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EXPlunder 〜エクスプランダー〜  作者: ローネリア・シャングリーゼ
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出会い

調子の上がってきたレン。

追いつかれまいとするナコル。

そこに新たな人物が。

「五階層には、オーガー、サモナー、ウルヴァリン、メッサーラが出てくる」


「ん、何か急激に難易度上がってね?」


「オーガーは斧による力自慢の攻撃に注意。

サモナーは召喚される前に瞬殺。杖を奪ってもいい。

ウルヴァリンは爪と顎に注意。強靭な肉体でダメージが入りにくい。

メッサーラは魔法を使う前に瞬殺、OK?」


「ありがた〜い解説ありがとう」


解説っていうか、最早ただの特徴の羅列だよな、これ。

しかしこの階層のモンスターはなかなかの強敵揃いっぽいな。

油断してたらやられる可能性もある。

気を引き締めるか。

俺は油断なくナコルの後を追いかける。


「出た、メッサーラだ」


「OK、俺が突進する!

喰らえ、先制のラッシュ!!」


俺は急加速しながらスキルラッシュを使った。

今まで以上の威力でメッサーラを直撃。

メッサーラはその勢いに押され、もんどり打って倒れた。

そのまま上から押さえ込み、


強制強奪(エクスプランダー)!」


新たな力がメッサーラから俺の中に入ってくる。

スキル、ファイアランスか。

魔法だろうな。


「トドメは私が!」


ナコルは素早くナイフを抜き、メッサーラに飛び乗る。

そのまま首元を一線。

なかなかの手際だ。

メッサーラが何かドロップした。


「これは魔術師の杖。

初級魔術師用の杖で、金額もまぁそこそこで売れる」


「まぁ、無いよりはマシ程度のシロモノか」


「先へ進む」


「ほいほい」


ちょっと歩いたらすぐにエンカウントした。

次に出てきたのは、


「オーガーが二匹!

私は左のをやる」


「んじゃあ俺は右側の奴な」


ナコルは一足飛びでオーガーに走り寄り、懐に潜り込む。

オーガーの斧を掻い潜り、股間を蹴り上げた。

あれは痛そうだ、俺だってあんな事されたら悶絶もんだぞ。

オーガーは堪らず蹲る。

ナコルは首筋を一線。

あっさりとオーガーを倒した。


流石だね、ナコルは。

俺も女の子に負けてられん。

オーガーの斧を左、右、左とかわし、ガラ空きの腹にラッシュ。

体勢が崩れたところで片足を持ち上げる。

そのまま上に飛び乗り、腕を取り肘関節を逆に捻り上げてやる。


「グッギャア!!」


左手で関節技を決めつつ右手で背中に触れ、


強制強奪(エクスプランダー)!」


右手を介してオーガーから新たな力が。

大切斬(だいせつざん)というスキルのようだ。

名前からして斧に関する技かな?

まぁ、スキルは後で試すとして、オーガの後頭部に問答無用でゴブリンパンチの嵐。

モンスターには容赦しないぜ。

おっ、コレはドロップか?

オーガが消えた後には斧が落ちていた。

ラッキー!

早速スキルが試せるぜ。

メタルスフィア様様ですなぁ〜。


「その斧はレンが使えばいい」


「おう、ありがたく使わせてもらうわ」


俺は今まで使ってきた相棒に別れを告げ、斧を握り締める。

これで少しは様になったかな?

服が村人Aなのはいただけないが、武器はしっかりとしている。

これは攻撃力の上昇が期待できそうだ。


「ドンドン行こう」


「おう、俺も調子上がってきたわ」


二人で更に先へ進む。

すると、先の方で戦闘の気配がした。


「誰か戦ってる」


「避けていくのか?」


「様子だけ見ていく。

もし不利そうなら手助けに入る」


「OK!」


そのまま近づいて行くと三人の冒険者がウルヴァリン二体と戦っていた。


「押されているみたい」


「じゃあ加勢しよう!」


男一人に女の子二人のパーティーみたいだ。

男の方は一対一で何とか戦線を維持してるものの、女の子二人はウルヴァリンに押し込まれている。

もちろん加勢するのは女の子二人の方だ。

男なんぞ自分で何とかしろ。


「任せろ!」


俺は斧を構えてウルヴァリンの前に飛び出る。


「えっ!?」


「お助けマンですか?」


「えぇ、私はナコル。

あの男はレン。

助太刀する」


「ありがと!

