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全部神様が悪い  作者: 無二エル
ピエトロ王国編
128/134

128 調書

「ちょっと聞いてないわよ!」


コニーが怒っている

ここはポスカの首都、城の中


「私、魔王にさらわれたんじゃない!」

「別に、逃げても良いぞ?止めないから」

「ぐぬぬぬ・・・」


最初は城の中に入って我が物顔で喜んでたが、誰かから俺が魔王だと聞いたらしい


「騙されたわ、謝罪と賠償を要求するわ!」

「もう遅いし怒るのは明日にしたら?」

「そうね、おやすみなさい」バタン


切り替え早いな

俺の連れと言う事で広い部屋を与えられたコニーはルンルンしてた

そのまま寝て忘れてくれ

俺達も寝ようぜ、ムスタング

zzzzzz



------------------------------------



次の日


「やっぱり騙されたわ!」

「言わなかっただけじゃん、騙してないよ」


覚えてたか

どのみちお前は厄介者だったじゃん


「あの鳥に凍らされたのも思い出すとムカつくわ!」

「そうやってうるさいから・・・・・・・・・あ」

「どうしたの?」

「・・・お前、そういやルーカスと喋ってたよな?」

「貴方だって喋ってたじゃない」


おかしい

普通は話せないんだ

俺は特別


どうしよう、聞いてみたい気もするけど

聞きたくないような気もする

・・・そんな事言ってたら始まらないか


「・・・魔物使いって、知ってるか?」

「?・・・知らないわ?」

「モンスターを操る事が出来る者の事だ」

「・・・・・・」

「心当たりが無いなら良いんだけど」


コニーが考え込む

表情が読めない

ちょっと奇妙な表情だ

何を考えているのだろうか


「・・・ひょっとして、普通じゃないの?」

「ルーカスと喋れる事がか?普通は喋れないよ」

「それだけじゃないわ、私はそのグリフォンとも喋れるわ」

「!!!!!」


ムスタングと?

それは、俺にも出来ない事だぞ


「メアリーって子が無茶してないか心配してるみたいよ」

「な!!!!!」


ま、間違いない

そんな情報をコニーが知ってる訳が無い


「お、お前は、魔物使いなのか?」

「なによ、解らないわよそんなの、モンスターに会ったのだってあの鳥とそのグリフォンだけだし」

「正確にはルーカスは古龍で俺でも言葉が解る、ムスタングはモンスターで俺には言葉は解らない」

「私の方が優秀って事?」

「いや優秀って言うか・・・魔物使いがどんな物なのか俺も知らないけど話せるんなら・・・」


操る事も可能なんじゃないだろうか

解らん、魔物使いの情報が足りない


「・・・でも、ちょっと思い出した事があるのよね、親と初めて風神の祠に行った時、鳥と喋ってる私を見て親が驚くと共に怖い顔をしてたわ」


・・・古龍と話す少女

特別な子と崇められそうだが

・・・いや、魔物使いと思われたのかも

やはり魔物使いはポジティブな物では無いのだろうか


「なあ、馬とか犬とか動物とも話せるの?」

「話せないわ、不思議よね」


くくりが違うのだろうか

うーん、線引きが謎だな

コニーが生贄にされた理由

凶暴で魔法を使える女の子

人を土の壁に閉じ込めたからだと思ってたけど、本当の生贄にされた理由は・・・


・・・やめよう

嫌な結論に達してしまいそうだ

これ以上踏み込む勇気が無い

真実を知ってしまったらコニーも傷つくかもしれない


「よく解らないけど、魔物使いコニーって肩書きは嫌だわ、なんなら私も魔王を名乗ろうかしら?」

「魔王コニーか?言っとくが軽くない肩書きだぞ?これから世界中を敵に回すかもしれないんだから」

「あらあら、そんな肩書きを背負って大丈夫なの?貴方だってまだ若い女の子なのに」


・・・自信無い

人の心配してる場合じゃないよな



------------------------------



『タカネ、浮気は駄目って言ったのに』

「浮気じゃないよ、しょうがないじゃん、サテンやメアリーと同じ状況だったんだから」


携帯でサテンと話してる

人助けしたのに何故怒られるのか

不条理な世の中だ


『タカネ、実は今そちらに向かっています』

「え?どうやって?」

『戦争が終わったので、ユーメリアがペガサスを飛ばしてくれました』


ユーメリアも決断が早いな

サテン、カオリ、クリスティ、メアリー、ジル

ついでにピーちゃんも来るらしい


「魔法水晶ほったらかしで皆で家を空けるのかよ、メイドちゃんが危険じゃないか」

『その事ですが魔法水晶も持って来ています、ジルさんがポスカで使ってくれればと』


ジルが作り上げた魔法水晶

手放す決心をしたのか


『ジルです、戦力の均衡化の為にも、ポスカには必要な物だという判断です』

「ジル、お前がそれでいいなら」

『おまけして5億で買ってくれないか交渉しておいて欲しいんですが』

「なんだよ、金取るのか」


ポスカにはそんな財政無いって言ってたけどな

これから復興もあるし尚更余裕が無いと思うが

・・・しかし戦後交渉で賠償金取ったりするのかな?

