表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

赤頭巾「違うッ!軍帽ッ!」ちゃん

作者: 朱鷺

一部、気分を害する可能性があります。

とある家の中でテレビを見ながらソファーで横になり、スナック菓子を頬張るTシャツ半ズボンの釣りおめめの女の子。

この女の子がこのお使いの主人公、源 遙元中尉さん。

テーブルの上にはケーキや、拳銃やライフル、手投弾などががたくさん置いてあります。

テレビで一番の見せ場となるラストシーン、閉めと呼ばれる段階で、突然テレビの電源が落ちてしまいました。

リモコンを探しても、見当たりません。

リモコンを持っていたのはお母さんでした。

お母さんはこう言いました。

「遙?少しお使いをしてもらいたいのだけど」

「断るリモコンを返せ自分で行けババア」

口の悪い遙元中尉は不機嫌そうな顔でそう言いました。

「実は、いまの番組予約してあるのよね」

「何だと!?」

「帰ってきたら最初から見せてあげるから、お使いに行ってくれない?」

「断る自分でデータ弄って取り出すから気にするな」

「・・・・・・」

この後、遙元中尉は強引に……そう強引にお使いに行かされる事になりました。

「・・・・・・」

物凄く不機嫌そうな表情をしている遙元中尉。

その頭には、物凄く不釣り合いな赤い頭巾袋が被せられていました。

「じゃ、赤ずきんちゃん、このお薬をお婆さんのところに持って行ってね」

「何で毎回赤頭巾なんだババア」

「いいから、ちゃんと届けるのよ?」

「どこかで爆破しちゃうかもな」

「いい?赤ずきんちゃん、爆破や砲撃や地雷埋めたりしちゃだめよ?」

「さてな、家に前に地雷埋めるかもな。ババアピンポイント狙いで狙撃しちゃうかも」

「では、このお薬を届けてね」

赤頭巾ちゃんは一つの包みを受け取り、カバンの中にしまいました。

「この頭巾外していいか?」

「駄目よ」

「いいだろ?いいよな?きにするな」

「それがないとお話にならないのよッ!」

母親はメタな話を取り出して、赤ずきんちゃんを黙らせました。

そして、赤頭巾ちゃんは旅費として2000ドルを蝦蟇口財布に終い、お婆さんの元へと向かうのです……

完全武装の姿に赤頭巾……何とも複雑な姿の赤頭巾ちゃん。

家を出てしばらく進むと家が見えないこと、母親がいないことを確認し、赤頭巾を地面に叩きつけてしまいました。

「こんな姿で外に出られるかッ!あんのくそババアッ!」

赤頭巾ちゃんの物語はこうして終わりました……めでたしめでたし。

「めでたくねぇ、私の物語はこれからだ!」

取り出した物は軍隊の帽子でした。

「やっぱりこれだろ!ハッハッハ!」

軍事帽子を被ったことで、軍帽ちゃんへと変貌した赤頭巾ちゃんでした。

何という事でしょう……以前とは見違えるほど服に合った帽子と綺麗な笑顔、見違える程綺麗な女の子となりました。

「以後軍帽ちゃんだ!」

軍帽ちゃんは気分よく、道を歩き始めました。

歩くこと歩くこと……日が傾き夕暮れに包まれる森の中、軍帽ちゃんはとある物を見つけたようです。

兎の住んでいそうなすこし大きな地面の穴。

軍帽ちゃんは土の湿り具合や穴の中の酸素濃度などを図り、1狩りするようです。

狙撃ライフルを匍匐で構える軍帽ちゃんの100メートル先に、あの穴があります。

しばらくスコープを除きこんでいると……

一匹の兎さんが飛び出してきました。

「遅刻だあ~!このままでは私の首がとんしまう~!トランプの兵士にく――<スキュン>ヘブぁ!」

「命中……」

軍帽ちゃんは兎を仕留めたようです。

近づいてみると、兎さんは一言言いました。

「私の骨は海に――(カクッ」

「海に行くことがあったらな~ハッハッハ!」

今晩の晩御飯は、兎の塩胡椒ステーキになりそうですね。

兎さんの毛皮は大切に鞄にしまうと、兎のお洋服も大切に鞄の中にしまいました。

兎さんのお肉を食べている軍帽ちゃんは、日記を付けました。

<今日は赤頭巾を捨てて軍事帽子を被り、兎を狩った>

何とアバウトな事でしょう……

軍帽ちゃん、本日は森の中で一眠りするようです。

それを見ていた狼さんは……

「腐ってやがる、さわらぬ神に祟りなしだ」

そう言い残すと、森を後にしました。

翌日目を覚ました軍帽ちゃんは早々に森を抜け、海へとたどり着きました。

「海か……そういえば何か兎が言っていたな」

鞄から骨を取り出すと、軍帽ちゃんは海の彼方へ投げ捨てました。

兎さんはこれで、成仏ができる事でしょう。

その時――

