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魔法の世界と名無しの銃士(仮)  作者: Noah
SESSION【0】〜人と精霊〜
1/3

夢と現(うつつ)

設定が曖昧すぐる…(´・ω・)

いきなりシリアスでスマソ(・ω・`)

……何だここ。


俺の眼前に映る景色。


それは、まさに人々が想像する地獄と相違ないであろう光景がそこにあった。


真っ赤に燃え盛る炎の塊、鉄のようなキツい臭いがする肉塊の数々……骨が見えるほどに焼きこげた物体など。


常人なら誰でも叫びたくなるような気持ちの悪いもの。


それらが、見渡す限りに落ちてあった。


「うッ……ぉえ……」


あまりの異臭や惨状に吐き気を催してしまったようだ。


ようだ、と言うのは何故か自身の感覚がないため、吐きそう……と思うくらいにしか感じることができなかったからだ。


よく周りを見回して黙々と荒野を歩いていくと、焼きこげて原型を留めていない家や瓦礫が複数、刀か銃かはわからないが縦長状の形をしたものも沢山落ちてあった。


また、戦車の成れの果てのようなものまでもが幾つか目に入った。


そこまで来てようやく分かったことは、この場所が本来賑わっているはずの街だということ。


被害がここまで大規模ならば、恐らく俺のいるこの街はかなり大きいのだろう。


それも国で最大程度には。


「それがわかったところで……こんな状況じゃ……」


立ち去ることなど不可能だというのは明白である。


ましてや、背後の道中ですら炎が纏っている状況では逃げるどころか先に進むことしかできない。


「冷静だな……俺……」


それが不思議だと思える程に、冷静になれていることは今の状況としては好都合であるのだけれど。


「あ、あれ……?」


どうしてか、急に立ちくらみが起きて倒れ込んでしまった。


ただ、立つ際に足に違和感を覚えたので己の目で確認する。


……何と言うか、思った以上に酷かった。


足が……正確には足首の筋肉が抉れているのだ。


歩いている途中で負った傷だろう。


ドクドクと血も流れ溢れている。


だけれど、やはり痛みを感じなかった。


「これが夢だとすれば感覚が作用してないのも頷けるか」


夢だとすれば、こんなものは見たくなかったなぁ。


夢……これは本当に夢なんだろうか。


ただの夢にしても現実感がありすぎるというか、微細に確認できすぎて怪しいというか。


まるで、この情景を見たことがあるみたいではないか。


「……見たことが……ある……のか?」


俺は夢の内容を知っているのだろうか。


いや、寧ろ見たことがないはずがないのだ。


俺は……知ってる……夢の内容を、知っている。


いや、体験している、が正しいのか。


故に、この先に起こることも俺知っている筈なんだ。


たしか────


ガッシャッッッッッン!!!!


「……あ、ああ……」


俺は突然聞こえた大きな音に圧倒される。


音の正体は、俺の背後にある家々が焼きこげて全壊した音だった。


咄嗟に後ろへ振り向くと、小さい少年を如何にも人を人とは思わない様な風貌の複数の男たちが見据えていた。


紅色に近い黒髪と瞳の、何かを信じ切れていない様子の少年。


俺はその少年を見て、あぁ……と、大切なことに気付いた。


あの少年は……俺だ。


昔の……小さかった頃の俺だ。


男たちの先頭にいる人物が、その少年を睨んだ。


「少年よ。我々に刃向かった国の住民共を死んで恨むがいい」


バァンッ!と、一瞬の音と共に少年が血を流しながら呆気なく倒れてしまう。


そう……日本の軍隊であろう兵士たちが俺の街を……家族を滅茶苦茶にした挙句、女子供でさえ皆殺しにしたのである。


……俺も例外ではなく、今見たように一瞬で殺されてしまったのだ。


しかし、もうそんなことを考えている時間の余裕はなく、炎は俺の周りを完全に覆い尽くし、勢いにも激しさにハッパをかけていた。


次の瞬間、一気に炎が俺を囲い込むように崩れた。


「じょ、冗談じゃねぇぞ!?」


これは死ぬ!いくらなんでも死ぬから!?


