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とある日の幽霊部  作者: 月読つくし
第1章‐とある少女と幽霊部‐
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第21話〜霊に取り憑かれた人の特徴〜


「羽倉くん、あなた大丈夫…?」


月白との同盟関係を結んだ翌日、俺は幽霊部の部室を訪れていた。

この日は秋穂さんがまだ来ておらず、俺と九条の二人きりで部室にいたのだが、開口一番に九条からそんな事を言われる。


「大丈夫って、具体的に何がだ?」


「具体的にって言われると言葉に詰まるけれど…何かいつもと雰囲気が違うような気がするのよね」


「雰囲気ねぇ…まぁ最近色々あってちょっと疲れてたから、もしかしたらそれが原因かもな」


「確かに顔色もあんまり良くないわね。少し休んだほうがいいんじゃない?」


いつもなら、どんな時でも憎まれ口を忘れない九条が、珍しく真剣に俺を心配しているように見える。


「俺、そんなにヤバそうに見えるか?」


「いつもと別人みたいな雰囲気なのよね…それに目のクマとかも酷いし」


そう言って九条が手鏡を向けてくる。

なるほど、あまり気にしていなかったが確かに目元には黒く深いクマが出来ていた。


「うわぁ…ひでぇ顔だな」


「いつにも増してね」


「うるせぇよ…でもそんなに疲れてるつもり無かったんだけどな」


「気がついて無かっただけじゃない?それか何が悪いものに取り憑かれたとか」


なんてね、と冗談めかして言う九条だが、

彼女の一言で背筋がゾクリと震えるのを感じた。

なんせ今まさに俺に起きている事象を、ピシャリと言い当てられたわけだから。


「取り憑かれた…ね」


「さすがに冗談だから気にしなくていいわよ、ちょっと特徴が似ててそう思っただけだから」


「特徴が似てるってどういう意味だ?」


「今のあなたと霊に取り憑かれた人の特徴が似てるってことよ。常に疲労を感じたり、夜眠れなくなって目にクマが出来たりとかその辺りが、ね」


なるほど、実際現在進行系で幽霊…というか雪那さん?に取り憑かれた、あるいは交流したことで何か異変が生じた状態にある。

そのため特徴が似ているのはおかしな事ではないのだが…


「取り憑かれた場合ってそんな露骨に身体に影響が出るもんなんだな…」


「まぁ、1つの身体に2つの魂が入っているような状態だからね。人間の許容限界を超えている以上、何かしらの不具合が出るのも無理はないでしょうね」


「なるほどな…ちなみに、他には何か影響が出たりするのか?」


「他だと…常にイライラしたり、性格が異常に攻撃的になったり…あとは何かにやたらと固執するようになったりするらしいわ」


「なんか…嬉しくない特徴ばっかだな…」


「取り憑かれてるのにいい影響が出るわけ無いでしょ?」


「まぁそうなんだけどさ…」


「というか、随分この話に興味があるみたいだけど…何か思い当たる節とかあるの?」


「は?おまっ、そんなわけ…」


「その反応…絶対何かあるでしょ?」


疑いの目を向けてくる九条。

本当にこういう時のこいつは鋭いから厄介だ。


俺の身に起きていることを話してもいいのだが、多分信じてもらえないだろうし、何より事情を知らない九条をこの件に巻き込むのは気が引ける。


となると選択肢は1つ。

何とか誤魔化してこの場を切り抜けよう。

そう決意をして九条に向かい合った時…


「2人とも!遅くなってごめん!!」


秋穂さんが慌ただしく部屋に入ってきた。


「秋穂さん、そんな急いでどうしたんですか?」


「2人に早く伝えたいことがあって!!」


事情を聞くと、目をキラキラさせながら話す秋穂さん。

この流れは…何だか嫌な予感がする。


「2人とも!オカ研の皆と一緒に旅行行こ!!」


嫌な予感的中…俺と九条は一瞬目を見合わせた後、同時に頭を抱えるのだった。


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