015 薬
今日はサテンが休みだ
俺らも休みにした
そんな訳で近くの広場で魔法の練習
俺は氷の魔法を練習しよう
つららをイメージ、空に向けて撃ってみる
出た、相変わらず簡単だ
10発ほど大きさを変えながら撃ってみる
完璧、練習終了
「サテンは何の練習するの?」
「タカネみたいに土の壁出せると便利かなと」
イメージをするサテン
なかなかウマくいかない
内股になり唸りながら壁を出そうとする
力入り過ぎてほっぺが真っ赤だ、可愛らしい
「だ、駄目です」
「いきなりデカいの出そうと思わないでちっちゃいの出してみたら?」
「は、はい」
イメージイメージ
あ、出た
高さ10cmくらい
横幅も10cmくらいかな
「こんな小さいのでは身を守れませんね」
「・・・ゴブリンとか向かって来るヤツを転ばせるのに使ったら?」
「なるほど、使いようですね」
その後、練習を続けたが大きさは変わらなかった
フラフラになったサテンを抱きかかえ家に戻る
午前中終了
「タカネ、あと下級3回で中級だね」
「ああ、明日には上がれるんじゃないか?」
「明日は1人で行ってみたいんだけど」
「カオリも余裕だもんな、でも気を付けてよ」
明日はお互い一人で行く事になった
カオリが腕立て伏せすると言うので背中に乗ってやる
「うう、背中に感じるよ、タカネの形の良いお尻」
「カオリは変態おじさんみたいだよな」
「ひ、ひどい」
俺を乗せ余裕で腕立て伏せするカオリ
「どう?成長してる?」
「たぶん」
背中の上からカオリを見る
首筋と脇が綺麗
じんわり汗が浮かんでる
100回くらいやって終了
「ふう、汗かいちゃった」
「お風呂入って来たら?」
「タカネも入る?」
「俺は夜で良いかな」
「じゃあ私も夜で良いよ」
俺の裸を見たいからに違いない
変態だから気を付けよう
お昼どうしよう、適当で良いかな
ありあわせの食事を済ませる
午後はまず、家具屋さんへ
お金が溜まったので食器棚とダイニングテーブルと椅子を買う
全部で7万くらいだったが、カオリのウィンクで6万に
すぐに持って来てくれる
「あと必要な物って何かな?」
「共有部分はもう十分じゃない?」
「そっか・・・あ、お風呂新しくしたいんだよね」
「そうだねー、不動産屋に今度聞いてみよ?」
「そうだな」
休みだしゆっくりするか
・・・・・
やる事無いんだよな
この世界のヒマつぶしって何だろう
「タカネ、そろそろ午後の魔法の練習を・・・」
「ああ、そうだね、行ってこよう」
また広場に来た
サテンの魔法練習を見守る
何回も土の壁を出そうとするが大きさが変わらない
そんなにすぐに成長したら苦労しないよな
内股で踏ん張るサテン
壁の大きさは変わらない
・・・良い天気だな
今日はハンター日和だったかも
天気悪いと嫌だよね
あ、ナンパだ
火の魔法を空に向けて撃つ
どっか行った
「た、タカネ、もう限界です」
「そうか、頑張ったね」
結局壁の大きさは変わらなかったな
仕方ない
「で、でも魔法は多く撃てるようになって来た気がします」
そうか、サテンも成長してるんだな
「だ、駄目、タカネ、おぶって貰えませんか?」
「そんなに疲れたの?」
仕方ない、お姫様抱っこをしてあげる
ミニスカートだからヒザの裏じゃなく、結構お尻の近くを持たないとパンツが見えちゃう
赤くなるサテン
落ちないよう俺の首に手を回してくる
・・・女同士で何やってんだろ
家に帰った
サテンを椅子で休ませ、俺は夕飯の買い物へ
ナンパを無視し買い物を済ませる
・・・毎日同じルーティーンだな
なにか変化が欲しい
ちょっとぶらついてみるか
裏道に入る
お、ガラス工房だな
いいな、ちょっと憧れる職業だ
でも実際きつそうだな
汗ビシャビシャで頑張ってる
隣は陶器を作ってるのか
これも憧れるなぁ
ろくろは自分で手で回してるんだな
大変そう
その隣は木工職人みたいだ
何かの飾りだろうか、彫刻を作ってるな
うーん細かい作業、これは俺には無理かな
その隣は・・・
あれは機織りか?
