101 地方巡業1
朝、ベットの上
サテンの胸が目の前にある
抱き寄せ顔を埋める
うーむ名実ともに大陸一の美人となったサテンのおっぱい
たまらないなあ
zzzzz
「タカネ、朝ですよ」
「ん?」
「おはようございます、タカネ」
「サテン、大陸一の美人のサテン」
「な、なんですか急に、恥ずかしいです」
「更に最上級のハンターで魔法使いでもあるサテン」
「は、はい」
「高スペックだな、頼りないサテンはもう居ないんだな」
「うふふ、タカネが居なければ駄目なところは変わってませんからね」
そう言って俺を強く抱きしめるサテン
胸で窒息しそうになる
「お二人とも、そろそろ朝御飯を食べないと、集合時間が迫ってますよ」
今日から4日間、美人大陸20傑は大陸の各国各都市を回り広報活動をする
仕方ない、起きて準備するか
サテンはドレスにティアラなの?
大変だな
ホテルのエントランスでいきなりサテンが求婚される
待ってたのかよ、結構数が多いな
相手は王族やら貴族やら
どうだサテン、王族に求婚される苦労は
結構すんなり身を引いてくれるな
他国だからか?
これが自国だともっと我儘になるんでしょ?
広場にはペガサスの馬車が20台
20傑が広報活動に向かう準備が進められている
他にも空にはチラホラと馬車が飛んでるな
20傑に入れなかった各国の代表が自国に帰り始めているのだろう
サテンの登場で広場に少し緊張が走る
あ、20傑は俺達が最後か
偉そうな登場になっちゃったなー
「グリフォン?グリフォンだわ!」
ん?君は確かカミラちゃん
20傑に入ったんだね
見送りに来たムスタングを見て目が輝いてる
「お姉さんのグリフォンなの?わ、わあ、お姉さんもすごく綺麗・・・」
「ああ、ムスタングって言うんだよ、大人しいから大丈夫だよ」
「さ、触っても大丈夫なの?」
「ああ、優しく撫でてあげてね」
「ケーン」
ムスタングを撫でるカミラちゃん
お互い成熟してない同士、絵になるな
「・・・とてもカッコいいわ、コンテストはムスタングに乗って登場したかったな」
「それじゃあなんのコンテストだか解んないよ」
「だってぇ、カミラじゃ色気では絶対勝てないんだよ!」
「何位だったの?何年か後に1位目指せばいいじゃん」
「5位、13歳で5位ってすごいのかしら?」
「すごいよ、まだまだ成長するだろうし将来有望じゃないか」
「でも私の国では若さが尊ばれるから・・・16、17になればもうおばさん扱いなのに」
ロリコンの国なのか
日本みたいなゲフンゲフン
「お姉さんはサテンさんの妹さんなの?」
「ん?まあ一緒に住んでるよ」
「・・・失礼だけど、豊胸剤は使ってるの?」
「いや、俺もサテンも使ってないよ」
「やっぱり・・・あの揺れ方は本物の揺れ方よね」
豊胸剤の胸は揺れ方が違うらしい
注意してみないと良く解らないらしいのだが
「あと、水晶で作った魔道具を使えば本物か豊胸剤の胸か解るよ」
「へえ、そうなんだ」
「あ!そろそろ出発みたい!触らせてくれてありがとう!」
カミラちゃんは自分の馬車に戻って行った
可愛らしい子だな
「タカネ、浮気は許しませんよ」
「サテン、大陸1位が怖い顔すんな、自分が思ってる以上に注目を浴びてると思った方が良い」
「そうなのですか?」
「・・・粗さがししてるやつもいるかもな、人前では常に配慮しなきゃ駄目だ」
「察知能力がちょっとだけ働いてるんですよね、妬みはあるのだと思います」
後ろを振り向いて見る
何人かが目を反らす
こっちを見ていたのだろうな
女の嫉妬は恐ろしい
自分が劣っていると簡単には認められない
回りから見れば明らかでもだ
「では、20傑の皆さん、広報活動の方よろしくお願いします、説明は帯同する大会運営委員に馬車の中でお聞きください」
出発か、俺達も馬車に乗り込む
見送りに来てくれたクーリエとムスタングに手を振る
ジルは正体がばれては困るのでこの場には来てない
クリスティはその付き添い
ペガサスの馬車が浮かび始める
四方八方に飛んで行った
「さて、私は大会運営委員長のミラベルです、よろしくお願いします」
女の人だ
今回闘技大会とは別に新しく発足されたらしい
