メルヘンシンドローム
あまり、童話ぽっくありません。
冬童話2015のキーワードがありますがまにあわなかったので未提出ですのでそのキーワードは無視して下さい
お花畑の中にガラスの靴がぽつんと置いてある。回りには誰もいない。
ひらひらと花畑にちょうちょうがとんでいる。ザーザーと大粒の雨が降ってきた。
そして、それは雪になる。雪は太陽に照らされてとけていく。眠る日の魂よ、魂よ見えない鏡の中に永遠にあれ、目覚めるのはいつの事か誰も思い出さず忘れて行く。
小学生ぐらいの男の子たちが学校の帰り道、ぼうぼうとしている草むらの中を歩いている。
「草むらの前のお花畑の所にガラスの靴があったよな」
「銅像をつくる予定だったのなくなったとか」
「ありそう」
「ぽつんとあるのも変だよ」
「なんかの暗示、僕たちが眠っていくとか」
「ガラスの靴で眠るのあったけ?」
「さあ、覚えていないし」
「どうだったけ、眠るイメージが出てきたんだろう」
「お花畑からじゃないのか?」
「どうして」
「なんとなく、そして、王子のキスで目覚めるお姫様があるじゃん」
「僕たちはお姫様じゃないよ」
「お姫さまを探しに行かないと駄目なのか」
「探しにいくの?」
「僕たちが王子になるとか?」
「似合わないだろうに」
「がらじゃないと思う」
「何か、そんなこといっているから、変な幻像が見えるだけど」
「小さな女の子が肩車されて、手をふっている。うーん手招きかなあ、どっちだろう」
「どこ?」
「ガラスの靴があったところの方向」
「えー、何もみえないけど」
「まぼろしだったのかな」
「ある程度、イメージが湧く漢字一文字の言葉がうかぶけど」
「あれだよね。かわの景色があったら明確に頭の中にうかんじゃう」
「なにか、さ迷っているとかか」
「ふらふらしてあっちいくかこっちにいくかうろうろしているんだよ」
「何が?」
「魂?」
というこたえが自信なさげに小さな声でかえってきた
「こんなところにほらあながある。あそび場にしよう」
「うん、ひみつのあそび場に」
「うわっ、不自然」
そのまま、ほらあなをすすんでいき、そこから出ると目の前に青色をした湖があった。そして、風か強く吹いている。
男の子たちはどうにか風の強さに負けないように歩いている。
「あたたかい風だな」
「これはいつの風だろう?」
「きっと、きっと、春の風さ」
ザーザー、ザーザーと雨が降ってきた。
「てるてるぼうずがあるんだよあじさいのはなが咲いているところがあってその上にきっと」
「あじさいの花が咲いているよ。てるてるぼうずみつけた」
「てるてるぼうずを雨にかざせばやむかな?」
「やんだりして、雨にかざしてみよう」
「はれるまで、こうしているの?」
「そう、はれるまで」
「いつになったらはれるんだ、はれるまでこうしているんだろう。手がつかれてきたなあ」
「あっ、やんだ」
「このてるてるぼうず言葉わかるのかな?」
「わかったからはれたんだ」
「すごく都合のよいやみかただな」
「今度は都合よくあるのはなんだ?」
「立て札みつけた」
「かくれんぼしているように言うなよな。何が書いてあるんだ」
「ミイム、ミイム、ミイムミイム」
「それだけ?」
「いや、これを逆さまにしないで下さいとかいてあるよ」
「この立て札逆さにできる人いるのかよ」
「いないよな、逆さにしたら倒れて立て札の役目しないしな」
「ミイム、ミイムってぼくたちのことかな?」
「ちがうんじゃない」
ミイだとぼくになるけど、ムがたりない」
「ムは、ムは、ム、ム、ム……」
「ムとばかりいっているとむしするぞ」
「虫?」
ミーンミーン、ミーンミーンとせみのなきごえが聴こえてくる。
どこか遠くのほうからきこえている。
「何でミンミンぜみなんだ?」
「ミーン、ミーンを書きまちがえたんだよ」
「駄洒落じゃなくて?」
「無理がない?」
