013 練習
「火を大きくすることは出来たんですが、飛ばすとなると難しいですね」
絶賛魔法練習中のサテン
今は光の玉を出す事と、水をチョロチョロ、火をチョロチョロ
生活に根付いた魔法しか使えない
「光の玉出すイメージで火の玉も・・・」
「・・・あ、出ました、あ、熱い!」
小っちゃい火の玉が出たけど飛んでいかなかった
「すぐ飛ばさないと熱いのか」
「・・・もう少し練習してみます」
昨日までに初級の依頼を10件こなし、下級の依頼を受けれるようになったので今日は休んだ
近所の広場でサテンは魔法練習中
俺はナンパ防止の付き添い
まあ2人の方がナンパが寄ってくるんだけどね
魔法の練習のフリをして、空に火の玉撃てばナンパも遠ざかっていく
魔法って便利だな
「疲れた?サテン」
「はい、もう魔法が出ません」
すぐに息切れするサテン
ゲームで言うならMPが少ないのだろう
「また午後に練習しようよ」
「はい」
ふらつくサテンを抱えながら家に戻る
カオリが腕立て伏せしてた
「なあ、俺らってまだ成長するのかな?」
「タカネは、、、成長、、、しなくて、、、いいよ!」
「そんな事言うなら上に乗るけど」
「ぐ!、、、う、、うおおおお」
俺を背中に乗せ腕立て伏せをするカオリ
細い腕なのにどうして出来るんだろうな
不思議だ
「お、、終わるから、、降りて」
「はいはい」
俺も腕立て伏せしてみようかな
・・・胸が邪魔なんだよな
すぐ床についちゃう
さて、今までサテンと一緒の財布だったけど、いい加減別にしようという事になった
サテンも最初の頃は捨てられると思って嫌がったが、俺がサテンの物ばかり買おうとするので分けたほうが気が楽みたいだ
「分けると1人122000アランですね」
「ホンダはサテンの物だからね」
「家賃4万とホンダの預け代くらいは稼いで見せます」
少し自信がついたのかな
初級の依頼を回ってても十分やっていけると解ったのはサテンを大きく安心させた
でも、俺らと回ってても意味は無い
サテンは昨日一昨日積極的にパーティ募集の張り紙を見ていた
「攻撃魔法さえ使えるようになれば、引く手あまたみたいです」
「ふーん」
まだモンスター相手に攻撃魔法使ってないな
下級依頼は少しは手応えあるのだろうか
「ガーゴイルとかが相手らしいよ」
「強いの?」
「知らない」
中級に上がるにはやはり下級依頼を10回こなさないと駄目らしい
まあ、ゆっくりやって行きますか
昼から風呂に入る
24時間湧いてるって素晴らしいよな
サテンが入って来た
「サテン、お湯苦手なんじゃ無かったの?」
「このお風呂はぬるめなので好きですよ、疲れも取れますし・・・」
「この湯船もそのうち取り換えたいんだよな」
「少し腐って来てますね」
「木だから仕方ないんだろうね」
賃貸だから設備の取り換えは大家さんの仕事なのかな
この世界のシステムがイマイチ解ってない
「た、タカネ、下着を少し買いに行きたいのですが」
「俺に聞くよりカオリの方が良いんじゃない?」
「ええ、でも、タカネのあのレースの下着が欲しくて」
「売ってるのかな」
あれは最初から装着してた物だからな
この世界の物かどうかも解らない
ガラ「私をのけ者にしないでよ」
「カオリ」
「のけ者だなんてそんな」
「お風呂入るなら誘ってよね」
「どうせ夜も入るつもりだったからさ」
「下着も一緒に買いに行くからね」
「カオリはどんな下着・・・」
変な目で見られた
この世界に誕生した時どんな下着履いてたか聞こうとしただけなのに
誤解を受ける発言だったか
「なにか特殊な装備だったのかなと思ってさ」
「下着は普通だったな、剣と鎧だけだよ」
「ルビーのスイッチの人に会ってみたいな、どう違うんだろ?」
「ダイヤより良い事は無いでしょ」
「だから女になったんだって・・・」
カオリはすぐ僻む
1%の中に入れただけで幸運なのに
ふう、熱くなって来た
少し熱を冷まそう
風呂を出て、柵の所まで行き外の景色を眺める
「タカネはそこから外を見るのが好きですね」
「ああ、街の風景を見るのが好きだよ」
「私はタカネのお尻を見るのが好きだよ」
カオリの方が変な発言多いと思うのだが
「カオリ、お尻触ろうとしてるでしょ」
「ば、ばれた~」
イヤラシイ
気を付けなければ
午後、下着を買いに行く
「向こうに高級な下着店があるって!貴族様御用達らしいよ!」
「まあ、行ってみましょう」
・・・・・
俺、ついて行って良いのかな
店構えからして豪華なお店の前に来た
ここか?
「た、高そうだね」
「だ、大丈夫でしょうか」
「12万あるんだから大丈夫じゃない?」
店に入る
「いらっしゃ、、、ま、まあ!」
店員が驚いた
「な、なんて美しいお嬢様方、是非、当店の下着をお試しください」
「サテン、見て貰いなよ」
「は、はい」
「お客様もどうぞ」
「お、、、私も?」
サイズ図られた
俺の胸を惚れ惚れとした目で見る女店員
どうや?すごいやろ?
サイズあるのかな?
「こちらなんてどうでしょう?」
店員が進めて来たのは下着上下とガーターベルトのセット
レースだな
なんだこの世界にもあるんだな
5000?!高い!
