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血脈を凌駕するもの

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

ずっとそうだと思ってますよ。

だからこうなったのも必然。

常に試されていると思うんですよ。

『俺がお前を血で見ないように、お前もそうであれ』


だからつい、下の名前で呼んでしまうんですよ。

基本的に神と呼ばれる存在は、血脈を重視する。先祖から受け継がれた個性血筋を重視する故に、元来、自らの敵だった者は根本的に相性が悪い。

だが、それでも俺は、其れをも凌駕するものを知っている。


「私の血筋というのは、貴方様からご覧になったら、忌み嫌われるもので御座いましょう。貴方様を殺した一族の末裔。目に入れるだけで殺気を向けられてもおかしく御座いません。

けれども……我が直属に大変目にかけて戴いた事も事実なのです。貴方様を裏切る真似も、直属を裏切る真似も、到底出来そうも御座いません。

けれどもどうか……どうか……この様な半端者の世迷い言をお許し下さい」

頭を深く深く垂れて、女は許しを乞うた。

女は元々、俺の宿敵の子孫であった。其れは女の苗字を拝見すれば明らかな事。勿論、此方としても余り良い顔は出来ない。血筋から香る匂いは何時だって俺を苛立たせる。

けれども……。

「お前には関係ない」

言葉尻から滲み出る、絶対的な義理と人情。自らを形作った全てを貶す事が出来ない性根。其れを見せ付けられて、此方も裏切る事なんて出来やしない。

お前の先祖が俺を殺したのは紛れもない事実である。だなお前自身が俺に刃向かって、殺そうとした訳ではない。ただ血筋がそうだと言うだけ。

その絶対的な善性を、血筋だけで否定する事が何故出来ようか。

「……信仰とは、何者かによって強制されて行うものでは無い。自ら心に宿して頭を垂れるものだ。無論、俺もお前の信仰に口出すつもりは毛頭ない。好きに崇め、そして戒めよ。この言葉、深く、深く、心に刻め」

決して血筋だけで判断して、相手を疎外する事の無いように。俺がお前を受け入れ、我が子同然の愛情を向けた様に、個として判断する様に。その事を、努努忘れるなよ。

そう申し上げても、面を上げることは決して無かった。ただ地に頭を擦り付ける様にして、ただ噛み締める様に返事をした。

「はい……はい……」

誰かが渡したものでは無い。ただ己の善性だけを磨いてのし上がって来た。だからこそ、絶対に誰かを嘗めない。其の一面が大変気に入っている。

とある偉大な作家さんのコメント。

凄く品があるんです。

意見が違っても、飲み込めてしまうくらい。

『自分は先祖代々の血脈と信仰がある。

だから決して其の方々を裏切れない。

お参りにもいけない。

こればかりは何があっても譲れない』

そう仰ってました。


私はその方とは真反対に、特大級の地雷をぶち抜く様な参拝の仕方をしています。

しかも其れに気が付いたのは数年後という。


幸いにも大事には至ってません。

ただ私の人格を試すような事柄が多々あります。

何となくですが

『血脈も大事だけど、それ以上に大事な事がある』

と仰られている気がします。


人格者なんですよ。

ゴリゴリに神様ですけど、神様特有の奔放性がないと申しますか。

何よりも義理と情を重視する様な。

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