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全部神様が悪い  作者: 無二エル
ピエトロ王国編
131/134

131 釈明

ノクターンが伸び悩み中なのでこちらを再開します

自分でも話忘れてるので確認しながらの低速更新になりそう

朝のまどろみの中

なんだか回りが五月蠅い


「タカネ、起きなさい!サテンさんも!」

「・・・んん?コニーか?なんでサテンだけさん付けなんだ?」

「魔王と美人大陸1位では扱いが違うのは普通でしょ?」

「むーん、確かに」

「そ、その、昨日はごめんなさい」

「え?」


それだけ言うとコニーは恥かしそうに走ってった

・・・まあ反省してるならもういいよ


それよりこの喧騒は何だ

なんだか城中がバタバタしている

廊下に出ると兵士とぶつかりそうになった


「あぶな、どうしたの?」

「侵入者です!ソビキトの侵入者が城の中に入り込みました!」


ソビキトの?

国境に壁立ててるのにどっから入ったんだろう

ドラゴン騎士団みたいに飛んできたのかな


「交渉人として来たのですが、門前払いしようとしたら突然消えて・・・」


その後、城の中で目撃情報があったらしい

どうやって入り込んだのかまったく解らないとか


・・・消えた?

スイッチかな・・・

取りあえず仲間が心配だ、異常は無いか?


「カオリ?・・・居ないな」


カオリの部屋はもぬけの殻だ

兵士と一緒に侵入者を探してるのかな


「ジル・・・!!」


ジルの部屋に行くと双子の少女が居た

誰だその子達は


「タカネさん、ルビーだそうです」

「・・・・・・」


スイッチか

そして侵入者のようだ

敵意は今のとこ感じないな

歳の頃は14歳くらいだろうか

ショートカットに白い髪

無表情の美しい女の子

肌も白くロボットみたい

慎重は150cmくらいかな

胸はそんなに無いけどシュっとした体形

タイトな上下一体型の黒のミニドレスを着ている

髪の分け目が左右対称な以外はすべてお揃い


「この人だね、間違えた」

「 でも、こっちの人も魔力すごい」


俺とジルを見比べる双子

感知出来るのか

ジャミロみたいに

つか、誰かを探してたみたいな口ぶりだな

交渉人だと聞いたけど・・・


「何しに来たんだ?」

「タカネ、貴方をソビキトに連れてくるよう言われた」

「藪から棒だね、私の事をどこで?」

「 私達は指示されただけ」

「命令は絶対、一緒に来て」


ん?左の子は話し始めに一拍間が空くな

変なタイミングで話し出す


「私がどうしてソビキトに?」

「知らない、命令は絶対」「 良いから来て」

「そう言われても、理由も無くいけないよ」

「 でも、命令された」

「無理矢理にでも連れて来いって言われたの?」

「・・・・・・」

「二人ともルビーなの?」

「うん」「 そう」

「剣術特化?魔法特化?バランス型?」

「魔法」「 魔法」

「・・・魔法水晶を作った事ある?」

「・・・」「 ・・・」


無言は肯定だろうな

嘘をつくようには指示されてないのかな


「断る」

「困る」

「断る」

「 駄目」


・・・

身構えて見たけど何もしてこない


「ソビキト良い国じゃない、でも来る」

「www、悪い国に行けって言うの?」

「 うん、困った国だけど来る」

「www、ねえ、断ったらどうなるの?何か指示されたんじゃないの?」

「無理矢理連れて来いって言われた、でも無理」

「 解る、私達2人じゃ勝てない」

「だったら諦めてよ」

「困る」「 駄目」


2人が俺の手を引っ張る

おいおい、行きたくないんだって

俺は動かないぞ


「この手枷してほしい」


水晶の手枷だ


「いいよ」


手枷をはめられた

ふんっぬ

バキぃぃいいいいいいいい!!!!


「・・・壊れた」「 不良品?」

「壊した、ごめんね」

「困る」「 どうしよう」

「誰が俺を連れて来いって言ったの?」

「スタンリー書記長」

「 連れて行かないと怒られる」

「どんな人?」

「悪い人」「 困った人」

「だったらやっぱり行きたくないよ」

「困る」「 困る」


そんな事言われても


「そもそもソビキトってどこ?どうやって行くって言うの?」

「テレポート」「 2人で飛ばす」


何?????

テレポートだと?

そんな能力があるのか?