こっちには人質も居る事だし・・・

一応、話すだけ話してみるか



「人質は魔王の所有だ、戦後交渉に使えるとは思ってない」

「あ、そうでしたね」

「しかし5億で魔法水晶か、欲しい事は欲しいのだが・・・」


通常魔法水晶は6億だ

元の世界のお金に換算すると大体30億円くらい


「難しいな、今は2億くらいでも資金を捻出するのは厳しい」


まあ無理に買う必要も無いよ

いざとなったら俺がすぐに作れるし

軍事利用しないなら1、2個くらい作ってやってもいい


「しかし、兵器の研究をせん訳にも・・・相手が持ってるんだから仕方ない」

「魔法使いも捕らえちゃいましたしね」


こういう状況だから困るんだよな

俺が作るとは自分からは言い出さないつもりだ

生活を良くする為じゃないと作らないからね


部屋に戻るとコニーが来てた


「ねえ、ムスタングが夕飯は豚肉を食べたいって」

「おお、便利なもんだな、いつもは希望を聞けないからな」

「肉ばかりじゃなくて野菜も食べさせなさいよ」


無茶言うな

それに野菜は場合によっては毒になる

猫に玉ねぎみたいなケースもあるからな


「塩味を効かせろ?駄目よ塩分の取りすぎは」

「キュピィン」

「コニーは結構健康志向なんだな」

「私は野菜嫌いよ?ピーマンとニンジンは絶対食べないわ!」


人に言うだけかよ

所詮は子供か


コンコン『タカネさん、いらっしゃいますか?』


エストの声だ

居るよ


ガチャ「コニーさんは来てますか?ポスカでは外国人の出入りを厳しく審査する事になったため調書を取らせてください」

「なによ、私が怪しいとでもいうの?」


怪しいっちゃ怪しいよな

500年前の女の子だ

余計な事言わないよう口止めしとくんだった


「貴方、私と歳が同じくらい?」

「私は14歳ですよ?」


一個年上か


「そう、じゃあ子分にしてあげるわ!」

「ええ?嫌です」

「コニー、やたらめったら子分を作ろうとするんじゃない」

「なんでよ?左団扇で遊んで暮らしたいわ?」

「そんなの俺だってそうだ、しかし人の上に立つには尊敬されないと無理だぞ?」

「・・・なるほど、一理あるわね」


考え込むコニー

そして閃いた


「見なさい!私はこのグリフォンと話せるのよ!」

「ちょ・・・」

「・・・はあ」

「・・・信じてないの?ムスタング、エストの事を何か言いなさい!」

「キュピーン」

「エストは軽いから乗せていて楽だって言ってるわ」

「・・・はあ」

「何よ、私がでっち上げたみたいな顔して、ムスタング!もっと情報寄越しなさいよ!」

「キュピィィ」


ムスタングが困ってる

しょうがないよな?エストの情報をそんなに持ってない


「コニー、冗談はそのくらいにして調書取って貰え」

「じょ、冗談って何よ!貴方も知ってるでしょ?私がモンスターと話せること!」

「いいから」ウィンクパッチン

「・・・・・・解ったわ」


ここは抑えてくれ

渋々調書を取られるコニー


「生まれは」

「ランドルフ国バチェラの村よ」

「年齢は?」

「13歳」

「ポスカには何をしに?」

「魔王にさらわれたのよ、私の調書より魔王を何とかしなさいよ」

「タカネさんが無理矢理さらって来たんですか?」

「いや、ルーカスってヤツに面倒見るよう頼まれたんだよ」

「ルーカスとは?」

「鳥よ」「風神だ」

「もう、タカネさんまで、真面目に答えてください」


誰も嘘をついていない

こんな優しい空間なのにエストは信じてくんない


「えーっと、まあ偉い人にコニーは魔法も使えるし村に置いて行くのは惜しい、外に連れ出して世の中の為に役立ててくれ的な事を・・・」

「そうだったかしら?」

「魔法を使えるんですか?」

「そうよ!見てみる?おったまげなさい!」シャー

「お、おい!こんなとこで水を出すな!」

「キャ!す、すごいですね、でもタカネさんの方が・・・」

「む」「魔王と比べるなよエスト」


魔法使えるってだけで希少なんだから

充分だろ


「えーと、因みにポスカの為に魔法を役立ててくれる気はありますか?」

「なんだよエスト、魔法使いは最近何人か捕虜にしたんだから十分だろ」

「よく解らないけど何をしろって言うのよ、働かされるのは嫌だわ?」

