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とある日の幽霊部  作者: 月読つくし
第1章‐とある少女と幽霊部‐
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第34話〜意外な一面と恐怖症〜



三十三間堂

全部で1001体もの千手観音立像が安置されている、京都でも有数のパワースポットである。


なぜそれほどたくさんの仏像があるかと言えば…


「九条、解説頼む」


「脳内モノローグの途中で人に振るのやめてくれるかしら…?」


「まぁまぁ、硬いこと言うなって」


「はぁ…建立当時の考え方では、仏像をたくさん作れば作るほど、たくさんの救いがもたらされるという風潮があったのよ」


「だから1001体作ったのか、なかなかぶっ飛んだ思想だな…」


「昔はたくさん神社を作っていただろうし、差別化とか色々苦労してたんじゃないかしら」


なるほど、寺や神社も長く続けるためには色々生存戦略を練る必要があるわけか…

なんだか急に俗っぽい話になったな。


「ほら、羽倉くん。そろそろ私達もいきましょう」


三十三間堂の入口であれこれ考えていたせいか、気がつくと俺と九条以外誰もおらず、俺達も慌てて中へと入っていった。


ーー

ーーー


「本当に圧巻ですよね…」


「そうね、見惚れてしまうわね。特にあの意匠なんて…」


仏像をじっくりと眺めながら、烏野と立花先輩が談笑している。

立花先輩はこういった芸術品にかなり興味があるらしい。

だが、その一方烏野はというと…


「おっと…?」


「おや、羽倉君も気づいたのかい?」


後ろから不意に声をかけられ、振り向くと風見部長が立っていた。


「やっぱり烏野って…」


「あぁ、立花君にベタ惚れのようだよ」


「ちょっと意外っすね。恋愛とか興味無さそうな顔してんのに」


「まぁ彼も年頃の男というわけだ。ぜひとも2人にはうまく行って欲しいものだね」


「それはまぁ、そうっすね」


「羽倉君は恋愛事には興味ないのかい?」


「ないっすね、俺は孤高を愛する人間なので」


「そうかい?月白君とも仲が良いようだし、何かあるかなと思ったんだが」


「ハハハ、ご冗談を」


風見部長は月白の裏の顔を知らないからそんなことが言えるんだろう。

月白の容姿がいいのは認めるが、素のアイツは恐ろしくて近づくのだって躊躇するくらいだぞ?

それが付き合うなどとは、さすがに自殺行為がすぎる。


「そうか、まぁもし気が変わったら言ってくれ。僕にできる事なら協力するよ」


満足そうにそう言って、風見部長が去っていく。


さて、烏野の意外な一面を見たところで、俺も改めて展示を見ておくか。


所狭しと並ぶ無数の仏像達、これが全部手作りというのだから驚きである。


「しかしこれだけ並ぶとちょっと圧巻でもあるけど、ちょっと怖いよなぁ…」


「何罰当たりな事言ってるのよ」


率直な感想を述べると、後ろにいた九条からまた突っ込みを受けた。


「いや、神聖なのはわかるけどさ。もしこれが全部動き出したらとか考えたら、結構怖くないか?」


「そう考えたら確かに怖いかもだけど…」


「だろ?仏像恐怖症っていうのも実際にあるらしいし、そういう層だって一定層いるだろ」


「仏像恐怖症?」


俺の言葉に九条が小さく首を傾げる。


「あぁ、集合体恐怖症とか閉所恐怖症みたいな心理的恐怖症状の一種だよ」


「じゃあ、仏像恐怖症は仏像を見ると恐怖を感じるってことかしら?」


「あぁ、そういうことだ」


「なるほど、そういうバリエーションがあったのね」


「他にも色々あるぞ?ピエロ恐怖症、深海恐怖症、あとは大きな建物が怖いっていう巨像恐怖症なんかもあるな」


「そんなにあるのね…勉強不足だったわ」


「あぁ、そして俺とお前は対人恐怖症だ。この機会に覚えておいてくれ」


「…最後にそういう自虐みたいなの挟まなくていいから」


九条と談笑しながら見学していると、あっという間に時間が過ぎ、三十三間堂を後にした。


そしてその後もいくつかのスポットを見学し、少しずつこの旅行も終わりの時が近づいてくるのだった。


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