「テレポートでここまで来たの?」

「うん」

「すごいね、一瞬で移動できるんだ?」

「 長い距離は無理」「何回かに分けて飛ぶ」

「そうなのか、壁とか関係無いの?」

「目視出来れば飛べる」

「 後、行った事がある場所ならイメージで飛べる」


壁の頂上に飛んでから越えて移動して来たらしい

しかし聞いた事全部答えてくれるな

何だか素直すぎて逆に嘘ついてるんじゃないかと思えてくる

でも見た感じ悪そうな子達には見えないんだよな・・・


「どうやって飛ばすの?」

「みんなで手を繋ぐ」「 イメージする」

「さっき手を掴まれたけど」

「外じゃないと危ない」「 だからバルコニーに出て欲しい」

「それは無理だよ、行きたくないんだもん」

「困る」

「君たちが困ろうが行けないよ」

「 怒られる」

「誰に?」

「スタンリー書記長」

「悪い人でしょ?」

「うん」「 困った人」


www


「なんで君達は悪い人の言う事聞いてるの?」

「お金沢山くれる」

「そ、そうか、お金は大事だな」

「 うん、大事」

「でもそれで嫌がる人を無理矢理さらっちゃ駄目でしょ?」

「駄目だけど困った国だから」

「・・・2人は善人ガチャで選ばれたんだよな?心が痛まないの?」

「心が痛む?」「 解らない」


どういう事だろう?

人をさらうのに罪悪感が無いとか…


「2人は何年前にこっちに来たの?」

「2年前」「 12歳の時」

「2人一緒にこっちに来たの?」

「うん、一緒に死んだ」「 手術失敗した、分離手術」

「分離手術?」

「私達の体くっついてた」「 2人で1人だった」


!!!

・・・・・・

テレビで見たことある


「たくさんお金集まったのに失敗した」「 寄付たくさん、でも失敗した」

「多分もっとお金必要だった」「 お金大事、たくさん集める」

「・・・2人はもう手術の必要無いじゃないか」

「寄付する」「 困ってる人たくさん居る」

「失敗を無くしたい」


なんてこった

世間知らずで善悪の区別はいまいちついてないのかもしれない

でもこの2人は良いヤツなんだろう


「俺を連れて行けばいくらもらえるの?」

「1000万」

「 来て」

「安いね、俺の価値」

「安い?」「 そんなことない」

「2000万あげるから諦めてよ」

「2000万?諦める」「 怒られるよ」

「でも2000万」「 書記長悪い人」

「でも弱いよ」「 偉い人、根に持つ人」

「厄介だよね」


無表情な2人が少し困った顔をした


「2000万寄付、ウミセフの人達喜ぶよ」「 でも、書記長困った人」

「ちょっと待って、ウミセフって」

「寄付財団だよ」

「そこに寄付してるのか」

「 うん、タカネも寄付する?」

「いや、良く解んない組織だし」

「ケチ」「 寄付しない人悪い人」

「ええ?ひどいな、それは飛躍し過ぎじゃないか?」

「ウミセフの人言ってた、寄付しない人悪い人」

「・・・なんかおかしいな、それはちゃんとした組織なの?」

「ちゃんとした?」「 どういう事?」

「代表はどんな人?」

「男の人」「 最近立派な家建てた」

「・・・・・・」

「世界を救いたいって言ってるよ?」

「いつ頃から?世界は変わってるの?」

「さあ」「 2年前に来たから解んない」


どうも嫌な感じだ

寄付しなければ悪い人ってあからさまか

2人が世間知らずなのを良い事に騙してるんじゃないか?