アタシはレイナ」


「助かります。

私はセリスと申します」


レイナちゃんにセリスちゃんかぁ、よし覚えた。

赤い短髪に活発そうな印象のレイナちゃん。

レイナちゃんは双剣使いだな。

青い長髪に清楚そうな印象のセリスちゃん。

セリスちゃんは杖を持ってるから神官ぽいね。


「レン、余所見してないでサッサと片付ける」


「へいへい」


ウルヴァリンの爪を斧で受けつつ、ラッシュで押し込んでいた俺は、ウルヴァリンの顎にゴブリンパンチを喰らわせてやった。

鮮やかに宙を舞ったウルヴァリンが地面に倒れたのを確認しつつ、こっそり強制強奪(エクスプランダー)を発動した。

ウルヴァリンから手に入れたのは、嗅覚アップ(小)だった。

あんまり役に立ちそうにないスキルだな。

また死にスキルか。

少しテンションが下がった。


でも待てよ、クンクンクン。

この香りは!?

女の子の匂いがとても香しい。

前言撤回、す、素晴らしいスキルだな、これは。

俺にとって神スキルだ。

女の子最高〜!


サクッとウルヴァリンにトドメをさして女の子の方に向かう。


「鼻の下を伸ばすな、変態!」


ナコルの不意打ちが炸裂した。

痛い。

俺は頬をさすりさすりしながら、男の方も確認した。

あっちもどうやら片付いたようだ。

男がこっちに来て、


「ありがとう、助かったよ。

正直、俺一人じゃあウルヴァリン二体はキツかったから。

俺はゼクト。

よろしくな」


「私はナコル。

こっちの無愛想なのはレン」


俺は男に興味はねぇんだ。

ゼクトとやらからは、やや汗の匂いがする。

迷わずレイナちゃんとセリスちゃんの方を向く。

俺の視線はレイナちゃんとセリスちゃんに釘付けである。

もちろん鼻もね。


レイナちゃんは甘酸っぱい香りが、セリスちゃんからはふんわりフローラルの香りがする。

嗅覚アップ、最高です!

神様、ありがとうございます。


俺達は、今後の方針を話すことになった。

とりあえず休憩も兼ねて、皆で広くなってるところに移動して座った。

俺はもちろんレイナちゃんとセリスちゃんの間に座った。

両手に華だな。

俺もう死んでもいいかも!

匂いだけで十分幸せです。


「レン、また鼻の下が伸びてる!」


ちょっとぐらい青春を謳歌したっていいじゃないか。


「ナコルには迷惑かかってないと思うが」


「顔がキモい!」


グサッ。

ストレートに来たよ。

俺はナコルの言葉にショックを受けて、地面に「の」の字を書く。


「アホは放っておいて、これからどうする?」


ナコルが問いかけるとゼクトは、


「俺達はそろそろ上がろうと思ってる。

この辺が限界って感じだからな」


「そうね、私も賛成」


「ウルヴァリンは今のレイナと私では正直辛いですね」


レイナちゃんとセリスちゃんも帰るのか。


「じゃあさ、ナコル、俺達も一旦帰ろうぜ。

もうそろそろ夕方じゃね?

腹も減ったし」


「わかった、その意見を尊重する」


「じゃあ一緒帰ろう。

俺達もレンやナコルさんが居てくれたら助かるよ」


「いいわね、それ!」


「はい、大勢の方が楽しいですし」


「そうだよね、セリスちゃん!」


「だから鼻の下を伸ばすな!」


「何だよ、ナコル、ヤキモチか?」


「絶対に違う!」


こうして俺達は、ゼクトのパーティーと一緒にダンジョンを脱出することにしたのだった。


死にスキルから一転、神スキルに昇格?

あまりにもアッサリと手のひらを返したレン。

煩悩の塊のような奴ですが、可愛がってやって下さい。

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