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とある日の幽霊部  作者: 月読つくし
第1章‐とある少女と幽霊部‐
29/77

第12話〜幽霊オカルト交流戦②〜

「とりあえず、まずは1勝ですね」


初戦を終えた九条を、俺と秋穂さんが迎え入れる。 


「さっすが夏凜ちゃん!圧勝だったね」


「えぇ、あちらがやる気なかったのもありそうですが」


そう言いながら月白を一瞥する九条。

確かに九条のペースになったとはいえやけにあっさりと引いたよな。

まあ、こちらとしては勝てればそれで良いのだが。


「1戦目は幽霊部の勝利だね、実に見事だった。では早速だが2戦目といこうか。」


淡々と進行を続ける風見部長、なるほど公平にジャッジするという話は信じていいようだな。


再びくじ引きが行われ、2戦目はこちらは秋穂さん、向こうは副部長の立花先輩が選ばれた。


「秋穂ちゃん、よろしくお願いしますね」


「涼ちゃん、久しぶり!こちらこそだよー!」


こらから対決するとは思えないような仲睦まじい様子の2人。

そうか、同じ学年だしこの2人も顔見知りなのか。


「でも久々の再開でいきなりディベートなんて、ちょっと複雑な気分ですね」


「あはは!大丈夫だよ、せっかくだし楽しくやろ!」


「秋穂ちゃんらしいですね、でも、それなら私も楽しませてもらいますね!」


「準備はいいようだね、では2回目のお題はこれだ」


【本当に怖いのは幽霊か、人か】


「なかなか良い題材だろう?さて、どちらのスタンスを取るかを決めてくれ」


「私は幽霊部だし、幽霊派かなー。涼ちゃんは?」


「私は人間が一番怖いと思ってます。いい感じに別れましたね」


「よろしい。では議論を始めてくれ」


風見部長の合図でディベートが始まる。


「では、秋穂ちゃん。秋穂ちゃんが幽霊の方が怖いと思ってる理由はなんですか?」


「うーん、だって幽霊って触れなれないし、何考えてるか分からなかったりするじゃない?そういうのが怖いなって」


「確かに一般的な幽霊の解釈ではそうですね」


「その点相手が人なら話が通じるし、少しはマシかなって思うんだよね」


「なるほど…ですがそれはあくまでイメージの話なのでは?」


「え、そうかな?」


「はい、だって秋穂ちゃん、幽霊を実際に見たことないでしょう?」


「あるよ?」


「え…?」


一瞬場の空気が変わったのを感じる。


「…」


「…えっと…」


「あはは、ごめん冗談!さすがに見たことないよ」


笑顔で発言を撤回する秋穂さん。

その様子をみて立花先輩もそっと胸を撫で下ろす。


だが俺は秋穂さんの様子に違和感を感じずにはいられなかった。

なぜなら先程の彼女は1ミリも冗談を言っているようには見えなかったからだ。

俺にはそれが、当たり前のことを反射的に答えた時のような反応に見えて仕方がなかった。


「見たことがないのでしたら、秋穂ちゃんの幽霊に対するイメージは誰かによって作られてたもの、ということになりますよね」


「うん、確かにそうだね」


「はい、そしてそのイメージを作ったのは人間です。つまり…」


「あくまで人間が想像した幽霊という概念に恐怖を抱いている以上、幽霊より人間の方が怖いと?」


「その通りです」


「なるほど!そういう方向で攻められちゃうと反論の余地がないやー、これは涼ちゃんの勝ちだね」


「え?もう良いのですか?」


「うん、この方向だと反論するのが難しいもの」


「そうですか…」


「じゃあ今回は私の負け!試合は1対1ってことで最終戦の2人に頑張ってもらおう?」


「はい…」


何か得体のしれない違和感を残しつつ、第2試合は幽霊部の負けとなった。

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