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とある日の幽霊部  作者: 月読つくし
第1章‐とある少女と幽霊部‐
14/77

第6話〜新歓合宿開始①〜

季節はゴールデンウィーク。


大学入学から1ヶ月が経ち、奇妙な新生活にも慣れてきた頃。


「ねぇ、新歓合宿やろうか!!」


「「嫌ですけど」」


唐突な秋穂さんの問いかけにハモりながら否定する俺と九條。


「2人とも酷くない!?」


「このサークル、新歓合宿なんてやる規模じゃないでしょう?」


「規模とか関係ないから!大事なのは気持ちだから!」


「気持ちの面でも3分の2が否定派ですよ」


「うっ…」


ものの数秒で論破されてしまう秋穂さん。

九條は落とせないと悟ったのか、何かを訴えるようにこちらを見てくる。


「はるとくん、本当は行きたいよね…?」


「別に…」


「行きたいよね?」


「いや、だから別に…」


「い・き・た・い・よ・ね?」


「怖い!圧が!怖い!」


 笑顔だが、鬼のような気迫をまとう秋穂さん。

ほんとこの人の強引さは時折恐ろしい。

まぁ、美人に迫られるというのは悪い気はしないから、たまにならいいんだけどね、うん。


「ね!?行きたいよね?私が誘ってるんだし行きたくないわけないよね!?」


「先輩…それパワハラですよ」


俺への圧に対して冷静な突っ込みを入れる九條。


「だって、行きたいんだもん…」


 咎められたことで少ししょぼくれる秋穂さん。

何だこの可愛い生き物、一瞬行くっていいかけたぞ。


「夏凜ちゃん…どうしてもダメ…?」


 パワープレイが通じないと分かったため、次は泣き落としにかかることにしたようだ。

そしてその作戦、恐らく効果は絶大である。


「え?…いや、どうしてもという訳では…」


「一緒に行こ?ね?」


「えっと、その…」


「夏凜ちゃん…おねがい!」


「はぁ…仕方ないですね」


「えへへー、ありがとう!」


 あれだけ拒否していた九條が、ものの数秒で陥落してしまった。

恐るべし、秋穂さんの泣き落とし。

そして、こうなると…


「じゃ、春斗くんも来てくれるよね?」


「…やっぱりそうなります?」


「とうぜん!」


「私達だけ行って、あなたは休むとか許さないからね」


 九條が行く派になったことで、完全に均衡が崩れてしまった。

これは行かないという選択肢はなさそうだ。


「…分かりましたよ」


「よし決まり!じゃあ場所なんだけどね!」


こうして俺達幽霊部初の新歓合宿が決まったのだった。


−−

−−−


2023年5月、俺達は秋葉原にいた。


「さて!ただいまより我が幽霊部初の新歓合宿を開催致します!!」


 高らかに開始の宣言する秋穂さん、朝の9時とは思えないほどのテンションである,

対象的に九條は死んだ目をしていた。


「なんで合宿地が秋葉原なんですか…」


不満を漏らす九條。

まぁ、無理もないだろう。

なぜなら秋葉原はうちの大学から3駅ほどしか離れていない、言ってみれば超近場なのである。


「いや、好きですよ秋葉原…私もホラーゲームとか買いによく来ますし。でも合宿地がアキバって…」


ごもっともである。

確かに秋葉原は観光地としては有名だが、地元学生が合宿地として選ぶパターンはまぁないだろう。


「甘いね、夏凜ちゃん!秋葉原を選んだのはちゃんと理由があるんだから!すぐわかると思うから楽しみにしててね♪」


随分と上機嫌な秋穂さん。

どうやら考えた上でこの場所を選んだようだ。


「ま、色々紹介したいこととかやりたいこととか考えてるからさ!今回は先輩に任せてよ!」


そう言うと胸を叩いてみせる秋穂さん。

これから一体何が始まるのだろうか、いささか不安は残るが、まぁオカルト関係という事ならこの人が外すこともないだろう。


「じゃあまずはー、あの神社から♪」


そういうと先陣を切って歩き出す秋穂さん。


かくして、期待と不安が入り混じった幽霊部の新歓合宿が始まるのだった。

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