「ミインミインから、強引にあわせればいくとおもうぞ」
「ムはどうして、んになるんだ」
「古語のむは、んとよまなかった」
「ぼくたち中学生か、小学生じゃなかったけ?」
「大丈夫、かるた大会で百人一首していれば読むことができることがわかるから」
「素直に競技かるたでいいとおもうけど」
「小学生じゃわからないんじゃ」
「ああ、大丈夫、小学一年か二年でも、競技かるたの大会に出場して何回か勝つ子いるから」
「うそ」
「ほんとのことだよ」
「うそだろう」
「ほんとだって」
「だけど、無意味な駄洒落だね。面白くないね。」
ミーンミーンとなく声がしだいに大きくにぎやかになってきた中にこんな音が入ってきた。
クヒヲデタシノキノリクナキオオデノアピ
遠くにあかい光が見えてくる
「なんだろう、あれ」
「夕やけかな?」
どこからか杖をもったかっこした人が現れてくる。
「あれ、夕やけじゃなくてもえているのです」
「あ、あっ、あなた、どこからきたんですか?」
「そらのうえから」
「どうやって」
「くものうえをピョンピョンとんで」
「なにかのはなしでそのようなひとがいたとおもったけど、わからないや」
「もえているならば、もえつきたらどうなりますか?」
「雪が降るのです。時間がたてばとけます」
さっきまでないていたせみの声がきこえない。
そして、雪がシンシンと降ってきた。
「えっ、雪がなぜ…… ねえ、わかりますか杖をもった人」
返事はなく、杖をもった人はどこにもいなかった。
「いなくなっちゃった。知らなかったのかな?」
「知っていたらいるとおもうけど」
「これ、夢じゃないかなあ」
「どうして」
「雪、せみ、ちょうちょう」
「それが何か?」
「せみは夏、ちょうちょうは春、雪は冬、ばらばらだろう」
「同じ夢を一緒にみていたのか」
夢が、風の流れの中にのってきた
あなたもですか、真夏の夜に夢をみているとおもうのですか。そう言う女の子の声がした
「夢じゃなきゃなんだろう」
「さあなんだろう」
あなた自身の伝説という女の子の声が響いてきた。
「どういうことかな」
「さあ」
今度は女の子の声がしなかった。
雪が降り続けつもりました。そして、だんだんと雪がとけて、なのはなばたけにちょうちょうがとんでくる。
しだいになのはなはたけは海になる。ザザー、ザザーと波がゆれている。海は夜空になり、星がキラキラと輝いている。
ここは特別な空間、風の流れの中にどこからか音をはこんでくる。
その音を聞いてはいけないよ。その音を聞くとそこにないものまで見えてくる。
ぼくたちはいつになっても成長しないまわらないかざぐるまさ。
あなたの意識の中に閉じ込められてひとりでまわることはできないかざぐるま うつりかわらぬ世の中にかざぐるまがまわるひをまっている。あなたがおもいだすのを。
生きているか死んでいるかをさ迷う魂は音楽にのって戻るかそっちいくかうろうろ落ちつかない。魂はどこにいくのであろう、行き先はわからない。
ここは特別な空間、風の流れの中にどこからか音をはこんでくる。
その音を聞いてはいけないよ。
その音を聞くとそこにないものまで見えてくる。
そう、ぼく達は、雪がとけて鏡が割れるのを待っている。割れる時が来る日まで僕たちはぐるぐるとまわっている生者と死者の空間をいつまでも、いつまでも、空に上るあかりか地をみる陽をまっている。
ガラスの靴はこわれていった。
ひらひらと花畑にちょうちょうがとんでいる。ザーザーと大粒の雨が降ってきた。
その花畑のところにいろんな色の傘をさした小学生ぐらいの女の子達があるいていくる。女の子たちはきょろきょろしている
「ガラスの靴はないわよ」
「何かの伝説だったのかしら」
「そうだと思うわ」
「ガラスの靴はどこからきたのよ」
「何か、お花畑のところにぽつんと置いてある噂があったのよ。」
「あったら、どうしたの?」
「シンデレラになれるかなとおもって」