生地作ってるのかな
おもしろいな、見てるだけで楽しい
いいな、職人ていいよな
俺もハンターの傍ら職人業をやりたい
あ、あれは武器作りか?
刀鍛冶とかも憧れるよな
絶対きつい仕事だと思うけど
ん?変な匂いしてきた
なんだ?ここか?
・・・魔女だ
小っちゃい魔女が鍋をかき混ぜ何か作ってる
俺に気付いた
眼を見開き、慌てて近づいて来る
「ねえねえ!髪の毛一本ちょーだい?」
「え?!・・・イヤだよ呪う気でしょ!」
「ち、ちがうのぉ、胸が大きくなる薬作ってるのぉ」
「・・・ホントに?」
「ホントだよ!短時間だけど大きくなるって本に書いてあった」
・・・短時間なら意味無いような
勝負したい時に薬を飲むのだろうか
「最後に胸の大きい人の髪の毛入れるんだぁ、高く売れるんだよ!」
「準備して無かったの?」
「準備してたけどお姉さんの方が大きいかったから」
じゃあ一本だけ・・・いてっ
「綺麗な銀色の髪だねぇ」
鍋に入れて煮込む
・・・鍋の中の液体の色が変わったな
コップに謎の液体を注ぐ
・・・飲んだ
「ど、どう?」
「う~ん」
しばし待つ
お、おお、胸が、胸が・・・
風船が膨らむようにゆっくりと胸が盛り上がって来た
・・・子供なのに胸がアンバランスなくらい大きくなった
「わ!わぁー、お、重い・・・」
「大丈夫?」
「う、うん、でも成功だよ!」
「どれくらい持つの?」
「1日くらいって書いてあるけど、髪の毛の持ち主によって違うみたい」
「そうなんだ」
「魔力の強い人の髪の毛だと1か月くらい持ったという話もあるし・・・」
「え?そうなの?」
「お姉さん魔法使えるの?」
「うん、使えるよ」
光の玉を出してみる
「わ、わぁー、大きくて明るいね!これは高く売れるかも・・・」
「そっか、お役に立てたなら良かった」
「あ、何かお礼しなきゃ!お金払うよ!」
「いや、別にいいよ」
「で、でもぉ、もし高く売れたらまた髪の毛欲しいんだけど・・・」
「あんまり抜くのは嫌だなぁ」
「髪の毛伸びたら来てよ!毛先をちょっとずつくれればいいから」
「まあ、それくらいならいいかな」
「ちなみに、高く売れた時は50万アランあげるからね!絶対来てね!」
そんなに高く売れるのか
・・・言い方によっては体を売る事になるのかこれ
穢れちゃった
あ、帰らなきゃ
急いで家に帰った
「タカネ遅いよ、お腹すいた~」
「ごめんごめん、魔女に会ったよ」
「魔女?タカネもそうでしょ?」
「そうだけど本物って言うか・・・」
ああゆう職業もあるのか
儲かるんなら自分でやろうかな
勉強が必要だろうとは思うけど
皆で夕飯を作り食べた
風呂へ
「ふう」
「今日も浮いてるね、タカネとサテンの胸」
自分と見比べ悔しがるカオリ
カオリだってDあるんでしょ?
十分じゃないかな
大きくても邪魔なだけって言ったら感じ悪く聞こえるかな
「大きくても邪魔なだけですよ」
「ぐっ!」
サテンが言っちゃった
カオリはダメージを受けたようだ
「でも確かに剣をふる時にも腕が擦れちゃうんだよね」
「前も言いましたが弓を撃つときも気を付けないと弦で弾いちゃうんですよ?」
「そ、そっかーDで良かったなー」
強がりだ
眼が泳いでるし
「カオリも16歳ならまだ成長するんじゃないかな?」
「エッチー、見ないでよ」
自分の胸を隠すカオリ
なんでそうなるんだ
一緒に入りたがるクセに
自分の胸を見る
これ以上大きくならないよな?
