演舞
この世界に魔法は無い。あったとしたらこんなひどい世の中であるはずが無い。
大気も水も大地もわけのわからんものに汚染され生命力を落としつつある。
それでもな、人間ってやつはしぶといんさ。
生きていけないなら、周りを造り変えてしまおう。
生きていけないなら、自分も作り変えてしまおう。
いや、すごいねぇ。
俺の立っている闘技場がさ、芝生なんだよ、し・ば・ふ・すげーだろう。屋外だぜ、お・く・が・い・すげーだろう。
なら県知事の筒井ってやつが、なかなかの悪でのぉ、中央政府と関西連合の間を行ったりきたりして、金とか出させてな、
なんと奈良盆地全体に透明なシートかぶせて、20世紀相当の生活環境なんてもんを実現しやがったんだよ。すげーだろう。
ま、そこまでではないにしても、好環境の閉鎖空間なんてところに住める人数は限られてくる。環境を選べないならば、自分を変えよう。そう考える研究者も出ていったん倫理的な歯止めがとれてしまうと、まずオリンピックなど肉体を競う競技など、人外魔境の百鬼夜行の世界になった。今のオリンピックは健全なる精神で競うってことで同一仕様のロボット対戦競技になった。
オレの目の前にいるのはそんな改造人間の1人、オレ怖くってちびりそう。。。。うそだけどね。
5.4.3.モーニングスターがいきなり跳ね上がり水平に振られる。オレはすでに跳躍に入ってる。
モーニングスターの鉄球の付け根に着地、すぐ2度目の跳躍に入る。
客席からは派手に吹っ飛ばされたように見えるだろう。
12m吹っ飛んだところで、一回転して着地、すぐまた後方宙返りしながら、追撃してきたやつのモーニングスターを握る指に蹴りを入れ,そこを足場にもう一回宙返りして着地。
距離を開けにらみ合う二人。。。ディレクターさんリプレイタイムです。
10分後、倒れたやつの横に、モーニングスターが転がっていた。