「こらッ!海に物を捨てるなッ!」

そう言い放った一人の老人が軍帽ちゃんを怒りました。

「ゴミではない、ゴミだが」

「何を捨てた!拾ってきなさい!」

「兎の骨だよ……」

「骨?」

「良い兎だった(肉味が)……もう少し生きていればな(脂肪が乗るのに)……残念だ(もう少し待つべきだったか)……」

「ふむ……残念じゃな……」

「何、気にすることはない」

老人は軍帽ちゃんから、歩いてきた方向へと帰っていきました。

「もっとも、どこぞの兎で話したことはないがな」

ケロッとした顔の軍帽ちゃんはそう言いました。

「さて、海岸を歩けば近道か」

海岸をユックリ歩いていると、日も傾き……

遠くに子供達が海亀を苛めているのが見えました。

「ガキどもッ!虐めを辞めないかッ!」

走って駆け寄ると子供達は邪魔するな、と言い放ちました。

拳銃をポケットから取り出した軍帽ちゃんは……

「それは私の海亀でナイトディナーだ!文句があらば射殺してくれる」

子供たちは拳銃というものを知りません、ここは見せしめに一つ……と思った時……

「こらー!そこの子供たち!カメを苛めるなー!」

そう駆け足で走ってきた男性……

男性は子供たちと取引、という事をしました。

小銭を渡す代わりにカメを逃がしてあげるという取引です。

軍帽ちゃんにも小銭を渡されましたが……軍帽ちゃんは突き返しました。

「海亀の値段としてはあり得んぞ!もっとよこせ!」

値上げ交渉の開幕です。

子供たちもそれに賛成しました。

持っているすべての金額を合わせても、たったの500円です。

一人百円という金額にしかなりません。

「だめだ、ウミガメはやらん!」

「えーい!この金の亡者めッ!海亀をよこせッ!」

「断るッ!」

拳銃を引き抜いた軍帽ちゃんは一発、その男性に撃ち込みました。

「お前は……なんと――(カクッ」

「かっこよくてかわいいやつだ……と言いたいんだな?お前案が良い奴だったんだな!ハッハッハ!」

男性はすぐにお亡くなりになり、これはいい機会と、拳銃を子供に向けました。

子供たちは一斉に逃げ出し、軍帽ちゃんは海亀を手に入れることができました。

「さて……海亀よ?」

気絶していた海亀を叩き起こした軍帽ちゃん

「えっと……」

海亀は周りを確認したようですね。

「状況はどうあれ…助けていただいてありがとうございました」

「いやいや気にするな」

トビッキリの笑顔でそう答えた軍帽ちゃんは……

「お礼をしたく、できれば私と共に竜ぐ――」

「亀?スープと干し肉どちらがいい?」

「はい……?スープの方が好きですが……何か?」

「今日の晩飯は海亀のスープだな!カメの希望だ!」

「待ってくださいよ!」

「私は腹が減っていてな、今すぐ調理してやる!」

「お~た~す~け~ッ!」

亀の声はどこまでも続く海の彼方へ消え去り、軍帽ちゃんは海亀のスープをおなかいっぱいごちそうになりました。

軍帽ちゃんは日記を書きます。

<海亀のスープを食べた。美味しかった。亀が何か言っていたが……金にはならんだろうしどうでもいいな>

海の漣を聞きながら眠る夜は快適な夜でした。

翌日、海の砂浜を歩くと街へと出ました。

少々古びた街並みが並んでおり、まず軍帽ちゃんは取引屋さんに入りました。

「おい店主、この兎の皮いくらで買い取ってくれる?」

交渉に交渉を重ねた結果、なんと10倍の値段へ引き上げることができました。

もちろん、拳銃を使用した お・ど・し の効果もあり、気分よく取引屋を後にしました。

次に入ったお店は武器屋さんです。

店内にはいろいろな武器が並んでいました。

軍帽ちゃんは店主に「これとこの銃の弾と、M60と弾200発、手投弾5個とTNT爆薬10個と火炎放射器」そう話し、店で新たな武器を購入しました。

次に向かったお店は御薬屋さんです。

「どのようなお薬を?どのような症状でしょう?」

「なんと言ったか、狂犬病とか言ったかな?薬あるか?」

「狂犬病は死亡率100%と言われて居まして、私が出せる薬はありません……残念ですが……」

「あのババア死ぬのか!こりゃいい話を聞いたハッハッハ!」

爆笑のあまり呼吸が乱れた軍帽ちゃんは呼吸を整えると笑いを堪えてお店をでました。

馬を一匹拝借した軍帽ちゃんは馬に乗り、のんびりとおばあさんのお家を目指します。

そこに、三匹の子豚が何か作業をしているのが見えました。

子豚達はどうやらお家を作っているようです。

それを双眼鏡で確認した軍帽ちゃんは狼を発見しました。

これはチャンスと、馬に話しかけました。

「待ってろ、すぐに戻る」