刹那、眩しい光が目に入ったかと思うと、赤色の景色から一変して一面緑色の世界が映し出されていた。


漫画とかでいうところの場面展開だろう。


「ふー、死ぬかと思った…………!?」


何の前触れもなしに、今いた所から違った場所にいたら誰でも吃驚する……と思う。


いや、些細なことで驚かない俺が言うのだ、誰でも驚くだろう、うん。


そして、周りをよく確認しようとしたが……


「目がよく見えない……」


直接目に光を浴びたのだから当然なのだけれど。


瞼を開いたり閉じたりを繰り返して視力が元に戻った頃、あの撃たれ死んだはずの少年……つまり俺が森の真ん中に直立して現れた。


確か、今みたいに視界が眩しくなったあと、そこにいた気がする。


その証拠に少年は、目を擦って困惑している。


……絶対死んだと思ったわ、あの時。


とりあえず、木の陰に隠れることにしよう。


ほんの少し経ってから、もっと幼い儚げな雰囲気の少女が少年の背後から近づいてきた。


ボロボロの白いワンピースに青色のロングヘヤー、サファイアのように透き通った蒼の瞳。

                  ・・

そう、彼女こそが俺のパートナーとなる精霊である。


常に無表情の少女は少年に背後から訊ねた。


俺は耳を澄まして、会話を聞き取る。


「あなた……だれ……?」


少年は急に話しかけられたことに驚いて言葉が出ないのだろうか、目を泳がせていた。


「……えっと、きみは?」


思わず少年は聞き返してしまう。


訊ねられたのに聞き返すとか俺最悪だよな……


「わたしは……そんざいしては、いけないもの……だから。なまえとか……ない」


そう少女が言った。


思えばこの言葉に俺は惹かれたんだろう。


少年は少し動揺した様子で、それでも言葉を繋ごうとする。


「……えっとさ、よくわかんないけど、いらないひとなんていないとおもうな。それに、僕もなまえないし」


すると少女は驚いたような表情をして、話を続ける。


今の俺にはわかるがこの時は表情の変化がわからなかったんだよな…


「あなたは、せいれーじゃないのに、なまえがないの?」


「……?せいれい?それがそんざいしてはいけないもの?」


コクンと首を前に傾けて少女は頷いた。


「わたしたちは……きけんなもの……ほんとは、いきてたらダメ……なの」


その言葉に少年は、ピクリと反応する。


生きてたらダメだというフレーズは、その時の俺にとっては禁句のようなものだからな。


だからその後にあんな恥ずかしい台詞を言ったんだが……


「いきてたらいけないことなんてないよ……!」


少年が少女の肩を掴んだ。


「……!」


少女が先程と違い、分かり易く驚いた表情をなした。


「僕は、きみにいきてほしいとおもう。まわりのひとたちにいわれてるのなら、僕がきみといてあげるから。そんなかなしいことは……いわないで……」


少年は怒っているのか哀しんでいるのか、複雑な心境を感じさせる表情で少女に言った。


少女の頬に何かが滴っていたのが見えた。


「……?ぬれてる……」


自分ではわかっていない様子で、頬を触る。


その様子に気付いた少年は慌てて手を離し、頭を下げた。


「わわっ、なかせるつもりじゃ!えっと、ごめんね?」


「これが、なくこと……。なんだか……ここがぽかぽかする」


胸に手を当て目を瞑る少女を見て、少年は鼓動をはやめる。


「え、えっとね、な、ないたらぽかぽかしないよ。ぽかぽかするときはうれしいってことだよ!そして、うれしいときはわらうんだ」


必死になって少女を泣かせまいとする少年がそこにはいた。


「わらう……うれしい……」


少女が少し微笑んだ気がした。


「そうだ、なまえがないならいっしょにかんがえようよ!なまえがあったらもっとうれしいとおもうんだ!」


「わたしの……なまえ?」


首を傾げる少女に少年は頷いた。


「僕もだけど……なまえがないとふべんだとおもうんだ」


こんなことを言ってたのか俺は……泣きやますことで頭がいっぱいだったから覚えてない……


