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とある日の幽霊部  作者: 月読つくし
第1章‐とある少女と幽霊部‐
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第24話〜最初の目的地〜


「はぁーっ、やっと着いたねー!」


新幹線を降りて駅のホームに集合すると、秋穂さんが気持ち良さそうに伸びをしている。


「数時間とはいえ、座りっぱなしは疲れますよね」


秋穂さんに優しそうに微笑みかける立花先輩。

この二人は相変わらず仲がいいようだ。


「最初はどこにいくんですか?」


楽しげに話す二人と対照的に、早速スケジュールの確認を始める風見部長と烏野。


「厳密なスケジュールを決めてきたわけではないけどね、ただ一応候補は絞っているんだ」


なるほど。

今回の旅行は幽霊部、少なくとも俺と九条は何も知らなかったため、オカ研主体で進んでいるのかと思っていたのだが、一概にそうでもないようだ。


というか…秋穂さんの思いつきにオカ研側も振り回されている可能性が高そうだな。


「幽霊部の諸君は今回の旅で行きたいところはあるかい?」


そんな事を考えていると風見部長から声をかけられる。


「俺は特にないですけど…九条は?」


「そうね…せっかくの京都だし鹿苑寺や三十三間堂とかには行きたいかしら」


「さすが九条君、承知したよ。プランの中に組み込めるように検討しよう」


「ありがとうございます」


九条の返答を聞いて満足そうに答える風見部長。


「三十三間堂はなんか聞いた事あるけど、ろくおんじってなんだ…?」


俺がそう尋ねると、九条の代わりに烏野が答える。


「はは、確かに鹿苑寺だとあまり聞き馴染みがないよね。一般的には金閣寺って言うほうが有名なんじゃないかな?」


「あぁ金閣寺か。お前すっとそう言えよ…」


「あら、自分の学がないことを他責にされても困るのだけど?」


「ま、まぁまぁ2人とも。せっかくの旅行なんし楽しく行こうよ」


俺達の掛け合いを喧嘩だと思ったのか、烏野が少し慌てて仲裁に入る。


「あ、ごめんなさい。羽倉くんへのこの対応はいつもの事だから、そんなに深刻に捉えなくていいわ」


「…え、そうなのかい?」


「そうですよー♪このお二人とっても仲がいいんですから♪」


いつの間に話を聞いていたのか俺の腕に手を回しながら、月白がそう答える。


「仲良いっていうか…普通に同じサークル仲間ってだけだ」


「あはは、まぁそういう事にしといてあげます♪」


「…仲が良いと言えば、あなたと月白さんだって随分仲が良いようにみえるけれど?」


俺と月白のやり取りを見ていた九条が、少し責めるような目をしながらそう言ってくる。


「いや、それだって別に仲が良いってわけじゃ…」


「そうですよー、春斗くんにとっては私はただの都合がいい女、ですから♪」


「…は?」


「おい月白!お前何言って…!?」


俺が慌てて月白に詰め寄ると、彼女は俺の耳元でそっと囁いた。


「だって、私はアンタにとって、唯一秘密を共有できる相手、でしょ?」

 

軽くウィンクをしながら俺からそっと離れる月白。

本当にこいつは…

半分呆れたように月白を見ていると、風見部長が声を上げた。


「よし、皆聞いてくれ。我々はこれから清水寺に向かう。はぐれないようにしっかり着いてくるように」


部長が最初の目的地を俺達に告げる。

しかし清水寺か、楽しみではあるが…


「なんか…普通の修学旅行みたいだな」


「あはは、確かに清水寺に行くだけだったらそうかもね!」


俺の呟きを聞いた秋穂さんが笑いながら答える。


「それって…つまり清水寺以外に向かう所があるってことですか?」


「そういうことー!本命は清水寺のすぐ近くにある心霊スポット…」


一呼吸置いて秋穂さんが続ける。


「花山洞だよ」


刹那、夏真っ盛りだというのに肌寒い風が吹いたのを感じた。



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