「へッ!誰が待つか盗人め!逃げてやらぁ!」

拳銃を突きつけた軍帽ちゃんの目は本気でした。

「 待 っ て ろ よ ?<カシャン……」

「……」

コッキングをした軍帽ちゃんに逆らえずか、馬さんは黙り、おとなしく待つようです。

子豚たちが話し合っているのを、軍帽ちゃんは暗視スコープで観察をしていると……

ウォ―――ン……

という狼の遠吠えに反応した子豚たちの様子を見ました。

「奴が来るぞ!家の中に避難するんだ!」

そういうと子豚たちは各自の家に戻りました。

狼がゆっくりとやってくると、何か観察をしているようなので……軍帽ちゃんは……

<スキュン>と、狼を見事に仕留めました。

次に子豚たちです。

藁の家を確認し、火炎放射器を構えた軍帽ちゃんは……

「ファイアー!」と火を灯しました。

めらめらと燃え上がる炎は家を包み、子豚はあわてて木の家に逃げ込みました。

木の家を確認した軍帽ちゃんは……手投弾を窓から3発ほど投げ込み、爆破しました。

木端微塵となった家の残骸から、子豚たち二人を捕獲した軍帽ちゃんは煉瓦の家を見ました。

「これはまた丈夫に作られているな……」

どうやら軍帽ちゃんは悩んでいるようです。

「この場合爆破するしかないか、よっし!」

TNT爆薬をセットした軍帽ちゃんは、赤いスイッチを押しました。

押した瞬間家は木端微塵に粉砕され、瓦礫の中から子豚を捕獲しました。

捕獲した子豚たちは今晩の晩御飯に変わり、豪勢な一夜を過ごせそうです。

狼の毛皮を首巻に作り替えると、軍帽ちゃんは日記を書きました。

<取引で毛皮を高く売れた、豚が美味い>

なんと端筆なことでしょう……

翌日になると、お馬さんは姿を消していました。

仕方なく、歩いて道を進むと街へと出ることができました。

その町は酷く荒みきり、不良がたくさんたむろしている町でした。

特に何も得られないだろうと、素通りをして街を出る時、検問を行っているお巡りさんたちがおり……

持ち物検査の最中、軍帽ちゃんは全力で逃げました。

後ろめたいことでもあるのでしょうか?

拳銃の弾が鞄に穴をあける中、逃げ切った軍帽ちゃんは回り道をしておばあさんの家へとようやく、たどり着くことができました。

「やっとたどり着いたか、酷い目にあったぜ」

(ここのくそババア、軍隊時代の私以外知らないことまで知っていやがる鬼畜ババアだからな……気が引けるが)

<バーンッ!>と扉を豪快に開けた軍帽ちゃん。

「くそババア!薬届けに来たぞ!」

「おやおや、遙ちゃんありがとう」

ニコニコと微笑むいつものお婆さんの姿があり、少し安どした様子の軍帽ちゃんです。

「じゃ、わたしゃ帰る」

「まちなあて」

「何だババア?」

「話しておこうと思うことがってね」

「話?何の話だ?」

お婆さんが科に手を当てると、ベリッと顔が向けたのを見た軍帽ちゃんは背筋が少し冷えたようです。

「さて、遙中尉、薬の謝礼だ」

「何でクワトロ中佐がここいる!?」

御婆ちゃんの顔を剥いだこの女性の方、実は軍帽ちゃんの軍隊時代の先輩に当たり、部隊長さんだったのです。

「婆さん口調は疲れてな、肩が凝った」

肩をコキコキと鳴らしているクワトロさん。

「婆さんどこ行った!?」

「あ~婆さんは最初から存在しない(キリッ」

「何であんたがここにいるんだ!?」

「このブツ(薬)を入手する為だが?」

「そのは薬なんだ!?」

「これか?新しい形式の麻薬だ。この量なので500万ドルくらいか」

「それを運ばせるために私を使用したと?」

「いかにも(微笑み」

微笑んだ笑顔を無性に爆破したくなった軍帽ちゃんは、M60機関銃を取り出し、銃口を向けました。

「待て待て遙中尉、外を見てごらん?」

「あ?」

外にはパトカーが数台止まっており、何か嫌な予感が過った軍帽ちゃんです。

「お前は、あとつけられたみたいだね~馬鹿だな~」

「てめぇのせいだッ!」

「これ、謝礼金だ」

クワトロさんは札束を二つほどテーブルに投げました。

「それとこのパスポート、どこへなりとも高跳びしろ。という事で私は逃げる。さらばだ中尉」

「待てこの野郎ッ!」

こうして裏口から飛び出し高跳びし、この物語は終わりを迎えます。

現在の軍帽ちゃんは、BMWに乗り込み、配達屋さんをしているそうです……

軍帽ちゃんのように、悪用されないように気御付けましょうね。

この物語はこれで終わりです。

めでたし…めでたし…

お読みいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