その委員長であると言うミラベルさん
なかなか綺麗だが30歳くらいかな
あとメイドちゃんが1人付いて来てる
「サテンさんは優勝者なので人口の特に多い大都市を中心に回って貰います」
「北西に向かってますね」
「ニルギス方面です、本日は通り道の国々の首都を、明日からはその近隣の国々を回っていただくことになります、発達した国が多いですよ」
ニルギスか
たしか魔法水晶を開発してる国だな
ソビキトとニルギスの2国、そこへ最近ピエトロが成功させた
「本日は3か所回って終わりです、明日明後日は忙しくなると思いますが」
「サテン、忙しいらしいぞ、移動は寝ても良いからな」
「解りました、寝るときは肩を貸してくださいね」
解った解った
いくらでも寝るが良い
脚を曲げれば膝枕で・・・ドレスだと無理か
「サテンさんは各都市で5分ほどのスピーチをお願いします、一応何通りか見本を用意しましたが適当に見繕ってください」
「はい」
「スピーチかあ、大変だなー」
2時間後
どこかの国の首都
王宮に人が集まってる
告知が済んでいるのだろうか
あそこに降り立つのか?
すげえな、何万人も居るんじゃないか?
ペガサスの馬車が降り立つ
国民が期待の目で見ている
どうする?
俺が先に降りよう
歓声が沸くが1位は俺では無い
エスコートしながら、サテンが馬車から降りて来る
わあああああああああああああああ
大歓声に迎えられるサテン
どうだ?綺麗だろ?
水着だともっとすごいんやで
壇上に上がりサテンがスピーチをする
女の子が目をキラキラさせて見てるな
男はその美しさに見惚れている
ん?この国の王だろうか
壇上に上がりサテンに何かをくれた
!・・・王が跪いたぞ
サテンの手の甲にキスをする
いいのかこれ?
「スタンドプレーです、王が跪くなんて」
「ミラベルさん、でも国民にはウケてるみたい」
「親しみやすい王なのでしょうね」
式典のような物が終わり、サテンが戻って来る
階段は俺がエスコート
俺も注目浴びてるな
主役はサテンやぞ
「綺麗だな・・・まるで女神だ」
「2人共素敵・・・」
「はあ、どうやったらあんなに美しくなれるの?」
オーディエンスの声がチラホラ耳に入る
一回死んで、運が良ければこんな容姿で生まれ変われるかもよ
盛大な拍手を受けながら馬車に戻る
おっと男の子が飛び出して来た
慌てて騎士が抑えようとする
だが捕まらない、スルスルと抜けてサテンの元へ
「お姉ちゃん!お花を受け取って!」
男の子が一輪の花を持っていた
それを屈んで受け取るサテン
「あと、えーっと・・・耳を貸して?」
サテンが髪をかき上げ、横を向いて耳を子供に近づける
ほっぺにキスをされるサテン
うーむ、やりおる
子供が舌を出して逃げ出す
騎士を掻い潜り、観衆が盛り上がる
人混みに入った子供は仲間に祝福されていた
悪ガキの集まりみたいだ、しばらくはあの子がヒーローだろう
「いきましょう、タカネ」
「ああ」
俺達は馬車に乗り込み、次の国へ飛び立った
「サテン、王様に何貰ってたの?」
「それよりタカネ、キスされましたがこれは浮気ではないですからね?」
「何を気にしてんの、相手は子供でしょ」
5歳くらいの子供にサテンを取られたらそりゃショックだけどさ
「貰ったのはこれです、なんでしょう?」
「お金?ミラベルさん解る?」
「親愛のメダリオンですよ、今の国では親愛の証として贈られる物です」
「へえ、じゃあ売れないね」
「タカネったら」
プラチナで出来た結構大きめのメダル
懐中時計くらい大きい
「お花はどうしましょう?」
「綺麗だけど扱いに困るな」
「私がお預かりしておきます」
帯同してくれた世話係のメイドちゃんが預かってくれる
なんかごめんね、花って正直厄介だよね
馬車の中じゃ飾れないし・・・
「でもセレメントの花ですよ、花言葉は生涯変わらぬ愛です」
「タカネ、受け取ってしまいましたが浮気ではないですからね」
「今度俺がサテンに送るよ」
「タカネええ!!」
サテンに抱きしめられる
馬車の中で暴れちゃ駄目だよ
はいはい次の国に行こうぜ
2時間後
「今度はこの中を歩くの?」
大通りにレッドカーペットが敷かれている
