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全部神様が悪い  作者: 無二エル
ホメロス王国編
12/134

012 腕試し

西の廃墟


ゴブリンが住み着いて困ってるという西の廃墟

おるわおるわ

見えるだけで15匹くらい居るな

観察してると身が軽いのが解る

毛の無いサルみたいだ


武器も持ってる

棍棒が多いな

恐らく自分達で木を削って作ったんだろう

ナイフを持っている者も居る

あれは奪ったのかな、自分達で作れるのかな?

たぶんそんな技術は無い

悪い奴確定って事で良いだろう


「どうする?」

「正面突破で良いんじゃない?」

「弓で先陣切りましょうか?」

「ああ、じゃあそうしてくれ」


サテンが弓を構える

撃った

風を切る音にゴブリン達が気づく

しかし攻撃とは思わなかったのか当たった

頭を貫いたな

決行容赦ないな

ナイス、サテン


ゴブリン達が騒ぎ出す

辺りを警戒して見回す

そろそろ出て行って良いだろう

ゴブリン達の前に姿を現す俺とカオリ

・・・サテンは隠れたまま狙うのか

弓ってそういう物かも知れないが

まあ良い、先陣を切ってくれたんだ

俺達が囮になるからあと何体か仕留めて欲しい


俺達の姿を見つけ向かって来るゴブリン

トリッキーな動きをするな

だが力があるようには見えない

落ち着いて対処すれば大丈夫だろう


カオリが走り出した

あ、ズルい

俺も走り出すが早すぎる

すぐにカオリの抜かしてしまった


「ず、ズルい!」


そんな事はないと思う

能力も自分の力だ

あ、目の前にゴブリンが居た

ザシュ

ショートソードで斬った

ゴブリンも俺の間合いを詰める速さに対処出来てない

いきなり目の前に来てビックリしているうちに斬られたと思う

次のゴブリンに向かって走る

ん?サテンが狙ってるな

じゃあこのゴブリンは無視だ

ビックリして動けないゴブリンを無視して通り過ぎる

風を切る音が聞こえ後ろで悲鳴が聞こえた


2匹固まってたゴブリンを一閃

次はどっちだ?

カオリも1匹目を処理していた

廃墟からゴブリン達が出てくる

その方向に走る

ゴブリン達が武器を構える

もう油断は無いようだ

俺が飛び込んでくるタイミングを見計らっている

あ、ゆっくりになった

こちらのスピードは変わらない

剣を振り上げた状態で斬られるゴブリン

返す刀でもう2匹処理

こんなの簡単すぎる

あっけなさすぎる

なんだこの能力

絶対負ける気がしないんだが・・・


6匹処理した

カオリが2匹目を処理し3匹目へ

サテンは矢を避けられたようだ

あ、1匹逃げてる

この場合どうなるんだ?

