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魔法石を採取

 遥か昔、この世界にある魔物が存在していた。

 人間という脆弱な生き物はその強力な魔物に踏み潰され、生きる場所を失っていた。

 人間には知能というものがあったが、その時代にはほとんど通じない武器だった。

 だがその知能が、魔物を召喚させた。


 ある人間が魔物を召喚し、


『その魔物を殺し、人間が住みやすい世界にしてくれ』


 そう願った。


 それから数日が経ち――。

 ほぼ全ての魔物が、絶滅した。


 神にまで恐れられた魔物や、地獄から来たのではないかと言われた魔物。

 それら全てが、この世から消えた。


 ある一匹の魔物に、絶滅させられたのだ。



 ユグド鉱山。

 鉄鉱石だけでなく、魔力を含んだ魔法石が産出されるとても大きな鉱山だ。

 俺たちの目的地である魔法石は、その鉱山の内部にあるらしい。

 俺たちは鉱山の内部を歩いていくと、暫くしてティルがふ何かを感じとったのか歩みを止める。


「ごしゅじんさまー、なんか聞こえる」

「んっ? なにかいる様に見えないが」


 俺はティルの言葉に持っていた松明で周囲を照らしてみたが、魔物や何かいる影は見えない。


(ねぇ、あいつ殺したくない?)

「なにっ?」


 突如俺は、脳裏に響いてきた声に振り返るがティルとイナンナがいるだけだった。


「どうしたの?」

「………いや、なんでもない」


 俺の気のせいだったのだろうか?

 確かに何かの声がした気がしたんだが。


(後ろの二人は、本当はお前の事なんて嫌いなんだ!)

「なんだ、これ!?」

(さぁ、早く二人を殺しちゃいなよ)


 おい、いい加減にしろ。

 俺は声を振り払う様に腕を振った瞬間、目の前が赤い闇に包まれた。

 なんだこれ?


「ティル、イナンナ大丈夫か?」


 俺は後ろの二人を確認すると、二人は顔を引き攣らせてる。近づいて体を揺するがこの空間のせいなのか、硬直してい反応がない。


「おぃ、大丈夫か?」


(さぁ、今がチャンスだよ。早く二人を殺しちゃいなよ)

「黙れ!」

(お前だって本当はこいつらを信じてないんだろ)


 くそ!どうすればいいんだ!?

 俺は脳内をフル回転させながら考えていた。

『先が見えなくなったら灯りを照らしなさい』

 そうか!俺は出発前に魔法屋のおばちゃんに言われた言葉を思い出した。


「リビィーリングライト」


 俺が魔法を放つと辺りは明るく照らさ、魔物の正体があらわになった。


「――ギィイイイイイイイイイイッ!」

「ゲンカクコウモリか」


正体が見えるようになればこっちのもんだ。


「イナンナ頼む」

「わかったわ!」


 ザシュッ、という音とともに魔物はあっさり切り裂かれた。


「ギギャアアアアアアアッ!!」


 落下したコウモリは、暫く羽をバタつかせていたが傷口からの出血で動かなくなった。


「大丈夫、ティル?」

「うん、大丈夫」

「アスタも大丈夫?」

「………」


 あの声は本当なのか?

 俺は動揺に気づかれない様に無言のまま、動かなくなったコウモリの皮を手甲に吸収させて洞窟の奥に向かう。

 

 デリードシールド

 能力解放……技能ボーナス、錯乱1


「イナンナお姉ちゃん、ごしゅじんさまはワタシを売ったりしないよねー?」

「大丈夫よ。アスタはそんなことしないわ」


 イナンナはティルの不安を宥めながら、アスタの後をついて行く。

 洞窟の奥を更に進むと光輝いている空洞が見えてきた。

そこは地面や壁から生えているみたいに無数の鉱石があって松明なしでも人が見える程、光輝いていた。


「採掘して持ち帰りましょう」

「あぁ」


 イナンナに言われて足を進めるが、空洞の奥に体長は十メートルは超えているだろう魔物がいた。

 キマイラだ!!今は寝てるみたいだな!


「チャンスよ、アスタ! キマイラが寝ているうちに、採掘して帰りましょう!」

「よし!」


 俺はバックからハンマーを出し、魔法石を叩いてとった。すると、魔法石の異変を感じたのか寝ていたキマイラが起き上がった。


「ガァァァァァァァァァァ」


 チっ!気づかれたか!

 起き上がったキマイラは辺りを見回し俺たちを見つけると、甲高い咆哮を俺たちに向けた。

 なんて声出しやがるんだ!

 その咆哮で空洞内は振動いるように感じる。

 しかたない。戦うしかないのか!


「イナンナ、ティル、やるしかないみたいだ!」

「わかったわ」

「うん」


 イナンナとティルが距離をとり、俺は防壁魔法を使い、キマイラの周囲を固む。


「――ッ!?」


 その攻撃に気づき、キマイラは飛んで攻撃をかわした。


「でかい割に素早いな……!」


 イナンナが後ろから攻撃を仕掛ける。だが、キマイラの尻尾の蛇に気づかれて攻撃を防がれてしまった。

 たぶん、体の体温を察知しているのだろう。

 どうすれば………


 俺たちは動かないでジッと考えているとキマイラはキョロキョロとし始めた。

 あいつ俺たちが見えてないのか?じゃさっき、どうやって俺たちに気づいたんだ?


ジャリ


 俺が石に当たった音に気づいたのか、音がした方を向きこちらに勢いよく向かってくる。


「グァァァァァァァ」


 そうか!こいつ目が悪く分、耳がすごくいいのか!だから微かな音でも気づく事が出来るんだ。


「それなら……」


  俺はキマイラの攻撃を避け、先程手甲に吸収させた錯乱魔法を使った。瞬間、緑色の拡声器が現れる。


「ティル、これに叫べ」

「わかったー」

「イナンナ、耳を塞げ」


 イナンナが耳を塞ぐと、ティルは大声で叫ぶ。


「ギャオオオオオオオオオオ」


 キマイラはティルのバカデカい声に悲鳴をあげ、耳から血を吹き出し、その場に倒れ込む。

 効果があったようだ。


「よし、今だ!」

「レッドウィンドシールド」


 俺はキマイラの四方を最大防壁で囲んで、動きを完全に封じ、斬撃を与えた。


「ダーク・カッター」


 瞬間――キマイラの頭が、胴体と離れた。


「やったわね!!」

「あぁ!」


 俺はキマイラの肉を剥ぎ取り手甲に吸収させた。しかし、ゾンビドラゴンの時と同じように解放されなかった。

 力が足りないって事なのか?

 更に肉を剥ぎ取ると、水晶のような赤く光ってるものが見えた。


「ゾンビドラゴンの時と一緒ね」

「あぁ」

「もしかしたら、魔王を倒す時に役立つかもね」

「………」


 もしこの水晶で本当に魔物を操ってるとしたら、どんだけ強いんだ。この魔物を操るには相当の魔力がないと操れないぞ!

 俺は魔王の強さに不安を感じながら、街へ戻った。


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