「活動報告みたいな物はあるの?」

「うん、恵まれない子供達に炊き出しとか」

「収支報告とかしてるのかな?」

「 解らない」「何の話?」

「ピンハネしてるんじゃないかって事だよ」

「ピンハネ?」「 どういう事?」

「みんなが寄付した金で豪邸作ったんじゃないのか?」

「・・・」「 プール付きの豪邸・・・馬もたくさん居る」

「絵もたくさん、美術品もたくさん」

「その金はどっから来たの?その人は他に仕事してるの?」

「してないはず」「 慈善事業に尽力するって」

「・・・・・・」


間違いないと思う

少しは慈善事業もしてるのかもしれない

でもピンハネも多そうだ

運営資金ってのはどうしても必要だ

宣伝しなければ金は集まらない

でもそういうレベルじゃない気がする


「2000万は無しだ」

「!・・・ひどい」「 嘘ついた、悪い人?」

「ああ、俺は悪者だ」

「 悪者・・・」「やっつける?」

「 無理、解るでしょ?」

「お前等にも付いて行かない、帰れ」

「ひどい」「 極悪人」

「ああ、帰らないならぶっ殺すぞ」

「!・・・悪い言葉」「 命は大事なのに」

「もうやり直しは効かないのは知ってるだろ?」

「うん」「 これが最後」

「だったら帰れ、命が惜しければ俺に二度と関わるな」

「・・・解った」「 怒られるけど死ぬよりはマシ」

「気を付けて帰れよ」

「?・・・変な人」


2人がバルコニーに出る

両手を繋いで輪を作る

眼を瞑って祈り始めると2人の回りに光が出始めた

光がどんどん強くなる

眩しさで2人の体が完全に見えなくなった

次の瞬間光が一気に消滅して後には元の変わらぬバルコニーが残る

・・・・・・


さて


「目的は俺か」

「名前を知ってましたね、タカネさん、戦争でソビキト兵に名乗ったんですか?」


・・・

うん、いたるところで名乗った


「ソビキトに連れて行って、させる事は一つでしょうね」


魔法水晶だよな


「しかし、簡単に捕まえられると思ったのかな?」

「うーん、ルビーの子二人なら捕まえられると思ったんじゃないですか?」


そうか、まさかダイヤだとは思わないか

スタンリー書記長とやらの思惑は外れた


「ウミセフってのも・・・」

「ジルは聞いた事あります、おそらくタカネさんの考えてる通りだと思いますよ」


そっか

ひどいな、何も知らない子を利用して・・・


「・・・取りあえず、ポスカの王宮に居るって事がバレちゃった」

「魔王単独ではなく、共闘体制だと解るでしょね」


今一番の懸念はそれだな

他にもテレポートやら気になる単語があったけど・・・


「着替えてる時に急に扉から入って来て」

「また見られたの?」

「クスン」


壁はすり抜けられないらしい

魔力をたどって来たのかな

・・・もうちょっと詳しく聞きたかったな


「まあいいや、取りあえずゾイドさんに報告だ」



-----------------------------------



「テレポート?そんな能力があるのか」


ゾイドさんに経緯を説明

障害物はすり抜けられないみたいだからもう王宮内には居ないと思う

ただ、目視できる場所には飛べるから上の階でも戸締り徹底


「そうか、ソビキトには共闘体制がバレてしまったか」

「・・・私は、ここに居ない方が良いでしょうか?」

「いや、どうせバレるのは時間の問題だった、この際正式に発表してしまおう」

「発表?」

「我がポスカ王国は魔王を全面支持する、魔王と共に未来を歩んでいく」

「え?・・・で、でも」

「例え、同盟国に関係を破棄されてもだ、我々は魔王との関係を優先する事に決めた」

「そ・・・それは・・・」

「うん?不満か?一応言っておくがワシではなく王がそう決めたのだ」

「も、申し訳なくて、世界から孤立しても良いんですか?」

「タカネ殿が助けてくれなければ、今頃ポスカは分断されていただろう、世界を敵に回す事も出来なかったはずだ」

「で、でも・・・」

「恩は必ず返す、助けてもらった分だけでなく、倍にしてな」

「!」

「我々にも誇りがある、戦後復興で今は難しいが何年かかっても受けた恩を返すつもりだ」


・・・複雑だ

確かに俺が居なければポスカは負けていただろう

でも代わりに業を背負わせてしまった

負けたらどうなっていたのだろうか?酷い状況になってたんだろうか?

勝って良かったんだろうか?良い状況に向かってるのだろうか?

