

取りあえず同じ世界から来たと言う事が判明した


「こっちは2人共日本だよ」

「二人とも?一気に2人と会えるとは・・・」

「他にも居るんでしょ?」

「私が知ってるのはあと3人だ、そのうち1人は死んでしまったが」

「そうか・・・」


「何?コイツがドラゴンを一人で?うっそだー」


なんか変なのが来た

やんちゃそうな女の子

15歳くらいかな

150cmくらいのショートカット

茶色い肌の野生児って感じだ


「手あわせしようぜ!化けの皮剥がしてやる!」

「よせティータ、確認したから間違いない」


ハインツが止めるが聞きそうにない

もっと話を聞きたかったんだが・・・

木刀が投げてよこされた

もうやる事に決まったらしい


「さっさと外に出ろ!ホメロス王国10傑10位の私が手ほどきしてやる!」


ああ、解りやすい

多分そんなに強くない

どうしよっかな

・・・今日はマンティコアも倒せなかったし気晴らしにやるか

はあ、なんだかな


外に出る

トリッキーな準備体操をする、ティータ

かませっぽいなあ・・・

受付のお姉さんが出て来た


「では準備いいですか?始めッ」


飛び込んで来るティータ

早い、だが・・・

スローモーションになる

これがあるんだよな

早さなんて関係無いんだ

腹のあたりに木刀の柄を当て、後は突っ込んで来る相手に任せる


「うぐぇっ」


ティータの腹に木刀がめり込みヒザが落ちる

息が出来なくて苦しむ


「勝負ありッ!」


受付のお姉さんはいつも淡々としてるな

見物客は一瞬の事に何があったか解らない


「これほどまでとは・・・」


ハインツが呟く


「タカネはダイヤのスイッチだからね」

「な、なんだと!?」


隣で見ていたカオリが教えてあげた

終わったので2人の元へ行く


「タカネ、やり過ぎじゃない?」

「うん、でも分からず屋っぽかったから」

「はっはっは、その通りだ、あれくらいで丁度いいよ」

「ハインツさんのパーティの子なの?」

「ああ、あれでも依頼の時は頼りになるん・・・」


ん?狙われてるな

ティータが後ろから殴りに来てる

ハインツさんが止めに入る

俺は瞬時にティータの後ろに回り羽交い絞めにした


「え?ど、どうして?!」


足をバタバタさせるティータ


「勝負終わった相手を後ろから、か」

「す、すまない、よく言い聞かせておく」

「卑怯者なの?タカネ、大丈夫?」

「・・・スマン、娘のしつけがなって無くて」


娘なんだw

全然似てない

カオリが娘の悪口言ったから気まずそう

これ以上話を聞きにくくなったな


「まあ、またなんかあったら」

「ああ、すまなかった」


締め上げて堕ちそうになってたティータをハインツに渡す

丁度サテン達が帰って来た


「タカネ、今日は下級依頼を3つもこなしてきました」

「頑張ったな、サテン」

「今日で一人卒業らしいです、明日からは3人で頑張ります」

「そうなんだ、でもテスタさんに任せておけば大丈夫だよね?」

「あっはっは、無理はさせないから大丈夫だよ」

「テスタ、元気そうだね」

「おや?ハインツかい?・・・ティータはどうしたい?元気ないね」

「教育をしてもらったんだ」

「そうかいそうかい、あっはっは」


その後、ドラゴン出たのにハインツが居なくて大変だったとか

俺が助けて回復までしたとか

話し出したら止まらないのは流石おばちゃんだからだろうか


きりの良いとこで退散

買物して家に帰った


「オークは4匹で84000、マンティコアは1匹で100000」

「いや、手ごわかったよマンティコアは、あれで中級なんだね」

「上級はどんな敵なんだろね」

「キメラ、トロール、グリフォンとかだよ、そんなに出ないらしいけど」


そうか、名前だけ聞いた事あるな

報酬をカオリと折半する

一人92000


「お金貯まる一方だな」

「普通はもっと苦労するんだけどね」

「私は10万くらいしかありません・・・」


そうだな、初級、下級をやってるサテンはそれくらいなんだな

サテンは4人で報酬分けてただろうし

普通はもっと苦労するのだろう



次の日


俺とカオリは2人で中級依頼を3つこなす

上級になるにはあと5回

サテンはテスタさんと一緒に下級を2回やって来たそうだ

また新人さんが入ったので次からは初級を回るらしい

初級に戻るのは効率悪いような気もするが、サテンにはそれがあっている

下級はまだまだ緊張するから息抜きも必要と言っていた


「た、タカネ、お風呂入ろうよ」

「・・・・・」


最近カオリの眼が怖い

そういう趣味じゃないよね?

背中洗ってくれる時にやたらボディタッチが多い気もするけど

お返しに洗ってあげるとやたら色っぽい声を出すのは何故だろうか



次の日


今日は休み

朝からサテンの魔法練習に付き合う

土の壁の魔法が進化していた

50cm四方の壁を出せるようになったらしい

順調に成長しているサテン

でもまだ中級は早いだろう

マンティコアみたいなのと戦えるようになるのかな?

攻撃を避けるような基礎体力も必要だと思う

自室で腹筋や腕立て、スクワットなどしてる様だが

テスタさんがやるように言ったらしい


午後から工務店に行く

お風呂を新しくしたい

作るのに20万、1週間かかると言われた

これは俺が金を出そう


家具屋に行く

カーテンを買った

元々ついてたヤツがあるのだが日に焼けてたし古くなったから変えよう

古いカーテン生地は何かに使えるのかな


雑貨屋でシャンプーを見つける

値段高いけど買っちゃった

使ってみたら清涼感が違う

これは欠かせないな


他にも服やら下着を買って休みは終了



次の日


ハンター組合に行こうとしたら生理が来た


「な、なにこれええ、どうすればいいの?」

「た、タカネは休んでて、サテンを送って必要な物買って来るよ」


初めての経験にどうしていいか解らない

なんだよこの体、なんでこんな事に・・・

久し振りに神様を恨んだ


こんな気持ちになるのか

すごいイライラする

こんなもんとこれからつきあっていかなければならないのか

最悪だ


カオリが親身になって助けてくれた

ありがとう

この辛さは女でないと解らないよな


結局その日は依頼を休んだ

カオリもつきあわせちゃって悪かったなぁ


「慣れれば普通に生活くらいは出来るよ、嫌なもんだけどね」


そうなのか

その辺は今後とも教えて貰おう


でも赤飯作ろうとするのはやめてね

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