少年は今まで自分の名前がなくて不便だったことはない。


けれど、少女とは違う環境だったからというだけで、彼女が不必要なわけではない。


そして少女は素頓狂なことを言い出した。


「あなたが……きめて?わたしの……なまえ」


「えぇ!?うーん……そうだなぁ、じゃあ────








────きろ…………起きろ!…………おーーきーーろーー!!」


「うわぁぁぁ!?何だぁ!?」


咄嗟に跳ね起きた俺は、ゴツンッ!と額から聞こえた鈍い音と共に、一気に現実へと引き戻された。


「っってぇぇぇぇ!?」


「ったぁぁいっ!?」


なんだなんだっ!?


目の前には涙目の女の子が、額を手で押さえているのが見えた。


「っ……っったぃ……!何するんだよぉっ!?」


「痛いのは俺も同じだわ!なんで顔をそんな近づけてたんだよ!」


「うぅ〜〜〜〜〜、お前が起きなかったから耳元で叫んだんだろうがぁ……」


耳が項垂れながら弱々しく反抗の意を見せる女の子。


耳と言っても、頭上についている……所謂獣耳と言うものだ。


俺の耳はもちろん普通の、人間の耳だ。


「それは……すまん…………って、叫ぶのもダメだろ!耳が聞こえなくなったらどうするつもりだっ!?」


「何回も呼んで起こしたんだぜ……でも起きなかったし……」


女の子の頬が少しむくれる。


む……それなら俺が悪い……か……?


「だったら俺が悪いか……謝る。ただ、叫ぶのは止めてくれ……耳が痛い」


「そ、そうだな、悪い。それじゃあ、どうやって起こせばいいんだ?」


少し困ったように眉を上げる。


こんなふうに、些細なことで真面目に訊ねたりするような純粋な奴はこれから先が心配だと思う。


「んー、優しい感じで」


「や、優しく!?それはその……えと、なんていうか……」


腰の方から見える猫のような尻尾がピコピコ動く。


というか、俺はそんなに動揺するようなこと言ってないと思うのだが。


「……意味わからん」


何やら一人で百面相をしているアリスである。


そうそう、この男口調の女の子はアリス・フォールドランドと言って俺の所属している連合の副長を務めているらしい。


らしいと言うのは、隊長と似たようなことをするというのは知っているのだが、そういった仕事をしている姿を見たことがない。


というより、俺的には姉っぽいイメージと化している。


何故かいつも俺を起こしに来たり、何かと世話を焼きたがるのだ。


それらを拒むととてつもなく悲しい顔をされたことがあるので、仕方なく世話をされている。


俺より1つ年が上だから、俺に世話を焼きたがるのかもしれない。


まぁ、何にせよ、俺がこの世界で生きていけてるのはアリスがいてくれたのも大きい。


俺たちを拾ってくれなかったら、あの時どうなってたか…………餓死?


ともかく、俺がここに来てそこそこの年月が経った。


細かいことは追々説明していきたいと思う。


では、おやすみ。


「……って、また寝るなよー!!」

キャラクター紹介


アリス・フォールドランド(17)女

種族:ビースト

身長:150cm

体重:42kg

所属連合:アーカイブ

属性:炎

妖精:ミュートラル(片手剣)

血のように鮮やかな髪色と柔らかい髪質の持ち主でボブカット。男勝りな性格で良く言えばボーイッシュ。嫉妬すると主人公に当たってしまう。瞳は綺麗な黒色をしていて、顔は童子のような初々しさを保っている。背丈は小さいが出るとこは出て引っ込むとこは引っ込んでいる。そして、猫耳と尻尾が標準装備(ここ大事!)。没落した貴族の娘で、自らの目標を見つけるために10歳にして連合に入ることを決意。『灼熱の魔女』の二つ名を持ち、魔法の扱いにおいては世界でもトップクラスにあたる……が、格闘術については特に記述することはない。


※詳しい事は後々説明していきます。


次回から完全に三人称は諦め(ry

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