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全部神様が悪い  作者: 無二エル
ピエトロ王国編
119/134

119 魔王誕生

「湖だ、ムスタング一度休憩しよう」

「キュピィィ――ン」


バチェラを出て3時間

山奥の湖を見つけたのでほとりに降りる


「疲れてないか?」ナデナデ

「キュピィーン」


水をゴクゴクと飲むムスタング

俺はサテンの指輪を見つめる

魅惑の効果がある指輪

これさえあればみんな気絶するはずだ

・・・ムスタングには効かないよな?

危ないから試してないんだよな

ぶっつけ本番で使うのも心配だ

ここなら安全そうだしはめてみよう


「・・・どうだ?ムスうおお!」


すんごい擦り寄って来る

頬をこれでもかと擦りよせてきた

どうなんだろこれ

気絶はしないみたいだけど

指輪を外す


キョトンとするムスタング

また水を飲み始めた

・・・なんか寂しい


「ムスタング、俺はお前に好かれていると思ってたけど、さらに上があるんだな」

「キュピ?」

「思えばお前は誰でも乗せる癖に俺には他の馬に乗るなと・・・」

「キュピキュピ?」


?って顔をするムスタング

もういいよ

じゃあそろそろ行くか?


ムスタングの背中に乗る

・・・一応この状態で指輪をはめてみる

ムスタングに変化なし

背中に乗って見えない時は効果が無い

目視する事が条件なのか


この前ピエトロの街で使った時は、気が付いたら何も覚えてないって感じだったんだよな

俺の存在を悟られずに済むかもしれない

ちょっと大胆に敵の前に飛び出してみようか?

・・・状況に応じてだな


指輪を荷物の中に・・・

あれ?拡声器が入ってるぞ

誰だよこんなもん荷物に入れたの

・・・いや、拡声器は役に立つかもしれない


「よし、行くぜムスタング」

「キュピィィ――ン」


大空に舞い上がるムスタング

急げ戦乱の国、ポスカへ



-----------------------------------



3時間後


村を見つけた

恐らくポスカの村だ

村の門を壊した跡がある

村の中には兵士

あれはソビキト兵だろうか?

俺は東から来た

東から攻めてるのはソビキト兵だったはず


村人が見当たらない

どこかに閉じ込められているのだろうか?

それとも・・・


ムスタングで村に降り立つ


「うわ!だ、誰だお前は!」

「村人はどこへやった?!」

「な、なにい?!お、おい、来てくれ!!」


兵士たちがぞろぞろ出てくる

50人くらい集まったな?

これで全部だろうか?

