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とある日の幽霊部  作者: 月読つくし
第1章‐とある少女と幽霊部‐
18/77

第6話〜新歓合宿開始⑤〜

秋穂さんに連れられて、俺達は目的地に到着した。


「じゃーん!ここが今日の宿だよ!」


「いや…駅じゃん」 


そこは紛うことなき秋葉原駅だった。


「やっぱり帰ることにしたんですか?」


その九條の問いに秋穂さんは大きく首を振った。


「そんな訳無いでしょー!このホテル、駅と一体になってるんだよ!」


そう言いながら秋穂さんが駅の横にある階段を指差す。

確かにそこにはホテルの入口と階段があった。


「おぉホントだ…でも駅直結のホテルってめっちゃ高そうですね…」


「ん?結構リーズナブルだよ。あ、それにお金のことは気にしなくていいから!新歓だし私の奢りだよ!」


「いや、そんなわけには行かないでしょ。だって普通に数万くらいするんじゃ…」


「たった数万でしょ?別に気にすることないって!」


「…は?」


たった…数万?

俺達は貧乏学生が口にしていい言葉ではないはずだ。


「もしかして秋穂さんってめっちゃお金持ちだったりするんですか…?」


「ん、どうだろう。あんまりお金で苦労したことはないけど、他の人と比べたこととかないから分かんないや」


「あぁ…なるほど」


よくわかった、これはどう考えても金持ちの発言だ。

だが、人様の金銭事情をあれこれ問うのはさすがに失礼だし、深くは追求しないことにした。


「まぁ、今回は私が2人にしてあげたいだけだから、あんまり気にしないでよ!」


「分かりました、ありがとうございます」


「じゃあ、すみません…今回は秋穂先輩のご厚意に甘えますね」


−−

−−−


チェックインを済ませた俺達は、それぞれの部屋に向かう。

秋穂さんと九條が相部屋で、俺は1人部屋である。


「じゃあ少し部屋でゆっくりしてから、後で春斗くんの部屋に集合ね!」


「え?これで解散、就寝。ってわけじゃないんですか?」


「そんなわけ無いじゃん!何のためにホテル取ったと思ってるのー?今夜は寝かさないから、楽しみにしててね?」


意味深な発言を残して自分の部屋に入っていく秋穂さん。

あの人の事だからまた何か企画があるのだろうが、なぜ俺の部屋なんだろうか。

まぁ逆にあの2人の部屋に俺が入るというのも気が引けるし、集合するなら俺の部屋で良かったのかもしれないが…。


そんな思考を巡らせながら2時間ほど部屋でくつろいでいると、チャイムが鳴る。

一応ドアスコープから外を除くと秋穂さんと九條が立っていた。

まぁ、この2人以外尋ねて来るやつなんていないんだけどな。

そのまま扉を開け2人を部屋に招き入れた。


「春斗くんちょっとは休めたー?」


「えぇ、おかげさまで」


「それなら良かった!ごめんね、もうちょっと早く来ようかと思ったんだけど、お風呂入ったりしてたら長引いちゃってー」


「え、いや。別にそれは全然いいですけど…」


改めて二人を見ると風呂上がりということもあって、かなりラフな格好をしている。

特に九條は普段なら絶対に履かないハーフパンツ姿であり、真っ白な足が露出していた。


「え、えっと!これからなにするんでしたっけ?」


思わず九條の足に釘付けになってしまったことを誤魔化すように、俺は大袈裟に秋穂さんに尋ねた。


「ふふふ、良く聞いてくれました!」


不適に微笑む秋穂さん。


「今からやるのは…百物語だよ!」


「百…」


「物語…」


新歓の企画だしオカルト関係だとは思っていたが、まさか百物語とは。

なるほどこれは確かに…


「寝れない夜になりそうだ」



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