サテンも同じようなの進められてるな
あ、ウットリしてるわ
買っちゃいそうだな
カオリはカオリで可愛らしいフリフリのついた下着に夢中だ
・・・俺は普通のでいい
面積少ないのはスースーするし
でもせっかく来たし・・・
1500アランの上下セットを3つくらい買うか
生地が良いせいかたっかいなあ
サテンは5000の物を3種類買ってた
それお尻Tバックじゃん
さすが18歳
大人だな
カオリは可愛らしいのを中心に10種類ほど買ってた
さすが金持ち
「下着も買ったし服も欲しいよね」
「そうですね」
「え?うん」
続いて洋服店へ
あれ、ここも高い・・・
「まあ!!なんとお美しいお嬢様方!!ささ、こちらへ・・」
サテンとカオリが夢中で選んでいる
洋服好きなんだな
俺はどうしよ
動きやすいのが良いんだけど
お、ショートパンツか
スカートしか持って無いからこれ買っておくか
あとは上着を数枚
サテンは上着3枚スカート3枚
カオリはそれぞれ5枚ずつ
・・・皆結構買うなあ
「ねえ、服買ったんだからタンスも欲しいよ」
「そうですね」
「あ、ああ」
家具屋へ
俺は2万、サテンは3万、カオリは5万のタンスを買った
サテンとカオリは2万の鏡もついでに買ってた
じゃ、じゃあ俺も
この世界の鏡は高いんだな
カオリのウィンクでそれぞれ1割引き
すぐに持って来てくれるって
「ふう、7万くらい使ってしまいました」
「さ、サテンすごいな」
「私は12万使っちゃった」
「え、ええ」
俺も5万も使っちゃったけど
大丈夫か俺達
ちょっと無計画に使い過ぎてるような
もっと先に揃えなきゃならない物があるような
「女の子だもん、しょうがないよ」
「ええ、タカネがお洒落しろって言ったんじゃないですか」
そうだっけ
・・・
明日から頑張って稼がなきゃ
家に帰る
タンスを設置する
・・・入れるものが少ない
もっと買えば良かったか
いやいや、無理に買う必要はない
どうせこれから増えていくんだ
「た、タカネ、これどうですか?」
サテンが買った下着を着て見せに来た
「え、えろ、、、綺麗だね」
「そうですか?ありがとうございます」
すごく嬉しそうだ
・・・Tバックだな
あの体にエロい下着って凶器だな・・・
さて、午後の魔法の練習するかな
サテンが買ったばかりの下着と服で練習に出かけようとした
よっぽど嬉しいのかな
でも火を使うんだし失敗して焦げちゃったりしたら勿体ない
サテンを説得して着替えさせた
残念そうだが渋々着替えてくれた
「こうパッって投げるイメージでやってみたらどうかな」
「投げる・・?」
「この石投げて見てよ」
「・・・えいっ」ボト
2mしか飛ばなかった
石を離すタイミングが悪いから引っかかっちゃったんだ
何かを投げた事も無いのかもしれない
「もっと早く離してみてよ」
「・・・えいっ!」
早すぎる
真上に飛んでった
「前に前に飛ぶように」
「・・・えいっ」
ちょっと低い
その後何度か石を投げる
肩が痛くなったそうだ
ガラスの肩だった
「何かが前に飛んでくイメージは出来たでしょ?そのイメージで魔法使ってみて」
「はあはあ、はい」
体力が無いな
息を切らしながら腕を構える
イメージイメージ
ボンッ
お、飛んでった
20m程で消える
結構でかい火の玉だったぞ
「で、出来た」
「うん、良かったんじゃないか?」
「でも、すぐ消えましたね」
・・・・・
俺のはどれくらい飛んでるんだろ
空に向けて撃ってみる
ボンッ
・・・・・・
300mくらいかな
「最初はそんな物なんじゃないかな、成長すれば飛距離も伸びるよ」
「そうですね、頑張ります」
しかしサテンはMPが無い
10発撃った所で力尽きる
「8発くらい撃ったら弓に変えたほうが良いかもね」
「は、はいぃぃ~」
フラフラになったサテンを連れ家に戻った
魔法撃てるようになったことに変わりは無い
よく頑張ったなサテン
今日はゆっくり休んでほしい
「カオリ、今日は俺達でご飯作ろうよ」
「え?!」
「サテンも頑張ってるんだ、任せっぱなしは良くないよ」
「そ、そうだね」
サテンを休ませ2人で買い物に
ナンパナンパ
そんなにナンパしたいのかよ、うっとおしい
「やっぱりダイニングテーブルも欲しいよね」
「食器棚も欲しいな」
「いくらくらいするんだろね」
「食器棚は2万5千くらいだったよ」
まだまだ金がいるなあ
日々の食事代も勿論かかる訳だし
生きてくって大変だな
買物を終え帰宅
サテンが椅子で寝てる
疲れたんだろうな
「よし、作るぜ」
「大丈夫?」
「カオリもやるんだよ」
「は、はい」
なんとか食べ物らしき物を作り夕食
サテンを起こし召し上がる
・・・普通だ
「醤油とかソースとかマヨネーズとか欲しいよな」
「マヨネーズは卵黄と油と酢で作れるんじゃなかったかな」
「そうなの?作ってみてよ」
「え?ムリムリ、分量解んないもん」
「マヨネーズ?」
「カロリーが恐ろしく高いからやめておくか」
サテンの美しいボディラインが崩れたら大変だ
マヨネーズは諦めよう
「明日は取りあえず下級依頼行ってみるか」
「私はどうしましょう、自分にあったパーティを探そうと思っているのですが」
「最初は俺達と一緒の方が良いよ、どんなもんか見て見ようよ」
「そうですね」
「私がサテンを守るからね!」
頼もしいな
俺の事も守って欲しい