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とある日の幽霊部  作者: 月読つくし
第1章‐とある少女と幽霊部‐
23/77

第8話〜デートとセンスと池袋〜


池袋。


東京都豊島区池袋駅を中心とした東京有数の繁華街である。

そしてこの街。実は日本有数の心霊スポットの名所として知られている。

今回はそんな聖地池袋で、心霊スポット巡りをしようというわけだ。


「まぁ、普通に買い物なわけだが」


そう、今日ここに来た目的は九条のプレゼント選びに付き合うこと。

つまりはただのお買い物である。

だがしかし、休日に男女2人で繁華街に買い物、それは世間一般の言うところの…


「デー…」


「おはよ、早いのね」


「なっ!?来てたのかよ!?」


声をかけられ振り向くと、水色のワンピースに身を包んだ九条が立っていた。

大学で私服は見慣れているはずだったが、不思議と今日の彼女はいつもと違う雰囲気がした。  


「丁度着いたところよ。あなたは?」


「いや、俺もいま来たところだけど…」


「そう、よかった。休日に付き合ってもらっちゃって悪いわね、行きましょうか」


「お、おう…」


そう言って俺達は歩き出す。

こうして並んで歩くだけでも、不思議と落ち着かない気持ちになるのはなぜだろうか。


「そ、それで、買い物ってどこに行くんだよ?」


「あぁ、それならもう着くわよ。ほら、ここ。」


「あぁ、スターライト70ビルか」


スターライト70ビル。

日本でも有数の超高層ビルであり、多数の企業の本拠地になっているだけでなく、数々の商業施設やテーマパークなどが立ち並ぶ、まさに池袋の象徴とも言える建物だ。


「正直何を買っていいのか悩んでたから、色んなお店が入ってるところから探そうと思って」


「まぁ買うものに当たりがついてないなら、それが妥当だよな」


「でしょ?じゃ、とりあえず入りましょ」


土曜日の午前中ということもあり分かってはいたが、中は家族連れやカップルに溢れ大盛況だった。


「すげぇ人だな」


「そうね。普段平日に来ることが多いから、ここまで混んでるのは予想外だったわ…」


「ま、こればっかりは仕方ないな。それでどの辺から見ていく?」


「そうね、とりあえずアクセサリとか小物類から見たいから、下のフロアーに移動しましょうか」


「りょーかい」


そんなわけで、俺達はまず地下フロアから巡っていくことにした。


−−

−−−


「こういう指輪とかはどうかしら?」


「…いや、ないな」


「じゃあ、このブレスレットとかは? 」


「ない」


「そしたら…あ、このネックレスとかいいんじゃない」


「いや、なんで全部ドクロ入ってんだよ、あれなの?お前の兄さん中二病なの?」


「え?男の人ってこういうドクロがついた小物が好きなんじゃないの?」


「よほどメタルな人間以外、そういう趣味は中学生で卒業するもんだ」


まぁ、俺は高校までかかったが…


「そう…やっぱり男性の趣味って難しいのね」


「お前…本当にプレゼント選びのセンス無いのな」


「仕方ないでしょ?男の人の好みとか普段考えることないし」


「失礼ながら、彼氏がいたことは?」


「ないし、いらないわ」


「だろうな…」


まぁ九条のことだ、決してモテないわけではなく本当に興味がないから作らないというだけなのだろう。


「あなたと違ってね」


「うるせぇ、だから心の声を読むな」


「これに関しては分かりやすぎるあなたにも非があると思うけど」


「んなわけあるか…とにかく、ドクロ以外のものにしようぜ」


「うーん、そうね…参考までにあなただったらどんなものを貰うと嬉しいの?」


「そうだな…無難なものにはなるけど、兄さん就活生だろ?だったらハンカチとかネクタイとかいいんじゃないか?それなら社会人になっても使えるし」


そう言った瞬間、信じられないというような顔を九条が向けてくる。


「なんだ?そんな変なこと言ったか…?」


「いえ、単純にその発想はなかっただけよ…ネクタイとハンカチ。それすごくいいわね」


「いや…誰でも思い付く範囲だと思うんだが…」


「少なくとも私では考え付かなかったわ。ありがとう羽倉くん、早速買いに行きましょう…!」


名案を耳にしたとばかりに珍しくテンションが高い九条。

その後すぐにお目当てのハンカチとネクタイを見つけ購入することができ、

九条の買い物は意外なほどあっさり終了となった。



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