また戻って来て住みつくと面倒だな

追いかける

一瞬で追いつき斬り裂く

もう1匹別方向へ逃げてる

追いかける

また追いつき斬り裂く

・・・・・


カオリとサテンが3匹目を処理した

あと2匹か

任せるか

カオリの元に2匹が集まる

サテンはカオリが居るので狙えない

カオリが一匹を蹴り、もう一匹を斬り裂く

蹴り飛ばされたゴブリンは体制を崩し転んだ

そこへカオリが上から剣で突く

これで16匹

もうゴブリンの気配はない

終わったか


「これ、依頼を達成したってだれか確認しに来るの?」

「・・・どうなんだろ?」

「首を切って持っていくんじゃないですか?」

「え?!マジで?」

「え、えげつないね・・・」

「解りませんが・・・」

「死体はこのままで良いの?」

「死体は放っておけばグールが食べてくれます」

「グール?」

「夜に出るモンスターですね、死体しか食べないので害は無いです」

「へ、へえ・・・」


聞きに戻った

自己申告で良いらしい

ウソだった場合は報酬を返金要求され、ハンター資格にもペナルティがある

どのみちウソだった場合はすぐバレるそうだ

ふーん

そんな訳で12000貰った


「・・・チョロかったな」

「そりゃダイヤさんが張り切り過ぎたから」

「ええ?俺のせい?」

「走り回ってたじゃない」

「逃がしたらマズいのかなって」

「どう?サテンは余裕あった?」

「私は隠れて弓を撃ってるだけでしたので・・・」


とりあえずもっと難しいの行こう


「すみませーん、今行けるレベルで一番難しい依頼何ですか?」


「赤コウモリの捕獲だってさ」

「希少性ですよそれ」

「珍しいの?」

「500年前は、1000匹に1匹と言われてましたね」


運って事か


「討伐系で難しいのをー」


「巨大アリの侵攻を止めろって、アリくらい歩かせておけばいいのに」

「通り道にあるものすべて食べちゃいますから」

「そうなんだ、大変な事だな」

「街に近づきすぎると騎兵隊が出るとは思いますが・・・」


行って来た

大体人間と同じくらいの大きさのアリだった

硬いのでサテンの矢は弾かれる

だが動きはそんなに早くない

怖いのは大きな口だけ

口の近くに行かなければ大丈夫だ

槍とかリーチの長い武器なら余裕かも知れない

だが集団だから回り込まれるとやっかいかも

どのみち俺の前ではスローモーションになる

20匹ほどやっつけた


報酬22000


「どうだった?」

「矢が一本も刺さりませんでした」

「私は余裕だったかなー」

「いつ上のレベルの依頼受けれるようになるのかな」


「・・・あと8回こなせって」


駄目だ、つまらん

俺はハンター向いてないかもしれない

実際強すぎるとつまらないものなんだな

この世界を生きてく為にはこれほど恵まれた能力は無いのかもしれないが

死ぬ危険性がなく贅沢を言っているようだが、やりがいが無い

少しは歯ごたえと言うか、達成感と言うか・・・


「タカネどうする?まだ時間あるけど」

「うーん、上のレベルの依頼になれば、もっと手ごわいのかな?」

「それはそうでしょうけど・・・」

「私は今のレベルでもうちょっと慣れたいです」

「うん、そうだね、ごめんサテン」


いかんいかん、先走り過ぎた

サテンを危険に晒す訳にはいかない

我慢だ我慢

もっと2人に任せよう


「これ行ってみる?」


ホブゴブリンの根城の潰せ

北の洞窟にホブゴブリンが住んでいる

静かに暮らしてるのなら放っといてやれとも思うが

やはり旅人や家畜を襲ってるらしい

じゃあ退治するか・・・


北の洞窟へ来た

入口に2匹いるな

体が赤いゴブリン

ゴブリンよりも強いのだろうか


「サテン、どうぞ」

「はい」


弓を引くサテン

あ、こっちに気付いた

矢が飛んでいく

ホブゴブリンは避けた


俺とカオリが出て行く

ホブゴブリンが仲間を呼んだ

洞窟の中から10匹ほど出てくる

・・・ただのゴブリンも居るな

カオリが走り出す

俺もその後をゆっくりと

サテンの矢の軌道上に入らないように

今回は固まっている

カオリが剣を横に一閃

ゴブリン達は身構えていたが早すぎたのだろう、一気に4匹斬られた

サテンの矢が飛んでくる

ホブゴブリンに当たるが致命傷では無い

カオリがまた剣を横に一閃

今度は2匹仕留めた

俺はサテンが仕留めそこなったホブゴブリンにとどめを

5匹のゴブリン達が逃げ出す

サテンがそのうち一匹を仕留めた

今のはうまかったな、走っているゴブリンの頭を抜いた

あと4匹、カオリが左に走る

じゃあ俺は右の2匹を追うか

一瞬で追いつき斬り裂く

もう一匹も斬り裂く

向こうはどうなっただろう

ここからでは見えない

戻ってみると、カオリが2匹目を仕留め、丁度終わるところだった

・・・これで終わりか


「タカネ、手を抜いてたでしょ?」

「あ、うん、マズかった?」

「油断は禁物だよ?向こうだって必死なんだから」

「そうだな、命がかかってるもんな」

「力があり過ぎるからって良くないよ」


その通りだ

だが本気出しちゃうと一瞬で終ってしまう

たぶん、2人のやる事は無くなる

どうすりゃいいんだこれ


ハンター協同組合に戻った

今日はもう終わりかな

報酬の17000アランを貰う

ほとんど移動で終ったな

受付のお姉さんに、1日に依頼3個もこなしたの?って顔をされた

ウソだと思われてるのかな


「なんなら誰かと腕試しでもして見せようか?」

「おお、美人さんと戦えるのか?俺にやらせてくれ!」

「いや、俺がやる!」

「私にやらせな、あの綺麗な顔を泣き顔にしてやるよ」


お、女のハンターか

目つきの鋭く、灰色の髪

黒い鎧を着ているな


「ベス、お前は上級じゃないか、いくら何でも・・・」


女の名前はベスと言うそうだ

上級?


「あんたらは今初級だろ?初級、下級、中級、上級、最上級とある、その上にもホメロス王国10傑、エルベーグ大陸20傑ってのがあるが」


ふーん

よく解んないけど誰でも良いぞ

今日はフラストレーション溜まってる

八つ当たりみたいだな、なんか


「カオリもやる?」

「いいね、楽しそう!」

「私は見てますね」


最初の男2人は中級だそうだ

どうするかな?


