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とある日の幽霊部  作者: 月読つくし
第1章‐とある少女と幽霊部‐
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第12話〜幽霊オカルト交流戦③〜

「いやいやいや、諦めるの早すぎません?」


あっさり過ぎる敗北宣言をして戻ってきた秋穂さんにさすがに突っ込みを入れる。


「あはは、向こうが一枚上手だったねー!」


「絶対粘れたでしょ!?」


「仕方ないわよ羽倉くん。明らかにIQは向こうの方が高かったでしょう?あそこで粘ったとしても多分勝ち目はなかったわ」


「まぁ…それは確かに」


「ねぇ、ちょっと?」


「実力差を考えたら、最初から不戦敗でもおかしくなかったでしょ?それでも戦っただけ偉いと思うわ」


「秋穂さんなりに最大限頑張ったってことか…それなら責められないな」


「2人とも酷すぎない!?」


涙目で非難してくる秋穂さん、もちろん冗談なんだけどな。

とまぁ、秋穂さんを一通りいじったことで場の空気は和んだが、それでも状況がまずいことに変わりはない。


次もし負ければ幽霊部側の敗北が確定。

秋穂さんはオカ研所属となり、実質幽霊部は解体になりかねない。

何としても勝たなくてはならないのだが…


「さぁ、そろそろ最終戦といこうか。最後は自動的に烏野君対羽倉君の勝負となったね」


俺の相手はあのいけ好かない男だ。

できるだけ関わりたくなかったのに、対戦相手になってしまうとは。


「羽倉くん、まさか男同士の勝負になるなんてね!これは楽しくなりそうだね」


「そうっすね」


「じゃあ正々堂々楽しく勝負をしよう!」


「そうっすね」


陽キャオーラ前回で色々話しかけてくる烏野。

もうこの会話だけでこいつと性格が合わない事がよく分かる。

なんだ正々堂々って、俺から一番遠い言葉だぞが。


「それでは最後のディベートテーマを発表しよう、これだ」


【タイムマシンを作ることはできるか】


まさかの最後はがっつりSFテーマだった。


「これ、幽霊もオカルトも関係なくないですか?」


「SFはオカルトから切っても切れない要素だよ?そういう意味ではタイムマシンだって立派なオカルト分野だろう」


俺の突っ込みを独自の視点で否定してくる風見部長。

まぁ向こうの進行で進んでいる以上、決められたテーマで話すしかないか。


「じゃあ烏野、可能不可能どっちで話すか決めてくれ」


「選択権をくれるのか?羽倉くんは結構優しいんだね!」


「そういうのいいから、早く選んでくれ」


「じゃあ常識的に考えて…不可能派にさせてもらうよ」


「そうなると、羽倉くんは可能派だね。それでは議論を始めてくれ」


風見部長の合図で議論が始まる。


「じゃあまず烏野、タイムマシンが不可能だって主張の理由を聞いていいか?」


「それは簡単だよ、今実在していないからさ」


「というと?」


「もしタイムマシンが発明されているなら、過去に戻ってその作成方法を伝える人間がいてもおかしくない。そうなれば現時点でタイムマシンが存在しても全く不思議じゃないよね」


「まぁな」


「でも実際はそうなっていない。これがそのままタイムマシンが存在しない根拠となるわけさ」


烏野がこの方面で攻めてきてくれて助かった。

これなら、戦う余地がある。


「それはあくまで過去へのタイムスリップの話だろ?」


「え…?それはそうだけど」


「確かに過去へ行くタイムマシンは作れないって理屈は分かる、でも片道で未来に行く場合はどうだ?」


「その場合も無理だと思うが…それなら作れるって言いたいのか?」


「理論上は可能らしいぞ、光速さえ超えられれば、その速さで宇宙に出て帰ってくる装置を作れば未来行きのタイムマシン完成だ」


光速を越えた段階で今生きている世界との時間の進み方が変わる。

だから光速を越えて移動した先は未来の世界になる。いわゆる相対性理論とかいうやつだ。


「随分簡単に言うが…光速を越えるなんて普通は無理だろう」


「今はな、だが将来的に絶対無理と断じれるものでもないだろう?実際音速は超えたんだしな」


「それはそうだが…」


「絶対的な否定要素がない以上、未来行きのタイムマシンは可能と見てもいいだろう。なんせ理論上は可能なわけだからな」


「だが…未来に行くタイムマシンが出来たとして、それが矛盾を生む可能性はないのか?」


「さぁな、もしかしたらあるかもしれない。でもその時点で過去にいる俺達にとっては関係ない話だし、確認する術もない」


未来に起こることなど誰にも予測できないんだからな、と付け加える。

この時点で烏野は黙ったので、最後に結論を述べることにする。


「まとめると俺の主張はこうだ。過去行きは無理でも、未来に行く機械は作れる。そして未来への片道切符だとしてと、タイムスリップをする事には変わりないのだから、タイムマシンを作ることは可能だ。なんか反論あるか?」


「…いや、そもそも片道のみのタイムスリップという発想は僕にはなかった。そこを今から反論する意見は思い浮かばないよ」


自分の負けだ、と両手を上げる仕草をする烏野。それを見て風見部長がジャッジをする。


「ふむ、最後まで僕の判定をする余地がなかったのは不服だが…これは確かに勝敗は明らかだね。この勝負、羽倉くんの勝利だ」


こうして最終戦は俺達幽霊部の勝利となった。


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