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とある日の幽霊部  作者: 月読つくし
第1章‐とある少女と幽霊部‐
21/77

第7話〜とある疑念と霊感がある人の特徴〜


秋穂さんには霊感があるのではないか。


何なく以前から気になっていたことではあるが、新歓合宿後からその疑念はより強くなっていた。


(やっぱり来たんだね)


(言ったでしょ、2人のところに来るかもって)


無意識に合宿が終わる間際に秋穂さんが言ったセリフが頭をよぎる。


「2人のところに来るかも、か。」


思い返してみれば、この台詞は【ババサレ】の事を言っていたのだろう。

話を聞いた人のもとに現れるという妖怪。

それが百物語で存在を知った俺と九條の元に現れたのかもしれないということだ。


しかしなぜ秋穂さんは朝になって【ババサレ】が俺達の元に来たのだと思ったのだろうか。

もちろん、俺達を怖がらせるための冗談という可能性が一番高い。


だが、そうだとすればあの場でそれを強調せず変に取り繕っていたのは不自然だ。


そして何より、秋穂さんあの時何かの気配を感じ取っていたように見えた。


だとしたら彼女は本当に―


部室で一人思考を巡らせていると、ゆっくりと部屋の扉が開いた。


「遅くなりました。あら、今日は羽倉くん1人?」


「あぁ…秋穂さんもまだ来てないみたいだよ」


「そうなんだ…というかどうしたの?冴えない顔がさらに酷い事になってるわよ」


「さらっと暴言吐くの止めろ、容姿の批判は炎上案件だぞ」


「時代の移り変わりって怖いわね」


いや、そういうことじゃねぇよ。

というか、世代的にお前はこっち側だろう。

普段ならそんな突っ込みを入れるところだが、今日は何となくそういう気分じゃなかった。


「で、本当にどうしたの?」


「ちょっと考え事しててさ」


「考え事って?」


「変なこと言うけど、霊感がある人って本当にいるのかなってさ」


「ほんとに変なこというのね」


「うるせぇ…で、九條はどう思う?」


「いると思う、でも見たことはないけどね」


「だよ、な」


「随分歯切れが悪いわね」


幽霊部に所属している以上、九條だって少なからず霊感や幽霊といった怪異が実在することを期待しているはず。

それ故にこの答えは予想通りであった。


「いや、何でもないよ」


「まぁ霊感なんて目に見える物じゃないからね。一応霊感強い人に共通する特徴的とかはあるらしいけど」


「それって例えばどんなのだ?」


「何個かあるけど…例えば純粋で人を疑わなかったり、社交的だったりする人とか」


人を疑わずに社交的、一瞬秋穂さんの顔が浮かんだがすぐに別に秋穂さんに限った特徴ではないことに気がつく。


「それ当てはまる人めちゃくちゃ多そうだな…」


「あなたは当てはまらないけどね」


「余計なお世話だ、っていうかお前もだろ」


「ま、否定はしないわ。あと人混みを嫌う傾向が強いそうよ。」


「なんか、最初の2つと矛盾しないか?」


特に社交的であるならば、むしろ人混み好きな人の方が多いだろうに。


「意外とそうでもないわよ、社交的に振る舞えるけど1人の方が好きって人も多いし」


「なるほどなぁ…まぁ1人が気楽っていうのは分かる」


「あとは…よく視線を感じることがある。予知夢を見ることが多い、みたいなのもあるわよ」


「おぉ、いかにもな感じだな」


「この手のオカルトの定番よね。でも予知夢が見れるって、霊感があるよりすごい気がする気がするけれど」


「確かに幽霊と未来どっちが見えるようになりたいかってなると、未来の方が見たいかもな…」


「そうなるわよね」


と幽霊部の思考としては駄目な気がするが、比較対象が未来ならそりゃ未来の方が見たいに決まっている。

なんか色々便利そうだし。


と、幽霊部としてあるまじき結論を出したところで霊感談義は終了となった。



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