ここから王宮まで歩いてけって事らしい
カーペットの両側にはこの国の群衆
「国民に近くから見せたいそうなのでこの形にしたそうです」
「たしかにこっちが移動する形ならそうなるか」
「タカネ、エスコートをお願いします」
歓声の中を歩いて行く
少し恥ずかしいな、観衆が近すぎる
衛兵が間に入ってくれてるが抑えるの大変そう
おっと危ない
手を伸ばした女の子にサテンの髪を掴まれそうだった
やはりちょっと近すぎないだろうか?
「キャ――!!サテン様!!」
前の方で乗り出した観客が倒れ込んで来た
芋づる式に後ろの観客が倒れ込んで来る
衛兵の壁が崩壊する
おいおい大丈夫か
決壊した場所から群衆が雪崩れ込んでくる
下敷きになった人は大丈夫なのか?
それより今はサテンの心配か
サテンをお姫様抱っこしてジャンプ
道沿いにあったどこかの家の3階のベランダに避難した
「きゃ!」
ベランダから見ていた女の子がびっくりする
「ごめんね、ちょっと非難させて」
「い、いえ、大変な事になりましたね」
歩いたのが間違いだ
馬車の上にでも乗って、手が届かない位置にしてもらわないと
下では衛兵が群衆を押さえつける
一度騒ぎ出すとなかなか収まらないな
「お、お茶でも飲みますか?」
「おトイレ貸して貰って良いですか?」
「さ、サテン様がウチでトイレを・・・」
サテンは呑気だな
でも馬車に乗りっぱなしでなかなか行くタイミングが無いんだよね
俺も今のうちにしておくかな
トイレから戻って来ると騒ぎは少し治まっていた
ん?あの女の子怪我したのかな?
あらら、下敷きになっちゃった子だ
「仕方ないな」
ベランダから大通りに降り立つ
怪我人の元へ行きヒーリング
骨に異常は無いか?今回は再生の杖持って来てない
使う事になるとは思わないもんな
傷口が塞がっていく
軽い擦り傷だけど左足一面だな
倒れた後引きずられちゃったのか?
傷が癒え顔が楽になる女の子
「あ、ありがとうございます」
「危ないから乗りだしちゃ駄目だよ」
「す、すみません」
「皆さんも押し寄せないで!いざとなったら魔法でガードしますからねー!」
シーン
言い過ぎだったろうか
サテンの元に戻るか
「あ、あの、ありがとうございました!」
「ん?ああ、いいよ」
「あの・・・耳を貸してください」
www
流行ってんのかな
髪をかき上げ耳を近づける
ほっぺにキスされた
群衆が湧く
苦笑いで手を振りサテンの元へ戻った
「タカネ!!浮気は許しませんよ!!」
「なんでだよ、それより戻るぞ、笑顔を作れ」
「ぶすー」
「匿って貰ってありがとうね」
「い、いえ、お気を付けて」
サテンを抱きかかえ沿道に降り立つ
華麗な身のこなしに拍手が起こる
なんか趣旨変わってるような
まあいいや、行進を続けよう
「また何か貰ってたな」
「はい、これはなんでしょう?」
あの後王宮まで歩いて王様になんか貰ってた
今はペガサスの馬車の中
次の国に向かってる途中
「金で作ったユンフィス神の像ですね」
「売っちゃおう、そんなもん」
「タカネったら」
「罰が当たりますよ」
すでに女の体にされるという責め苦を受けてるわ
ありがたみを全然感じない像だ
2時間後
随分歴史がありそうな国だな
王宮で式典が催される
威厳のすげえ王様が偉そうにサテンに何かを与える
なんだあの丸いの
「さて、次の国に移動して宿泊です、明日はその国で式典に出た後近隣の国を6か所回ります」
「全部で7か所って事?大変だなぁ」
もう夕方
今は最後の国を出て馬車の中
「サテン、何貰ったの?」
「解りませんが綺麗ですね」
「翡翠の玉だと思います、あの国の特産品ですので」
「売ったらいくらなの?」
「タカネはお金の事ばっかり」
だって無用の長物じゃん
しかしこの諸国巡業は結構儲かるな
次から次へと貢物が手に入る
20傑ってすげえ
「サテンさんは1位ですから、各国もそれなりの配慮をしてくれているんだと思います」
「すげえなあ、大陸で1位になるって事の凄さをまざまざと見せつけられたぜ」
「・・・タカネだって」
サテンが何かを言おうとして辞めた
解ってるって、俺は自分で投げ出したんだ
でも羨ましいって気持ちはあるんだぜ?
