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EXPlunder 〜エクスプランダー〜  作者: ローネリア・シャングリーゼ
7/20

レン危し、危機一髪の戦い!(※別な意味で)

二階層でもレンは絶好調のようです。

良かった良かった。

さぁ、レン、今日も頑張るのですよ!


追伸、一部下品な表現があります。

好まれない方は飛ばして下さい。

二階層でも俺の絶好調は続き、バット×4、ゴブリン×2、トード×1、バブル×3、ビー×1、ウルフ×2、スピリット×1と成果は上々だった。

運が良い事に、今日は一匹ずつしか出てないからな。

一対一なら何とか対処できてる。

力が湧き上がってくる感覚に、自然と歩みも少し早まる。


「この調子なら三階層を目指す」


「え、まだ二階層で慣らした方がいいと思うが」


「大丈夫、問題ない」


いや、俺の方が主に問題大アリなんだけどね。

まぁ、俺の言う事を聞いてくれるようなタマじゃないのは、もう理解している。

調子は上々なので、仕方なくついて行く事にした。


「ちなみに三階層は、どんなモンスターが出るんだ?」


何事にも予習は大事だ。


「ボア、ラット、ラプトル、ランドヒヒが出る」


「ボアはイノシシの凶暴なやつで、ラットはネズミか。

ラプトルってのは大きいトカゲか?」


「そう、素早くて頭が良い。

大体群れで行動する」


「厄介そうだな。

それとランドヒヒってのは猿なのか?」


「丘のように巨大な猿。

腕が大きくて長い」


「うわっ、やっぱ引き返そう。

今からでも遅くない。

そんな危険な奴とは戦いたくない」


調子は良いが、命には替えられない。


「無理、もうエンカウントした」


「何でもっと早く言わねぇんだよ!」


「レンが説明を求めたから」


「何だ、俺のせいかよ!」


どうやら俺は運が悪いらしい。

一話目でため息吐いたせいかな?


俺は観念して前を見据える。


「さっき話してたランドヒヒだ。

腕に気をつける!」


「どうもご丁寧に後ろからありがとよ」


どうせならナコルが前に出て戦ってくれよ。

俺はそう思いながらも棍棒を構えた。

向かい合うは丘のようにデカい猿。

体調5メートルはあるんじゃないか?

まるで猿化したサイヤ人と戦うようなもんだ。

俺はベジータでもカカロットでもないんだぞ!

スーパーにもなれない普通のパンピーなんだぞ!

クリリンにだって勝てないんだ。


そんなくだらない事を考えてる間にランドヒヒが間合いを詰めてくる。


えぇい、チクショー、来るなら来い!

格好良くやられてやる!!


俺は覚悟を決めて立ち向かった。


瞬殺だった。

格好良くも何もなく、かわす間も無くランドヒヒの両手に捕まり、締め上げられる。


「ぐっ、バカ力め!

話しやがれ、クソ猿!!」


俺の罵詈雑言は虚しく響き、両腕に籠る力が増す。


おい、マジか、それ以上力を入れたら、駄目だ。

主にお腹が。

それ以上はマズい。

そんなに刺激するな!


「おい、ランドヒヒ、ちょっと待て。

ウ、ウンコが出そうなんだ、ちょいタンマ!」


「…………」


後方でナコルがしれっと鼻を摘んでやがる。

待て、助けろよ!

今は緊急事態なんだぞ。


「おい、ナコル、助けてくれ!

ヤバい、ウンピーが俺の◯穴をノックしてるんだ!

時間が無い、早く!!」


「近付きたくない」


「そんな事言ってる場合か!

こっちはウンピーが漏れそうなんだ、冗談言ってる余裕なんて無い!

こら、お前も力を強めるな!!」


そんな意を知ってか知らずか、ランドヒヒは更に俺を締め上げる。


「まだだ、まだ耐えれる。

俺の肛門括約筋よ、今こそ目覚めの時だ!

ふぉぉぉぉ〜!!」


俺は必死に肛門を締め上げる。

この一線を越えるわけにはいかない。

人の尊厳を喪いかねない。


俺の必死の抵抗が通じたのか、ナコルはため息を吐きながらも重い腰を上げた。

ランドヒヒは俺を両腕で掴んでいるため、ガラ空きの脇腹目掛けて一撃。


ドスンっという重い音がしたと思ったら、ランドヒヒの両腕の力が緩む。

俺はすぐさまランドヒヒの腕から抜け出し、岩陰へと走りズボンを下ろす。


「あ、危なかったぁ、後数秒遅れていたら尻がウンコまみれになってたぞ」


ふぅ〜、何という開放感。

病みつきになりそうだ。

何とか事なきを得た俺は、清々しい気分でナコルのもとに戻る。


「さっきはすまなかったな。

ホントに危機一髪だったよ」


俺は今最高のスマイルを浮かべている事だろう。

惚れたか、ナコル?


「ウンピー、ウンピー言ってた奴が、最高の笑顔で言うな、変質者」


どうやら真逆だったらしい。

激しい嫌悪を滲ませた顔をしてる。


「だって仕方ないだろ!

あいつ力入れ過ぎなんだよ。

朝飯食った後だからしたくもなる。

俺だって人間なんだ。

ナコルだってウン、ふべしっ!!」


ナコルの威力の籠った右ストレートが俺の頬を捉え吹っ飛ぶ。

俺の必死の弁解も聞き入れてもらえず、ナコルは無言で歩みを進める。


「デリカシーのない奴め」


ボソッとナコルが何か言ったようだが、俺には聞こえなかった。

ナコルにはどうやらウンコの話を振ってはいけないという事を理解した。

これで俺も少し成長したな。


何という事でしょう。

まさかの漏らす直前の戦い。

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