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植物改造に成功?

「こんなもんか?」

「えぇ、後は村の方に頼めば良いいんじゃない」


 奇跡の種……スピリットプラントを討伐した俺達は種子などを集めていた。

 拳大の光る種を集め、手甲に吸わせてみた。


 スピリットプラントの条件が解放されました!

 プラントポイズの条件が解放されました!

 ラブレゴラの条件が解放されました!


 スピリットプラントシールド

 能力未解放……装備ボーナス、植物改造

 プラントポイズシールド

 能力未解放……装備ボーナス、中級調合レシピ

 ラブレゴラシールド

 能力未解放……装備ボーナス、植物解析


「植物改造?」


 俺はスピリットプラントシールドを発動させて、植物改造とは何なのかを実験する。

 視界に魔力付与を行いたい植物の種に使用してくださいとアイコンが表れる。とりあえず、先ほど拾ったスピリットプラントの種に魔力付与をしてみる。

 種が緑色に光る。俺はその種を枯れた所に落としてみた。


「おお!」


 ぶわっと緑が地面に生い茂る。

 しかし……。


「あれ?」


 2メートルほど緑が生い茂ったかと思うと一瞬で枯れた。


「何してるの?」

「ああ、なんか植物改造って技能が出たからこの種を使って実験してみた」

「危険なことしないでよね!!」

「えっ、ごっはんがいっぱい出るの?」


 イナンナに怒られた。ティルに至っては食う事しか頭にないのか。

 まあ、他人だったら俺も怒るか。さっきまで危険な目にあっていたんだからな。

 しかし、これは面白そうな技能だ。

 使い方を考えれば色々な薬とか作れるかもしれないぞ。


「ともかく、村に戻るか」

「ええ」


 静まり返った茶色の植物地帯から俺達は村に戻った。


「ありがとうございます、聖者様!」


 人間というのは現金なものだ。

 俺が村を救うと連中は快く歓迎した。

 まあ、村の掃除をしなきゃ住めないから色々と大変だろう。その日は枯れた植物の片付けで終わってしまった。

 なんか本体は枯れても実と根の芋は残っているらしく、しばらく食料は問題が無いらしい。

 ただ……大地が枯れたりしないのか心配だが。


 そう思いながら植物改造を進めていた。

 俺はラブレゴラシールドの植物解析を使用した。


 繁殖力 10

 生産力 9

 生命力 9

 免疫力 4

 知能  1

 成長力 9

 変異性 9


 なるほどなぁ……つまりこれがスピリットプラントの能力だった訳か。

 元々は食糧生産が目的だったが変異性が高くて魔物化してしまうという問題を抱えていたという事なのだろう。それに、免疫力が低いから除草薬が効くという事か。

 どうもステータスを犠牲に能力と指示を選べるみたいだ。

 そんな訳で俺は実験的に弄ってみようと考えた。


 繁殖力……4 これは単純に増える力か。

 生産力……15 これはそのまま実とかを宿す能力だろう。

 生命力……6 これは芽吹く力かな。

 免疫力……4 これは病に抵抗する力。

 知能……1 なんだよこれ、魔物の知能ってことか?

 成長力……15 植えて直ぐに育つ値だ。

 変異性……1 たぶん、これが魔物化の原因だ。


「よし、完成した」

「どうしたの?」


 眠そうに起きたイナンナが俺の方を見ながら尋ねてくる。

 昨日は村人達が聖人様、神鳥様と勧めてくるので村で一泊した。

 食べ物は殆ど迷惑な植物のスピリットプラントだったが、これが味は良いんだな。


「ああ、昨日の続きをちょっとな」

「まだやってたの……」

「ちょっと、試したくなってな」


 俺は馬車から降りて枯れた大地に種を落とす。

 ぶわぁ……と、種から植物が成長し、枯れた茶色に染まっていた村の跡地の一角を覆っていく。


「な、なにが起こっているんですか!!」


 村の連中が驚いて駆け寄ってくる。


「ああ、悪い、実験をちょっとな」

「何をしているんですか?」


 植物への恐怖からか、村人は恐がりながら尋ねてくる。


「危険な植物を安全な植物に変える実験……かな」


 繁殖力が低いので一定の範囲まで伸びた植物がそれ以上の成長をしなくなるはずだ。

 そして……。

 ポンポンと赤い瑞々しい実を宿した。俺は赤い実をとって食べてみる。


 ――、すげえ甘い

 見た目はトマトっぽいが、まるで果物を食べているような甘さだ。

 俺は村人たちにも進める。


「う、うまい!!」

「こんな美味しい食べ物を始めて食べました――!!」


 一応、実験は成功だな。


「よし、一応成功だと思う」

「おお……」

「問題は一種類って所か、使うかはお前等次第だけどな。もしもダメだったら今回の様になる前に手を打てよ」


 変異範囲拡大と変異性は、様々な植物の実を生産する代わりに、魔物化する危険性を持っていたという事か。除草薬を撒いて、植物を枯らして種に戻す。そしてその種をこの村の領主らしき男に渡した。


「と言う訳で俺達は行く、じゃあな」


 起き出したティルはまだ残っているトマトみたいな実を頬張って馬車を引き出した。


「お待ちください!」

「ん? なんだ」

「まだお礼を渡し切れません。是非――」


 村の連中はニコニコしながら荷車と一緒にスプリットプラントを俺に贈与した。


「あいつ等、在庫処理に困ったから俺に押し付けたんじゃないのか?」

「そうかもね……でも味は美味しいから食料には当分困らないわよ」

「お〜いし〜い」


 ティルが食べまくってるから、すぐに底をつきそうだが。村の奴らに神鳥なんて言われていたが、本当のコイツを知ったらガッカリするかもな。

 現在、俺の馬車は三車両になっていた。

 先頭の馬車の後ろに二台の荷車がスピリットプラントの実らせた作物を積載している。

 笑顔で渡されたので仕方なく受け取ったが、体のいい処分だったのではないかと疑いたくなる。

 ゴトゴトと馬車は揺れながら旅は続いていく。


「とりあえず、出発だ」

「そうね」

「はーい!」

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