表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/10

00001001 二人は、夜を過ごしたい。

 □□□□□□□□□


 麻薬を服用した罪が、どのようなものなのかはわからない。服役刑なのか、罰金刑なのか、肉体や精神の一部を損傷させるようなものなのか、何らかの権利を剝脱するものなのか。

 ただ、とにかく、彼が、イソラの部屋の前に座っていたことだけは事実だった。


「ユナタ」


 ああ、とぼんやりと彼は顔をあげる。サイボーグ。扉に背中をあずけ、足を投げ出して座っている様は、妙に人間くさかったが、それでもどうしようもなく機械仕掛けだった。そうだ、フィルターはいまだに切ったままなのだ。拙い表情筋に浮かぶ笑顔。そして、歌うように呟く。


「二人で過ごしたい夜だよな。妹君」


 僕は妹じゃありませんよ、と言おうかどうか少し迷った。でも、よく考えると、自分の性に関する記憶は、昔、入念に消したのだった。だとすれば、正しいのは彼かもしれない。


「僕達は――私達は、なんて弱いんでしょうね」

「昔から変わらないさ。別に世界のせいじゃない」

「消えないで下さいよ」


 イソラは苦笑して、チップのスイッチをオンにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