じゃあ指輪装着


バタバタと倒れて行く兵士達

チョロいな


兵士たちを起こさないよう静かに村を見て回る

・・・だれもいな、あ!あの大きな建物だけ見張りが居る

怪しいな・・・

ムスタングを走らせ見張りの前へ

一瞬ビックリして気絶した

兵士を起こさないよう建物の中を見てみる


・・・居た、村人達だ

暗い顔してるから間違いないだろう

ムスタングから降り建物の中へ

うお!ムスタングがすり寄って来た

危ない、指輪外すの忘れてた


キィ「皆さん、助けに来ました」

「!!」

「静かに!兵士たちが起きてしまいます」

「ぐ、グリフォンが・・・!」

「私の連れです、大人しいので大丈夫」


村人たちは顔を見合わせ半信半疑

そりゃそうか、俺が何者かも解らなければ兵士達を排除したのも信じられないだろう


「怪我人は居ませんか?」

「お、奥に・・・」


あらら、3人ほど呻いてる

結構酷い怪我だ

骨までいってるの?じゃあ再生の杖を使おう

傷口が塞がり、顔が楽になって行く


「おお、骨まで・・・」

「村人はこれで全部ですか?」

「は、はい」

「亡くなった人は?」

「・・・抵抗した者が12人ほど」


・・・そうか

正直戦争だから死と遭遇するのも覚悟していた

戦争だから、人が死ぬのは当然・・・


「縄はありますか?外で兵士たちが気絶しているので手伝って」

「は、はい」


村人たちと外に出る

兵士たちはまだ気絶したままだ

・・・一応、死なない程度にイナズマの魔法使っておくかな

途中で起きたら厄介だし

村を回ってイナズマ連打

村人達がそれを縛って行く


「こ、こいつらをどうしましょう?」

「捕虜にしようと思ってるんですけど、この辺に自国の兵は居ないんですか?」

「・・・自国兵は殆んどがゲルマニー方面へ、手薄な所をソビキトが攻めて来て」


・・・この辺に残っていた少しの自国兵も殺されてしまったらしい

・・・・・・

しかし、逆らわなければ民間人には手を出さないみたい


状況をもう少し聞こう

ここは、ユタの村

ソビキトの国境から一番近い村らしい

3日前に突然攻め込んできてあっという間に占領された

残っていた兵は駐留部隊

本隊は西へ向かったらしい


「本隊はどれくらいいたんですか?」

「1万くらいじゃないかと」


1万もか

それくらいは普通か


「この辺に他に街や村は?」

「西に20kmくらい行くと街があります、本隊はそこに向かったはずです」


ソビキトがポスカを攻めるには一本道らしい

大きな谷があるので必ずユタを経由しなければならない

・・・おや、村の東から何かが来る


「そ、ソビキトの補給部隊だと思います、毎日3回必ず来るので」


そうか、補給しなければ戦えないもんな

皆は隠れて、俺が相手をするよ

ムスタングも一緒に隠れて

良いって言うまで出て来ちゃ駄目だぞ


「誰だお前は!」


補給部隊が村に入って来て周りを囲まれる

1万以上の兵の補給だ

結構な数の馬車だな

兵士が馬車から降りてくる

さて、指輪を装着


「うごく・・・な・・・」バタン


バタバタと兵士達が倒れて行く

全員倒れた?

隠れてないか?