この体にもやっと慣れて来た
大きく伸びをする
形の良い胸が上がる
あ、カオリが触ろうとしている
「カオリ、そんなに揉みたいの?」
「うっ・・・すみません」
「いいよ、少しくらいなら」
「ほ、ホント?!」
俺の胸を触るカオリ
複雑な気分だな
胸に顔を埋めて来た
・・・・・行動がおっさんだよな
「はあ、たまんない、窒息しそう」
「俺の胸で死なないで」
「た、タカネ!今日は一緒に寝ようよ!」
「・・・やだ」
「えー!」
絶対エッチな事してくると思う
気を付けなきゃ
次の日、ハンター組合に行く
サテンをテスタに預け、俺達は自分の依頼選び
俺とカオリでそれぞれ3つ選択する
受付のお姉さんが声を掛けて来た
「タカネさん、その依頼の方面にはまだ手負いのドラゴンが居る可能性があるので気を付けてください」
「え?まだ狩られてないんですか?」
「はい、昨日他のパーティが引き受けたのですが、まだ見つけられてないんです」
「そうですか、気を付けます」
出くわしちゃった時はどうすればいいんだろ
狩っちゃっていいのかな
依頼受けてるパーティが居るなら邪魔しちゃ悪いか
狩りに出かける
途中、ドラゴンを探してるっぽい人達を見かけた
頑張ってくださいねーと声を掛ける
手を上げ答えてくれた
たぶん、その探してるあたりにはいない
あの日、暗闇で50mくらい離れてたけど解ったんだよな
これも察知能力なのか探知能力なのか
モンスターがある程度の範囲にいると解るみたいだ
下級依頼をなんの問題も無く1人で3つこなす
これで俺も中級か
時間はまだ昼すぎくらいだ、早くハンター組合に戻って報告しよう
帰り道、誰かが戦ってる気配を感じる
ドラゴンだな
さっきのパーティと戦ってる
ちょっと見て見るか
林の中に居た
・・・おいおい、劣勢じゃないか
大丈夫なのか?
あ、一人吹っ飛ばされた
場所が悪い
もっと広い場所で戦わないと・・・
ドラゴンがシッポを振り木がなぎ倒される
障害物が多くなる
まごまごしてたら・・・
火を吐いた
2人がモロに受けた
転げまわる2人
もう一人居るが木が邪魔で助けに行けない
仕方なくドラゴンを後ろから攻撃
呻くドラゴン
尻尾で威嚇する
暴れる尻尾に近づけない
どうしよ、火を消してあげるか
水の魔法を優しく撃ってあげた
放物線を描き水の塊が2人に降りかかる
余計な事だったかな
火が消え、助けて貰った事に気付き2人は感謝してくれた
頑張れよー
仕切り直す最上級パーティ
3人しか姿が見えないな、もう1人居たはずだが
一番最初に吹っ飛ばされた人はどうなったんだろう
障害物が無い方にドラゴンを誘導
その時ドラゴンが大きく尻尾を振った
また木々が倒される
同じ事の繰り返しだ
倒れてくる木を避けるのに集中してしまい、ドラゴンの動きから眼を離してしまった
炎を大きく横に吐くドラゴン
3人と木々が火に包まれる
転げまわる3人、そこにドラゴンが突進
マズい、口を開けた!