「これを使え」


木刀を渡された


「カオリ、先どうぞ」

「はいはい、前座ですね」

「そういう訳じゃ・・・」

「いいからいいから、二人同時でもいいよー!」


おっと、男共の目つきが変わったぜ

あまり挑発するのは良くないと思うが

カオリもフラストレーション溜まってたのかな


外に出る

対峙するカオリと男2人

一人の男は長い棒持ってるな

槍の代わりなのかな

野次馬も集まる

受付のお姉さんが出て来た


「では準備いいですか?始めッ」


こういう事良くあるのかな

随分慣れてるような

男達がカオリに襲い掛かる

2人が突っ込んで来る

カオリも突っ込み、棒を避け、剣を避けた

すれ違いざまに2人の胴に剣を一太刀ずつ入れた

野次馬から「おお~」と言う歓声が漏れる


「勝負ありッ!」


ガックリと膝をつく、中級の男2人

上級のベスの顔も変わったな

カオリが俺達の所に戻って来てハイタッチをして来た

サテンは意味が解らずキョトン顔

くうを漂うカオリの手が寂しかった


次は俺の番だ

ベスと対峙する

向こうは真剣な顔だ

どうしよう、馬鹿力を制御できるかな

怪我させないようにしなくちゃ


「では始めッ!」


動かない

ベスは間合いを取り、警戒している

こっちの出方見る気かな

どうしようかな

俺は一瞬で後ろに回り込んだ

観客が騒めく

ベスは俺を見失った

キョロキョロしてる

ベス、セクシーな鎧着てるんだな

後ろから見るとお尻に食い込んでる

キョロキョロするたびにお尻フリフリ

可愛らしい


「なッ!ど、どこだッ」

「ここ、ここ」

「えっ?」


ベスが振り向く

それと同時にまた後ろに回り込む

ベスの首の動きに合わせ、常に視界に入らないようにしてやった

混乱するベス

・・・もういいか

軽く木刀を首筋に当てる

ベスの動きが止まる

冷や汗をかくベス


「ま、参った」

「勝負ありッ!」

『おおおおお・・・』


ガックリと膝をつくベス

俺はカオリの元へ行きハイタッチ

次にサテンの前に行き


「サテン、手を上げて」

「は、はい」


ハイタッチ

野次馬が拍手をしてくれた


「そういう訳なんで、ウソじゃないからね」


受付のお姉さんにそう言い放ち、その場を去った



「タカネ、容赦ないね」

「全然動きが見えなかったんですが」

「どうするのが正解だったの?」

「解んないw」


うーん、ベスは自信無くしてるかな

一瞬で決めるよりいいかなと思ったんだけど

攻撃させてからの方が良かったか?

でも動かなかったし

ふう、やっぱオーバースペックなんだよな


「サテン、アリに通じなかったし、もっと強い弓買ってく?」

「あまり強力な弓だと連射が難しくなるんです」

「そうなの?引くのが大変になるのか」

「弦が胸に当たってしまいますし・・・」

「それは良くないな」


胸大きいから当たりやすいんだろうな

もっと違う武器使ってみるとか・・・


「魔法を練習します、今のままではこの先足手まといになるので」


そうか、サテンもやる気出してくれて良かった

自分の生き残る道をキチンと考えている

じゃあ夕飯の買い物をして帰るか


買物を終え、帰宅した

今日もナンパの嵐だったぜ

さて、今日の稼ぎは51000だった

俺とサテンの財布に34000、カオリの取り分が17000

これ余裕だな

家賃分くらいはすぐ稼げる

もっとも他のパーティは1日一個依頼こなすくらいなんだそうだ

頑張り過ぎたかな

依頼を欲張り過ぎるのも嫌われてしまいそうだ

上のレベルに行ったところで上級以上の依頼なんてそうそう来ないらしく、下位の依頼を受けてこなすらしい

下位の仕事を取るのもなあ

レベルが上がったら上がったで仕事が無くなるのか


「他の仕事も探しておくかな」

「え?そうなの?」

「うん、兼業してる人も多いんでしょ?」

「でもこんなに儲かる仕事はそうそう無いよ」


そうなんだよな

高い家賃の家に住んじゃったんだ

払えなくなったら本末転倒

どうしたもんかな


「まあ中級くらいまでは頑張ってこなすけどさ、上級になったら他の仕事探すよ」

「私は、まだ下級くらいが精一杯かも知れません」


あーそうだった

また先走っちゃったな

俺やカオリみたいなチートと一緒のペースでレベルが上がって行くとサテンは大変だろう


「二人は先に行ってください、私は違うパーティを探してみます」

「え?それは心配だよ」

「そうだよサテン、そういう遠慮はしなくていいんだぞ?」

「いえ、実力差は明らかですので、その方が私の成長にもなります」


・・・そうかもな

サテンの出番が少ないもんな

俺達が速く片付け過ぎちゃってる

これじゃあサテンは成長できない


「女性だけのパーティがあれば良いんですが」

「そっか、安心して任せられるようなパーティなら許そう」

「あはは、タカネ、お父さんみたい」

「取りあえず下級になっちゃおう、初級じゃパーティもなかなか見つからないかもしれない」

「そうだね」「そうですね」


俺達は次の日に依頼を4件、その次の日に依頼を3件こなし下級に上がった

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