あれ、立ってるのが居る

回りの仲間が倒れて動揺してる

女兵士だ

馬車から降りて俺を取り囲んでた中に5人の女兵士が居た


「おっと動くなよ、俺は魔法を使えるからな」

「ひっ!」「や、やだ」


手をあげ怯える女兵士達

魔法で仲間達を気絶させたと思われたかも知れない

そうか、考えてみたらそうだよな

サキュバスの魅惑の幻術は女には効果が無い

逆にインキュバスの幻術は男には効果が無い

サテンの指輪は女には効果が無いんだな・・・


指輪を外してムスタングと村の衆を呼ぶ


「こいつらも縛り上げてよ」


武器を取り上げ、男も女も縛り上げて行く


「・・・補給が途絶えた事になるな、これでソビキト兵は自滅するだろうか?」

「いえ、ポスカの街々から補給すると思います、民間人も危険に晒されるかも」

「ええ?じゃあ状況悪くなったの?」


困った

どうするのが正解なんだろ


「わ、私達はどうすれば?」

「えーっと、私は西へ行くのでここでこいつらを捕虜として・・・」

「む、無理ですよ、こんなにたくさん・・・一度に暴れだしたら抑えられません」


村人の数は100人くらいかな

女子供年寄りも居る

対する兵士達も駐留、補給合せて100人くらい

丸腰で手足を縛られているとは言え、訓練された兵達だ


「この場からも逃げたいんですが、いつ増援がやってくるか・・・」

「うーん」


そりゃそうだよな

まず補給部隊が帰らなければ様子を見に来るだろう

しかしこいつらをこのままにして置く訳にも

村人の次々が口を開く


「捕虜にすると言っても、一人一人に飯をやったりトイレに連れて行くのは大変ですよ?」

「・・・殺しては駄目なんですか?我々が逃げるにしてもこいつらが生きていたら追われる」

「こっちも兵士や村人を殺されてるし、構わないのでは?」

「戦争です、やらなきゃこっちがやられてしまう」


女兵士達が怯える

・・・一人がおしっこを漏らした


・・・俺だって、甘い気持ちで来た訳では無い

ましてやポスカに味方する為に来たんだ、ソビキト兵を生かしておいてはまた何時攻めてくるか解らない

捕虜にするにしたって食わせて行くのは大変だ

・・・仕方が無いのかな


「た、助けてください」


女兵士の一人が縛られたまま跪き、懇願する


「し、死にたくない!助けて!」

「お願い!わ、私には脚の悪い母親が!私が死んだら、母は・・・母は・・・」

「お前達はポスカの人々を苦しめに来たんだろう!被害者のような顔をするな!」

「すでに家族を失って悲しんでいる者も居るんだぞ!ムシの良い事を言うな!」

「わ、私は殺してない!ただの補給部隊よ!」

「一緒の事だろうが!人殺しに物資を運んでいるんだ!」


皆が口々に自分の都合を言い合う

俺は、何しに来たのかな

こんな事で動けなくなるのに、なんで来たんだろ?

まだ端の方だ、こんな早い段階で躊躇して何やってんだろ?

何の役にも立たないのに、なぜ干渉しようと思ったんだろうか


自分なら何とか出来ると思ってしまった

ダイヤのスイッチというおごりだ

人を殺した事も無い癖に、何とかなると思ってしまった

これは戦争なのに


「・・・ソビキトは、何故ポスカを攻めたんだ?」

「く、詳しくは・・・ただ、ゲルマニーと何か盟約があったみたい」

「準備してた、物資を集め決行の日を待て、と」

「ゲルマニーが攻め込んだ2日後に私達は・・・」

「げ、ゲルマニーはもう首都手前の街まで到達したらしい、私達の本隊もそれを目指して進軍中で・・・」


もう首都手前まで到達したのか

首都が陥落したらおしまいだ

こんなとこでグズグズしてる場合では無い


「盟約があるって事は対立してる訳じゃないんだな、ゲルマニーとソビキト両国でポスカを占領しようとしてるって事だよな?」

「そ、そうだと思います」

「ぽ、ポスカを二分割して、東をソビキトが、西をゲルマニーが占領するんだと・・・」

「しかし、ポスカには同盟国が居るんだろ?同盟国がそれを黙って見ているかな」

「わ、私達は末端の兵士なのでそこまでは・・・」

「・・・介入してくるのかも知れないけど、いずれも西側諸国です、矢面に立たされるのはゲルマニーが先かと」

「・・・さては、ポスカの次はゲルマニーを侵略する気なんだな」

「そ、そこまでは」「わ、私達には解りません!」


取りあえずポスカを2分割しておいて、西側の国がゲルマニーを攻撃したら東から攻める気なんだろう

ポスカの次はゲルマニーを挟み撃ちだ

だとしたらカミラちゃんも危険に晒される・・・


駄目だ

こんな中途半端な事してたら駄目だ

戦争を止める為には・・・

戦争を止める為には力を見せつけなければならない

圧倒的な力でねじ伏せなければならない


「俺はこれから首都へ向かう、まずはソビキト兵を攻撃する、逃げて来るのが居るかもしれないから貴方達もそれまでには身を隠しておいて」

「ど、どうやって?」「1万もの兵士達に戦いを挑むのか?」


メテオを使おう

ソビキト兵に向かってメテオを落とそう

被害は大きいかも知れない

しかしそうでもしないと終わらないだろう


「アンタは誰なんだ?なぜポスカの為にそこまで」


優しい王族を助けたいという小さな理由だった

たかだか小一時間語らっただけの希薄な関係

助けられる側も「なんで?」だろう

そこまでの間柄じゃない


でもそれは人を殺す覚悟が無かったからだ

簡単に止められると思ってしまったからだ

理由など知りもせずにノコノコここまで来てしまった


早まってしまったのだろう

目立つのをやめる為に色々な物を放りだしたのに

でも今更何もせず帰るのか?

