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とある日の幽霊部  作者: 月読つくし
第1章‐とある少女と幽霊部‐
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第31話〜深まる疑念ともう一人の訪問者〜



30分、いや1時間ほどだっただろうか。

俺はこれまで体験した事について九条に話した。


これまで感じてきた秋穂さんへの違和感

雪那さんという幽霊に出会ったこと

そして俺が雪那さんの影響を受けている可能性があること

それを解決するために月白と雪那さんのことを調べていること


結果的に今まで隠していたような後ろめたさもあり、1つの隠しごともないように、彼女には正直に全てを伝えた。

それらを聞き終えると、九条は小さく溜息をついた。


「正直、にわかには信じられない話ね…」


「あぁ、俺も話してて改めてそう思う」


「…でも、本当の話なのよね?」


「話したことに嘘はない。それは約束する」


「…そう」


俺の目を見て信用してくれたのか、九条は短く答えるとこちらに向き直る。


「羽倉君、話してくれてありがとう。それと今まで力になれなくてごめんなさい」


九条はゆっくり、そして深々と頭を下げてきたため、俺は慌ててフォローした。


「い、いやそれは仕方ないだろ?こんな事が起きているなんてわかるはずないし」


突拍子もない話をしている自覚はあったし、正直茶化されるのではないかと思っていた。

だからこんな反応をされるとは思ってもいなかったのだ。


「それでも、同じ部員としてあなたが困っている事に気が付けなかった、それは私の責任だわ」


それは九条の心から出た言葉だとすぐに分かった。

彼女は根本的に真面目過ぎるところがある。

改めて意識した事で、九条をこの件に巻き込んでしまった事を少し後悔した。


「まぁあんま気にすんなよ、とりあえず今は何の問題も起きてないわけだし」


「でも実際あなたの身体に異変が起き始めているんでしょう?」


「そりゃあまぁ、そうだけど」


「なら解決を急いだほうがいいわ、出来ることから少しずつでもね」


「そうだな…とりあえずこの合宿中に一度、秋穂さんとは話をしてみようと思ってる」


「…そうね、話をしてみるのは良いと思う。けれど…」


何とも歯切れの悪い返答をする九条に少し違和感を覚える。


「どうした?なんか思うところでもあるのか?」


「多分、秋穂先輩は本当の事を話してはくれないと思うわ」


「あー…秋穂さんが現状を楽しんでいるからか?」


今回の出来事について、秋穂さんにとっては娯楽程度にしか思われていないかも知れない。

それを九条が懸念しているのかと思った。


「それもあるかもしれないけど、何となく…秋穂さんには別の目的があるような気がするの」


「別の目的って?」


「そこまでは分からないけど、秋穂さんにはその雪那って人が見えていたんでしょう?それでいてわざわざ羽倉君に近づけたなら、羽倉君がこういう状況に陥る事も想像出来た気がするの」


「それなのに秋穂さんはさっきも俺を助けてくれた…」


九条の真意に気付き、彼女の言葉に続けるように俺が話をすると、九条はこくりと頷いた。


「そう、何か行動に一貫性がない気がするの。それこそ私達とは全く別の目的で動いているような…」


「なるほどな…だとしたら、秋穂さんには聞いてもはぐらかされるだけかもな」


「そうね…」


唯一の頼みの綱であったはずの秋穂さんにも望みを見出せず、俺はがっくりと肩を落とす。

するとその時コンコンと扉を叩く音がした。

もう夜も更けた頃だというのに一体今度は誰だろうか?


扉を開けるとそこには少し困った様子で月白が立っていた。


「あのー、夏凜ちゃん来てませんか?さっきからどこを探してもいなくって…」


「九条?来てるけど…」


部屋の中の九条を指差すと、月白はびっくりした様子で少し声を荒げた。


「あーっ!!夏凜ちゃん!なんで羽倉君のお部屋に来てるの!?」


「えっと…ごめんなさい彼と少し話があって」


「もう、同じ部屋なのに全然帰って来ないから心配したんですよー!それならそうと言ってくれればいいのに…って、あれ…?」


話の途中で何かに気がついたのか、月白は黙り込んでしまう。


「あのー、月白?急にどうした?」


俺の問いかけに対して、月白はいたずらな笑みを浮かべて答える。


「2人ともいつもと雰囲気違いますね…さっきまでお部屋で何されてたんですか?」


「は?何って…」


「もしかしてぇ…何かいかがわしいお話されてたんじゃないですかー?」


「いかがわしいって、そんな話してるわけが…」


「えー、してたでしょ?例えばぁ…幽霊の話とか」


そう言ってニッコリと微笑む月白。

そうだ、こいつにはテレパシー、もといマインドリーディングの才能があるのを忘れていた。

どうやらこの一瞬のうちに、俺達の間に流れる微妙な空気を読み取ってしまったらしい。


まぁとはいえ、月白は俺の身に起きていることを理解しているし、今さら隠すような事もないだろう。


話の内容を看破されてしまった俺達は、月白に俺達がここまで話してきたことについて情報を共有した。


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