「サテンさんが大陸一位になったんですから来年はシードですよ、次はタカネさんがピエトロ代表として出ては?ピエトロで1位2位独占も夢では無いと思いますが」
事情を知らないミラベルさんがそう言う
「ミラベル様、タカネ様は剣技20位を返還されたのです、何か事情がおありなのでしょう」
「そうなんですか?名誉な事なのに・・・」
メイドちゃんは知ってたか
外側からは解らない苦労ってものがあるんだよ
サテンも今頃感じているだろうか
「はい、王族からの求婚は困ったものですね、心に決めた人が居ると言って断ってますが」
「ごめんな、俺が出ろって言ったもんだから」
「タカネの言いつけだから出たんですよ?」
「解ってるって、だからご褒美もちゃんとしたじゃん」
「・・・・・・」
サテンが赤くなった
昨日の濃厚なキスを思い出す
ご褒美だったがまたしてもいい
「翡翠の玉は布に包んでしまっておきなよ」
馬車のシートの下に荷物が入る
巡業中にいっぱいになりそうだな
2時間後
次の国に着く
え?王宮に泊めてもらえるの?
嫌だな、求婚される予感
案の定着いた途端第三王子とか言うのにサテンが求婚されてた
断ってるのにしつこい
泊めてもらうから無下に断らないのだというのに、脈ありと勘違いされてしまう
王族って空気読めないんだな
サテンが俺に寄り添って来る
軽くキスをして王子に空気を読ませる
王子は驚愕し、残念そうだったがなんとか諦めてくれた
ふう、めんどくさいもんだな
「申し訳ありません、来年からは宿を取る事にしましょう」
ミラベルさん間に入ってくれれば良かったのに
「でも・・・演技だったんですか?」
「タカネは私の最愛の人ですよ?」
「そ・・・そうでしたか、お二人とも綺麗なのに・・・たくさんの男達が涙を飲むことになりますね」
飲ませておけばいいじゃん
サテンはそのうち気が変わるかもしれないが、俺は男と結婚する事なんて絶対ない
「王宮に泊まれると喜んでいたのにこんな事になるとは」
「サテンの美貌は眼の毒なんでしょ」
「タカネひどいです」
「王宮ならタダなので運営費を預かる立場としては都合が良かったんですが」
「赤字だったの?今回の大会」
「いえ・・・ですがやはり来年は2日では無く3、4日ほどの大会にしたいです」
赤字では無かった物のたいして儲かりもしなかったらしい
原因はサテンとユングリットに掛け金が集中しすぎたせいだそうな
もっと倍率下げないといけなかったんだな
「まあ、そうだったんですか」
「すごい盛況に見えたけど」
「入場料も高くして来年は1位の賞金も1億くらいにしたいんですよね」
「よしサテン、来年も頑張るように」
「は、はあ」
まあいいや、適当に夕食貰って風呂入って寝よう
王子の求婚断った手前居心地が悪い
来年からは絶対王宮泊まりはやめにしてね