ポスカの王族が危機に瀕していて、カミラちゃんまで危険に晒されると解ってしまったのに


・・・そんな事は出来ないよな

全てを救う事は出来ないと解っていたはずなのに

でも知ってる人を見殺しには出来ないんだ

優しい人達がひどい目に会うのを我慢出来ない

・・・そして俺には力がある

それを止める力が

この戦争でそれを示さねばならない

誰もが恐れる力を見せつけなければならない


「・・・私はタカネ、魔王となる者です」

「へ?」「・・・」「何の冗談だ?」

「冗談じゃありません、私はこの世界を統治したい」

「さっき人を殺した事が無いって」

「ないですね、これからも極力殺したくはないです」

「魔王なのに?」「そんな魔王聞いた事無い」

「人は労働力です、むやみに殺しちゃ駄目です」

「む、むう」「そりゃそうだけど」

「私はこのポスカを起点に魔王として活動しようかと思っています、だから他国に攻められたくない」

「ぽ、ポスカはどうなるんだ?」

「・・・侵略される事は無くなりますね、他国が手を出すようなら容赦しない」

「ポスカが他国を侵略するのか?」

「いえ、平和に暮らしてください、今まで通りで結構です」

「しかし、さっき世界を統治するって」

「争いの無い世界を作り上げるだけです、それが魔王タカネの言う統治でしょうか」

「・・・」「・・・」「・・・」「・・・」


みんな黙っちゃった

ああ、俺は何を言い出したんだろ


「魔王である私が抑止力になります、他国で戦争が起こった時は介入するかもしれません」

「む、むう、しかし一人でそんな事」

「取りあえず今から戦争を止めて来ます、それで証明しますよ」

「む、無茶苦茶だ、綺麗なんだから危ない事はやめておきなさい」

「どうなんですか?このままゲルマニーとソビキトに侵略された方が良いんですか?」

「そ・・・それは嫌ですが」

「しかしアンタが止めれると言うのも信じられないし、もし出来てもポスカの未来が不安だ」

「消去法で良いと思いますよ?現時点での一番の危機は何なのか考えてみてください」

「それは・・・ゲルマニーとソビキトが首都に迫っている事だ」

「まずはそれを止めないと、他の事は後回しで良いと思います」

「うーむ」「・・・どのみち考えたところで我々には何も出来んが」

「でも魔王様がポスカに危害を加えない保証も・・・」

「私は結構便利ですよ?ホメロスでは河川工事に尽力し、ピエトロでは橋を架け、雪崩避けの壁を作りました」

「それって魔王って言わないような・・・」


う、うるさいな

まだなんも考えてないんだよ!

成り行きで言っちゃったんだからしょうがないじゃないか


「悪い事するから魔王なんじゃないですか?」

「ええ?たとえばどんな?」

「それを私達に聞かれても」

「悪い事したら罪悪感にさいなまれるじゃないですか」

「・・・・・・」


黙っちゃった

もう!良いじゃないかよ!

とにかく影響力のある肩書きが必要なんだよ!

