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とある日の幽霊部  作者: 月読つくし
第1章‐とある少女と幽霊部‐
24/77

第9話〜不思議の国と幽霊部〜



九条の兄さんのプレゼント購入という目的を早々に達成してしまい、俺達は早々に手持ち無沙汰になっていた。


「そういや、この後の予定って決まってんのか?」


「いえ、特には。午前中は買い物だけして、終わったらお昼食べて解散って考えていたんだけど…」


時刻はまだ11時。

さすがに昼ごはんを食べるのには早すぎる時間である。


「どうすっかなぁ…目的も達成したし帰るか?」


「さすがにそれは…。こんな一瞬のために呼び出したっていうのは気が引けるし、ご飯くらい奢らせて」


「まぁ確かにわざわざ池袋まで来て速攻で変えるのも味気ないよなぁ‥」


「ちょっと探せば時間を潰せる場所くらいすぐ見つかるわよ…あ!これとかどう?」


 そう言って九条が1枚のポスターを指差す。

それは【ワンダーランド幽霊フェア】と書かれたテーマパークの広告だった。


 ワンダーランドというのは、池袋スターライトビルにある犬をモチーフにした室内型テーマパークだ。

園内を散策する謎解きや、妖怪をモチーフにしたエリアなど、室内でありながら数々のアトラクションがあり、子供や女性を中心に人気を博している施設である。

 

「ワンダーランドか。最近行ってなかったけど夏イベントやってるんだな」


「えぇ、しかもホラー要素強めだしあなたも興味あるんじゃない?」


「だな…正直めっちゃ刺さるな」


「それじゃあ決まりね、行きましょう」


こうして俺達はワンダーランドに向かうことにした。


−−

−−−


「すごい‥屋内にこんな施設があったのね。私入ったの初めてだわ」


 遊園地に来たというだけあって、心なしかテンションが高い九条。

しかし男女2人で遊園地とか、これ完全に‥


「デート、だよなぁ」


「どうしたの?早く行きましょ」


どうやら九条は全く気にしていないようだが。


「幽霊フェアは16時からみたいね。あ、でもこの妖怪横丁っていうエリアは今からでも入れるみたい」


「そこは常設エリアだからな、興味あるなら先行ってみるか?」


「そうね、行ってみたいわ」


九条の要望によりホラーエリアに向かうことにした。

いきなりこっちに向かう辺り、さすがは幽霊部といったところだろうか。


「ホラーエリアっていうから身構えていたけど、結構可愛らしい感じなのね」


入口にいる犬のキャラクターを見ながら、九条が感想を述べる。


「まぁ基本子供でも楽しめる施設だからな、でも結構びっくりするような仕掛けもあるんだぞ。例えば‥あ、ここに手を入れてみてくれるか?」


「こうかしら……?きゃっ!?」


センサーに反応して模型の妖怪がこちらを驚かせてくる。

単純な仕掛けだが、九条は見事に引っかかってくれた。


「結構凝ってるのね‥びっくりしたわ」


「やっぱり九条でもビビるんだな、意外とこういうとこ苦手なのか?」


「どうかしら、遊園地なんてほとんど来たことないもの」


「なるほどな、じゃあせっかくだし色々見てみようぜ」


その後俺達は妖怪横丁を中心に他のエリアを周ったり、昼飯を食べたりでワンダーランドを満喫した。


 不思議と時間が過ぎるのはあっという間で、気がつくと幽霊フェアが始まる時間になっていた。


「なんか、さっきまでと明らかに雰囲気違うな」


「えぇ…そうね」


時間になったので再び妖怪横丁へと戻ってきた俺達。

入口からしてさっきまでの雰囲気とはまるで違い、怪しげで近寄り難い独特なオーラを放っていた。

さすがは幽霊フェア。これは楽しめそうである。


「じゃあ行くかー」


そう言いながら足を踏み入れる。

こうしてワンダーランド夜の部が始まるのだった。


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