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とある日の幽霊部  作者: 月読つくし
第1章‐とある少女と幽霊部‐
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閑話休題⑤〜八重雪那?〜

雪那さんとの出会った日の翌日。


「なんか、すごい匂いするんだけど…」


部室に来てからすぐ、九條が顔をしかめながら呟く。


「あー、言われてみればそだね。。」


「羽倉くん、ちょっと外出ててもらえる?」


「いや、なんで原因俺みたいになってんだよ…」


「だって何かが腐った臭いがするもの。腐敗臭といえばあなたみたいな所あるでしょ?」


「お前な…」


 人を腐敗物扱いするとは相変わらず俺に対する扱いが酷いな。

しかし確かにこの腐敗臭は中々のものだ、一体どこからこんな匂いが…


「あ…」


 考えを巡らせたところで1つ思い当たる節があることに気がつく。

俺は黙ってゴミ箱を覗き込む。


「なるほど…これが原因か」


「ゴミ箱…?何か変なものでも捨てたわけ?」


「いや、腐った食べ物が入ってるんだよ」


俺の返答にきょとんとした顔を浮かべる2人。


「えーと、羽倉くん?どうしてそんなの捨てたの?」


「いや、これは俺じゃなくて…」


「春斗くんじゃない?…そしたら、もしかして八重ちゃん?」


「八重さんって誰ですか?」


 秋穂さんの言葉に九條が疑問を投げかける。俺自身も八重という名前に聞き覚えがなかったので、一瞬誰のことが分からなかった。


「ほら、前に話したの覚えてる?私と一緒に幽霊部を作った子」


「あぁ、確かに言ってたかもですね」


 相変わらず九條は他人に興味がないようで、秋穂さんの話を忘れていたようだ。

 しかし秋穂さんの話から察するに、八重という

のはやはり雪那さんの事を指しているようだった。


「それで春斗くん、もしかして八重ちゃんに会ったの?」


「えぇ、まぁ、昨日偶然」

「そーなんだ!?部室に顔を出すなんてめずらしい」


 心から驚いたような表情を浮かべる秋穂さんに、九條が突っ込みを入れる。


「部室なんだし、部員が顔を出すのくらいは普通なんじゃないですか?」


「うーん、八重ちゃんこのサークルが出来てから数えるくらいしか来たことないからなー、基本一人が好きな子だから…」


「あぁ、確かに本人も言ってましたね」


「でしょ?だから基本的には八重ちゃんがここに顔出すことってないんだ、もうほとんど幽霊部員状態だよ」


幽霊部だけにね、とあっけらかんと答える秋穂さん。

俺の頭にここで1つの疑問が浮かぶ。


「秋穂さんとせつ…八重さんって仲いいわけじゃないんですか?」


 思わず雪那さんと言いかけたが、俺一人が名前呼びするのも気が引けたため、慌てて言い直す。


「私は友達だと思ってるよ?でも八重ちゃんはどうかなぁ…」


あはは。と少し乾いた笑いを浮かべる秋穂さん。


「え、じゃあどうしてサークル一緒に作ったんです?」


「そこには深い事情があって…うちの大学ってサークル一人じゃ作れないんだよね、最低でも2人以上で申請するの…」


 大学のサークル設立にそんなルールがあるとは知らなかった。

 だが、逆に2人いればサークルは作れるわけか、条件としては意外と緩いような気もする。

 そんな事を考えながら秋穂さんの話に耳を傾ける。


「それで、もう一人を探してたんだけど、ちょうど授業で八重ちゃんと隣になることがあってね、少し話したらホラー好きだって分ったんだ」


「まさか…」


「そう!もうこの人しかいないと思って頼み込んだの!それで基本顔を出さないけどそれでもいいならってメンバーになってもらったんだよ!」


「あぁ…そうだったんですか…」


 要するに秋穂さんが強引に誘って、サークルメンバーにしたわけか。

たった2人のサークルに顔を出さない人がいることがずっと疑問だったが、ようやく謎が解けた。


「八重さん…かわいそう…」


「な、なんでよ!?」


九條の口をついて出た呟きに慌てて突っ込みを入れる秋穂さん。


しかし、幽霊部の幽霊部員八重雪那さんか。

次に会うのはいつになるのだろうか。

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