・・・・・・


「背負いすぎだよ、いくら魔王と言えど所詮は小娘、国を背負おう等と思わぬ事だな」

「え、ええ、解ってはいるんですが」

「小娘一人に支えられるほど軽い物では無い、我々の国を侮るな」

「・・・・・・」


ゾイドさんは優しさでそう言ってくれているのだろう

俺一人に背負わせない為に

責任を感じさせない為に


これで良かったのだろうか

もっとスマートなやり方もあったと思う

もっと頭が良ければな・・・


「明日には大陸中に伝令を送ろう、ノルウィー国のドラゴン騎士団には先に言っておくか」

「私が言いに行きます」

「サテン」


サテンだ

聴いていたのか


「ドラゴンの怪我を治してあげたので聞く耳くらいは持ってもらえるはずです」

「俺も一緒に行くよ、いざと言う時はサテンを守る」

「待て待て、3人で行けば良いじゃないか」


・・・特に問題も無いか

3人で野営しているノルウィー国のドラゴン騎士団の元へ

もう洗いざらい正直に言っちゃうか


「ははははは、ポスカを助ける為に魔王を名乗ってしまったって?!そんな話が信じられるか」


大ウケだ

あんまり笑われると恥ずかしいんだけど

因みに今話してるのは騎士団団長のベアトリーチェさん

昨日は兜をかぶってて解らなかったけど予想通りの美人だった


「どうしてそんな事に・・・もっといくらでもやりようがありそうなものだが」

「おっしゃる通りです、でも思いつかなかったもんで」

「しかも人を殺した事が無いって?信じられん」

「うん、証明も出来ないんだけど・・・」

「うーむ、どうしたものかな、結論を出す方法など思いつかん」

「タカネはそんな野蛮な者ではありません」

「うーん、モンスターは躊躇なく倒してるから上品って訳でも無いんだけど」

「まあタカネ、それではサテンも野蛮だと言う事になりますが」

「そんな事言ってないでしょ」

「喧嘩をするな、ポスカはどっちでも構わん、とにかくタカネ殿を全面的に支持する」

「・・・うーむ、ポスカがまさかそんな結論を出すとは」

「ドラゴン騎士団の皆さんは俺を討伐しないと帰れないんですか?」

「いやそこまでは・・・相手は魔王、ソビキトやゲルマニーを追い返すような者だから討伐が無理なら情報だけでも集めて来いとのお達しだ」

「情報かぁ・・・」

「上から91、54、84のHカップですよ」

「サテン、ややこしくなるからボケないで」

「なにい、す、凄いな」

「・・・私は以前、剣技の大陸20位になった事があります、住まいはピエトロ、その前はホメロスに居ました」

「タカネ、わざわざ言わなくても・・・」

「どうせ解る事だよ」

「剣技で20位か・・・魔王は凄まじい魔法を使うと聞いたが」

「ワシも見た、大地が裂けるかと思う程の凄まじい威力だった」


メテオの話

ゾイドさんが詳しく説明してくれた


「見せてもらう事は出来るのか?」

「うーん、場所変えないと、景色が変わっちゃうからあまり無駄撃ちもしたくないんです」

「おお、自然を守りたいと言うのだな、我がノルウィー国は森林国家、その考えには同調する」


魔法は使わなくて済んだ


「では剣技だけでも」


騎士団12人をメタメタにしてあげた


「て、手も足も出んとはッ」


ガックリ膝を突くベアトリーチェさん

ドラゴンからドラゴンに飛び移り、義経の八艘跳び(イメージ)のような戦いをしてみせた


「・・・もし魔王が悪者でも、我々ではどうしようも出来んな」

「タカネは悪者ではありません、美女大陸1位のサテンが責任を持ちます」


自分の肩書きを盾に交渉するサテン

俺が思ってる以上に美女1位という肩書きは効果を発揮するみたいだ

何処へ行っても国賓の扱いで持て成して貰える


「解った、国には一応敵対意思は無いと伝えてみるよ、信じてもらえるかどうかは解らんが」

「よろしくお願いします」

「しかし、魔王を名乗ってソビキト兵とゲルマニー兵を追い返してしまったのなら、もう撤回は出来ないだろうな」

「・・・やっぱそう思います?」

「脅威を与えてしまったのだからな、ソビキト、ゲルマニー両国、その友好国からは今後も警戒が解かれる事は無いだろう」

「ポスカは魔王と共に進んでいく、世界中を敵に回してもな」

「ゾイド殿、それも受け取り方によってはポスカに野望が産まれたと思われかねない」

「むう、確かに」

「・・・我々としてはそうならない事を祈るばかりだ」


今はそんな気は無いとしても、変わってしまう事を懸念しての言葉だ

そうだな、他国の騎士としては疑いを払拭する事は出来ないだろう

今はそれでいいよ、全面的に信用して貰う材料なんて無い

その疑いを変えて行ければいいのだが


ドラゴン騎士団たちは本国に帰る事を決めたそうだ

野営を片付け、明日には帰国するらしい


「私、エメラルドなんです」


騎士団の一人がこっそり耳打ちして来た

そっか、やっぱり解るのか

サテンが嫉妬してるからあまり話も出来なかった


城に戻ってベットに突っ伏す

誤解を解くってのは神経使う物だな

すごく疲れたよ


サテンが隣に寝っ転がって来る

ありがとう、お前も疲れただろ?

凄く頼りになったよ


「騎士団の方と何を話していたんですか?」


事情聴取の為に来たのか

やれやれ、相変わらずだった

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