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とある日の幽霊部  作者: 月読つくし
第2章‐4人目の少女‐
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第2幕‐1話〜絶対にかけてはいけない電話番号〜

ずっとあの部室が嫌いだった。

古い校舎の地下という最悪な立地と、ジメジメとしたようなイヤな室温。


そしてなによりも…


その教室に佇んでいる1人の少女と彼女を探して彷徨い歩く悪霊のような少年。


その光景を見るのが嫌で、私はずっと幽霊部員を続けていた…


ーー

ーーー


「さぁ今日も元気に活動を始めるよっ!」


いつにも増して明るい調子で話すのは七瀬秋穂(ななせあきほ)さん。1個上の先輩で、俺達が所属する幽霊部の部長だ。


「そんなハイテンションで始めるやつですか…今日の企画?」


「もちろん!こういうのはムードが大切なんだから!」


「そのムードを今まさに秋穂先輩が壊しているような気がしているのですが…」


そう言って冷静に突っ込みを入れているのは、九条夏凜(くじょうかりん)。俺とは同級生で、同じタイミングに幽霊部に入った部員の1人だ。


「まぁいいじゃん!寒いんだから雰囲気くらいは盛り上げていかないと!」


秋穂さんの言うとおり、部室には肌寒い空気が流れているので無理にでもテンションを上げようとする秋穂さんの気持ちも少し理解できた。


というのも、雪那さんを巡る一件から早くも数ヶ月が経ち、季節は冬を迎えている。


ぼろぼろの旧校舎の一室を間借りしている、幽霊部の部室には当然暖房器具なんてものはなく、俺達はケトルや毛布等を持ち込み、寒さを凌ぎながら今日も部活に励んでいる。


そして今日は秋穂さんの提案で、絶対にかけてはいけないの電話番号とやらの検証を行うことになり、俺達は順番に自身のスマホで、順番に怪しい番号に電話をかけようとしていた。


「じゃあ早速…私からやってくね!」


秋穂さんがそう言ってスマホをこちらに向けてくる。

ダイヤル画面には【03-33XX-XXXX】という番号が入力されていた。


「その番号ってどこに繋がるんでしたっけ?」


俺の質問に対して、目をキラキラ輝かせながら答える秋穂さん。


「よくぞ聞いてくれました!これはコックリさんの番号なんだって!」


「コックリさん…ってあの?」


「そう!本来は紙に鳥居とかを書いて呼び出すところを、この番号にかけるとお手軽に話せるんだって!」


「えぇ…」


眉唾、と言わんばかりに顔をしかめる九条。

まぁ、確かに本当にコックリさんに電話できるなら、都市伝説レベルでは済まないと思うが…


「じゃあ早速かけるね!」


楽しそうにスマホの発信ボタンを推す秋穂さん。

だが直後に彼女のスマホのスピーカーからは、


【この番号は現在使われておりません】


という無慈悲な声が聞こえてくる。


「…ま、そりゃそうですよね」


「はぁ…まぁいいや!次!!夏凜ちゃんかけて!」


「え?私ですか…??」


「うん!ほらかけたい番号のリストはここにあるから!」


そう言って秋穂さんが電話番号がぎっしりと書かれたノートを俺達に見せてくる。

よくもまぁこれだけ怪しい番号を集めたものだ…相変わらず、こういった怪しいことに対する探究心は異常と言っていい程である。


「じゃあ…これにしてみます」


そう言ってスマホに番号を入力し始める九条、スマホの画面を見てみると


【0123-4X-XXXX】


というフリーダイヤルの番号が入力されていた。


「えっと…これは何の番号だ?」


「電話をかけたら、一週間以内にかけた人間が死んでしまうっていう、呪いの番号ですって」


そう言いながら九条は少しの躊躇もなく発信ボタンをタップする。

呪いの番号というなら、もし通じてしまったら危険なのでは…?

と思ったが、九条はその辺りは特に気にしていないらしい。


まぁ結局のところ、


【この番号は現在使われておりません】


と無機質な音声が聞こえてくるだけであり、電話が通じる事はなかった。


「まぁ予想通りですね」


「ま、まだまだ番号はたくさんあるから!気を取り直していこう!」


そう言って無理にテンションをあげる秋穂さん。


その後も俺達は秋穂さんが集めた怪しげな番号に手当たり次第にかけていくが、

結局スマホからは無機質な音声が聞こえてくるばかりで、時間だけが過ぎていった。


「次が最後ですね」


「だねー…春斗くん、最後頼める?」


「わかりましたよ、まぁ結果は見えてると思いますけど…」


完全に諦めムードの俺達は、冷え切った部屋以上に、低いテンションになっていた。


最後の番号は


「444-44XX-XXXX」


これは死後の世界に繋がる番号らしい。

死だけに4の羅列か、なんとも安直な…


そう思いながら発信ボタンをタップしようとした時、


「待って、、くださいっ…」


後ろから聞き慣れない声で呼び止められ、俺は手を止める。


声の方向に振り返ると、扉の前には何となく既視感を覚える少女が息を切らせながら立っていた。


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