・・・咄嗟に撃ってしまった
俺の手から大きな鋭いつららが10個くらい飛んで行った
ドラゴンが動かない
それもそのはず、ドラゴンの全身が凍っている
その魔法はドラゴンを凍らせることに成功した様だ
火を転がり消し、気が付くと目の前でドラゴンが大きく口を開いて止まっている事に驚く最上級ハンター達
腰が抜け、自分達が助かった事に安堵の息を漏らす
「大丈夫ですか?」
「・・・アンタが助けれくれたのか、命拾いしたよ」
3人共ひどい火傷だ
ヒーリングで治してあげる
「回復まで・・・凄いな」
「ううっ、助かった」
「・・・もう駄目かと」
「もう一人居なかった?」
「ああ、向こうに飛ばされたはずだ」
飛ばされた辺りに行き、見回す
・・・いた、酷い怪我だ
足がおかしな方向に曲がってる
取りあえず外傷だけでも治してやるか
男の仲間たちが来て抱えてくれた
「このドラゴンどうします?」
「凍死してるよな?」
「魔法解除してみましょうか?」
「ま、待ってくれ、ちょっと距離をとりたい」
安全な場所へ移動するハンター達
じゃあ解除するよ
解除してみたがドラゴンは動かない
いや、ゆっくりと首が下がり崩れ落ちた
「・・・死んでるな」
「持って帰りましょう」
「わ、我々は骨折が2人居るから無理だ、肩を貸さないと」
「じゃあ私が引きずって行きますよ」
「・・・え?」
ドラゴンの尻尾を持ち引きずる
む、流石に重いな、だがなんとか運べそう
皮膚が硬いな、鋭利な刃物みたいになってる部分もある
「う、ウソだろ10t近くあるはずだが・・・」
女の細腕で10tあるドラゴンが引きずられていく
その後ろを信じられない物を見るような目で歩く4人
・・・遅いな、足が折れてるからなかなか進まない
今モンスターに襲われても可愛そうだし先に行けない
街に近付くまで2時間くらいかかった
街から人が出てくる
ドラゴンを見に来たのだろうが、引きずってる女の方を見て驚く
こんな美人がドラゴンを片手で引きずってどう見えるんだろう
・・・ちょっと恐怖に近いかな
皆、顔が引きつってるもの
これでナンパ減ってくれると良いけど
ハンター組合の前まで来た
ここにくるまでの俺の姿を見て驚く街民
ナンパを減らすためになるべく見せつけてやった
カオリとサテンが居る
ギョっとしたw
おっかなびっくりドラゴンに近づき、死んでいる事を確認
助けた最上級のうちの一人が話しかけて来た
「ありがとう助かったよ、このドラゴンは好きにしてくれ、売れば1000万以上にはなると思う」
「いいんですか?」
「命を救ってもらったんだ、足りないくらいだよ、依頼成功報酬も受け取ってくれ」
「・・・それはいいかな、そちらも怪我してるし、手当に使ってください」
「しかし、300万だぞ?良いのか?」
「1000万貰えるなら別に良いかな」
最上級ハンター達は深々と頭を下げ、怪我人を運んで行った
「た、タカネがやっつけたの」
「ああ、カオリが言った通り、氷の魔法に弱かったよ」
「そ、そう、お役に立てて良かったけど・・・」
「タカネ、危ない事して、何かあったらどうするんですか」
「心配させちゃった?ごめんねサテン」
「カオリより帰るのが遅いので何かあったのかと・・・」
「ぅぅ、タカネより先に中級になれて喜んでたのに」
ハンター組合の受付のお姉さんが来た
「立派なドラゴンですね、こちらで買い取りますか?」
「はい、じゃあお願いします、あと下級依頼3つ片付けたのでそれも」
「査定します、中でしばらく待っていてください」
中で待つ
他のハンターに聞いたら1匹丸ごと持ってくるのは珍しいんだって
普通は高く売れる部位を剥ぎ取って持ってくるんだとか
そりゃそうだよな、10tもあるんじゃ
でも残りはグールのエサになるのか
それも勿体ない
「査定が出ましたよ、1620万アランでいいですか?」
「え?そんなに高く?」
「ええ、1匹丸ごとですし、12t級のドラゴンなので」
「12tだったんだ、それでいいです」
うーむ、一気に金持ちになったな、どうしよう
依頼3つと買取り金額で1628万貰った
始めて見るけどこれが10万アラン白金貨か
162枚ある、ズッシリとした重さ
「今日は外食する?奢るけど」
『やったー』
高級レストランで夕食を食べた
それでも3人で9000アランだ
うーむ、安い
お金どうしよ
無理に使う事もないけど
なんか武器でも買おうかな
「オーダーメイドで作って貰えば?」
「オーダーメイド?」
「好きな形、好きな素材で作って貰えるらしいよ」
なるほど
エストックが欲しかったんだっけ
特殊な素材で作って貰おうかな
明日武器屋に行ってみるか