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とある日の幽霊部  作者: 月読つくし
第1章‐とある少女と幽霊部‐
16/77

第6話〜新歓合宿開始③〜


花房稲荷神社を後にした俺達は、再び中央通りに戻ってきた。


「次どこ行くんですか?」


「うーん、もうひとつ行きたい場所があるんだけど、その前にちょっとお腹すかない?」


「あー、そう言われてみれば確かに」


まだ昼前ではあったが集合時間が早かったこともあり、小腹が空いていることに気がつく。


「じゃあちょっと早いけど、お昼にしよっか!」


そんな秋穂さんの提案で昼飯を取ることにした俺たち。


「それで…どこで食べますか?私あんまりご飯事情詳はしくないですよ」


そう断りを入れる九條。

元々彼女は食にこだわりがないタイプのようで、昼飯も適当にコンビニで買って食べていることが多い。

食べられれば何でもいいスタンスなのだろう。


「大丈夫だよ!ちゃんと決めてあるから!」


九條と対象的に自信満々に答える秋穂さん。

この様子だと良い店を知っているのだろう。

こういうの詳しそうだし。

俺達は深く考えず、秋穂さんのあとに続いて歩きだした。


−−

−−−


「な、なんで…」


地面に手を付き絶望の表情を浮かべる秋穂さん。

結果から言うと秋穂さんオススメのお店は休みだった。

そこは知る人ぞ知るラーメン屋らしいが休みが不定期らしく、運悪く今日は休みだったというわけである。


「休みなら仕方ないですね…秋穂先輩、他にオススメありますか?」


「もうどこでもいいよ」


「テンション下がり過ぎですよ…羽倉くん、どこかお店知らない?」


「俺に振るのかよ…」


「仕方ないでしょ、私詳しくないし。出来るだけ秋穂先輩が喜びそうなところでお願い」


「んな無茶な…」


秋穂さんが喜びそうな店…秋穂さんって普段何食べるんだ?

好みとか聞いたこともないので、正直全くわからない。

しかし、分からないまま思考を廻らせていると、1か所だけ条件を満たしそうな場所を思いついた。 


「2人とも付いてきてくれ」


「いいけど…お店どこか思いついたの?どんな所?」


「着けばすぐ分かるよ、とりあえずいくぞ」



−−

−−−


「よし、ここだ」


「ここって…」


「おぉー!もしかしてメイドカフェ?!」


看板を見た途端元気を取り戻す秋穂さん。

まぁこれは想定内である。

そして、対象的にゴミを見るような鋭い視線を送り付けてくる九條。

まぁこれも想定内である。


「女子二人連れて案内する場所がメイドカフェって」


「いや、秋穂さんが喜びそうな場所っていうから…」


非難の目を向ける九條だが、俺は要望に答えただけだ。

そんな顔をされる筋合いなどないだろう。

それに…


「ま、ここは多分お前の想像するようなメイドカフェじゃないから大丈夫だよ」


「どういうこと?」


「入れば分かる」


「じゃ!とりあえず入ってみよっか!」


対象的な美少女2人を連れ、俺は店内へ足を踏み入れた。 


−−

−−−


「確かに…思ってたのと違うわね」


席に案内され注文を終えたところで九條がつぶやく。


「だね!定員さんのメイド服はめっちゃ可愛かったけど、接客とかは普通なんだね!」


「ですね…てっきりメニューも【萌え萌えオムライス】みたいな過激なのを想像してましたけど、わりと普通だし…」


「ま、ここは歴史あるメイドカフェだからな。今でこそメイドカフェって言ったら過激なサービスが売りだけど、昔はそうじゃなくて、格式あるサービスが売りだったんだよ」


それこそ本当のメイドに使えてもらっている気分になれるような、な。

そう得意気に話をする俺の顔を見て若干、引いたような顔をする2人。


「確かにここがいいお店なのは認めるわ。明らかに常連っぽいあなたにはちょっと引いたけど」


「なんでだよ!?」


「夏凜ちゃん、人の好みを悪く言うのは駄目だよー。今はダイバーシティの時代なんだから」


「秋穂さん、フォローになってないですよ。とりあえず俺を異端扱いするのやめてください。」


 せっかく俺の行きつけを教えてやったというのに、実に失礼な奴らだ。

この2人には多いに不満をぶつけてやりたい気分だったが、この格式高い雰囲気のカフェにそんな空気を持ち込むのは無粋である。

今俺はこの店のメイド達にとっては主人なわけだからな。

許してやろうじゃないか、寛容な精神で。


「羽倉くん、絶対いま変なこと考えてるでしょ?」


「うるさい…」


何はともあれ、俺達はそれぞれ食事とアフタヌーンティーまで堪能した。

秋穂さんはかなり気に入ったようで、ちゃっかりお土産用の紅茶まで買っていた。

まぁ色々言われたが、気に入ってもらえたのなら何よりだ。

なんだかんだで満足しつつ、俺達は次の目的地に向かうのだった。


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