「お前も金稼がなきゃ生きていけないんだからな?それは把握しておいてくれ」

「むう、子分をたくさん作れば働かなくて済むと思ったのに」

「なあ、それは根本的に間違ってるぞ、子分を養うのが親分の務めだ」

「ええ?聞いてないわ?」

「どんな思い込みだったのか知らないけど現実は甘くないぞ?」

「むう、養わなきゃいけないなら子分なんていらないわ、無償で奉仕してくれる人は居ないのかしら?」


そんな酔狂な奴は居ない

むしろそんな奴が居たら裏があると怪しんだ方が良い


「田舎者なんだから気を付けなきゃ駄目だぞ?」

「ちょっと!それは恥かしいから言わないでよ!」


都会は誘惑が一杯だからな

田舎の小娘なんざあっという間に身ぐるみ剥がれちゃうんだからな


「ポスカは治安が良い方でしたが、戦後の動乱もあるので一応気をつけてください」

「むむ、私を騙そうとするヤツが居たら返り討ちにしてやるわ」

「調書は終わりか?」

「うーん、目的を詳しく聞くよう言われたんですが、ただ連れて来られただけみたいですし」

「成り行きで来ただけだもんな」

「上層部の中にはまだまだタカネさんの事を疑っている者も多いんです、そのタカネさんが連れて来た者となると・・・」

「あらら、魔王は信用が無いのね」


そりゃ魔王ですから

エストが出て行った


「コニー、モンスターと話せる事はあまりポジティブに思われないかも知れない」

「どうして?凄い事なんじゃないの?」

「100年前に悪い事した人が居てなあ、そいつが魔物使いだったんだよ」

「私は魔物使いなの?ムスタング、お手!」

「キュピィン」プイ

「むう、無視されたわよ!」ピキピキ

「・・・魔物使いかどうかは解んないけど話せるならそう思われるかも知れないでしょ?」

「うーん、そういう物かしら?せっかく自慢になると思ったのに」

「魔法使えるだけで自慢になるから大丈夫だよ」


なんとかコニーを納得させる

つかお前の魔法はどんなもんなの?


  コニーの魔法リスト

火の魔法 使えない

水の魔法 普通の威力の放水を出せる

風の魔法 使えない

土の魔法 そこそこの大きさの壁を出せる

光の魔法 使えない


「・・・尊敬されたいならもっと魔法を練習しなきゃ駄目だな、と言っても13歳ならこんな物なのかな」

「火の魔法を練習中しようとしたら親が良い顔しなかったわ?」


危ないからな

土で人を閉じ込める子に覚えさせたくなかったんだろう


「確かに嫌な奴が居たら家に火をつけてやるわ!」

「犯罪だぞ、捕まって拷問されるぞ?」

「ご、拷問は嫌よ!でも、魔法使いを捕まえる事なんて出来るのかしら?」


ああ、500年前は水晶の手枷とか無かったのかもな

あの田舎には今も無さそうだけど


「へえ、その手枷を付けられると魔法が使えなくなるの?」

「ああ、すべて水晶の中に吸収される」

「怖いわね、気を付けないと」

「いや、悪い事に魔法を使うなよ」

「む、むむう」


メイドちゃんが来た


「魔王様、兵士達にお風呂を用意してあげて欲しいのですが」

「いいよ」

「なになに?お風呂って何?」

「風呂知らないのか?お湯で体を洗うんだよ」

「お湯で??随分贅沢なのね、さすが都会だわ」


訓練用プール


コニーも付いて来た

魔法で出したお湯のプールに飛び込む裸の男達


「キャー・・・」


眼を手で隠しながらも指の隙間からその様子を伺うコニー

恥かしがってるフリはしているが興味津々だ

・・・13歳の子に見せるのはマズかったな


「あ、ああなってるのね」

「なにがだ?」

「ちょ!言わせる気?」バンバン

「痛いな、叩くなよ」

「ああ、お湯が濁って来たわ!」

「お前どんだけ見たいんだよ」


興奮状態のコニー

顔は真っ赤だが目は血走ってる

すごく、鼻息が荒い


「・・・魔王よ、その子は大丈夫なのか?」

「うーん、刺激が強すぎたみたい」

「若い子に我々の逞しい体は毒だったか、はっはっは」

「すごいわ・・・来て良かった」


そう言ってコニーはぶっ倒れた

性への興味が半端ないんだな

ゆでだこみたいになったコニーを部屋に運び、俺は女兵士と一緒に風呂に入って就寝

おやすみなさい

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