戦争に介入する以上、良い人達だから助けたいとかそんな生温い理由じゃ駄目だと気づいたんだ


「ここで押し問答してるヒマはありません、私はすぐに飛びます」

「わ、我々はどうしたら?」「兵士たちをどう扱えば・・・」

「・・・戦争です、村人達が兵士たちをどう扱おうがそれは戦争の結果でしょう」


女兵士達が悲痛な顔をあげる


「そ、そんな」「助けて下さい!」

「お前達も攻め込んだ以上反抗される覚悟が必要だ、その覚悟も無いままに兵士をやっているのか?」

「ぽ、ポスカ攻略は簡単な作戦だと」「まさかこんな事になるなんて」


絶望の色

俺の介入が計算を狂わせたな


「ポスカが今回難を逃れたとしても、また何時攻めてくるか解らない相手に容赦するのはおかしいと思う、ここで少しでも数を減らしておくのがポスカの為と考えるのが普通だ」

「そんなあ」「ゆ、許して」「うっ、ううっ、うううっ」


泣きだした

それだけで心が揺れる俺

魔王の非情さを持ち合わせていない


そうこうしてるうちに気絶してた兵達が起き始めた

何が起こったか解ってないみたいだが、自分達が縛られている状況に驚愕する


「こ、これは・・・お、おい!縄をほどけ!」

「こんな事してどうなるか解ってるのか!!」


一部が平静を失い、喚き散らす

それを見た村人に緊張が走る

マズいと思った女兵士達が仲間をいさめる


「やめて!私達が要求を突きつけられる立場じゃないのよ!」

「気絶してたくせに状況を悪くしないで!」

「こ、こいつらは殺しても良いから私達・・・いえ、私だけでも」

「え?・・・な、何を言い出すの???」


お、おい

女兵士の一人に狂気を感じた

おしっこ漏らした子だ

長く続く緊張状態におかしくなってきたのだろうか


「なんでもするから私だけでも助けて!なんなら私がこいつらを殺すわ!」

「な、何を言ってるの?」

「ちょ、ちょっと、本気?」

「い、いや!こっち来ないで!」


やばい、ちょっとしたパニック状態になってしまった

仕方が無いので兵士たち全員に死なない程度にイナズマの魔法を使う

女兵士にも使ってしまおう

再度気絶していく兵士達

辺りは静かになったが、重いムードが村人達を襲う


「自分が助かる為なら仲間をも犠牲にするのか」

「我々だってそうならないとは・・・」


戦争が生み出す狂気

伝染する恐怖で混乱がひどくなる

目の当たりにした俺も少し恐怖を感じてしまった


「や、やはり、殺した方が」

「私が?嫌ですよ」

「あんた魔王でしょ」

「魔王に指図しないでよ」

「・・・に、逃げよう、取りあえず気絶しているうちに山に入ってしまおう」


村人の一人がそう言いだした


「物資があるから山の中でしばらくは生き延びられるだろう」

「補給部隊の物資か?」

「手を出せば報復を産むことになる、ここは逃げるのが正解だと思う」


・・・その通りかもな

気絶してる兵士達も気が付いて見て何もされずに取り残されていることに気付いたらポカーンだろう

狐につままれた気分かもしれない


「だ、だが俺は家族を」

「今は耐えろ、自分が生き残る事が先決だ」


そうだな、辛いとは思うが憎しみは連鎖する

我慢しろと言うのも可愛そうだが

どこかで止めないと終わらない


安心しろ、俺が止めに行くよ

これ以上憎しみを産まない為に

やり方は間違ってるかもしれないけど

俺がすべてを背負いこむ事になろうとも


それが魔王なのかもしれない

すべてを有耶無耶にする存在

敵意を一身に集める存在

ユンフィスがスイッチに求めた役割はそれなのかもしれない


「じゃあ私は行きますね、ソビキト兵を止める為に」

「あ、ああ、気を付けてな」

「どうする気かしらんが、無理はしちゃ駄目だぞ」

「・・・何も出来なくてスマン」


村人達も複雑な顔だ

本当ならポスカの為に動くのはポスカの人間だ

自分の力の無さに拳を震わせる


良いんだよ

俺はもう気持ちは固まった

力があるのに何もせずに後悔するのは嫌なんだ

後味の悪い思いはしたくないんだ


ムスタングに乗り飛び上がる

村人達も逃げる準備を始める

そっちも気を付けてな

混乱が収まるまで、生き延びてくれとしか言えない


「よし、ムスタング行ってくれ、目指すは西だ」

「キュピィィィ――ン」


もう昼を過ぎてだいぶ経つ

今日中にソビキト兵を捕まえられるだろうか?

俺達は西へ西へと向かった

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