スク水って下着より布面積が大きいはずなのにえっちだ
「お待たせしました」
振り返らずともスク水の上に白いTシャツを着た夜見さんの姿が正面の鏡に映っている。
なぜだろう、スク水の上にTシャツまで来ているのだから肌の露出はかなり抑えられているはずなのに、その姿をみてゴクリと生唾を飲んでしまった。
勝又が言っていたように夜見さんの双丘は俺が思っていたよりも標高がある。水着に隠れていない手足は陶器のような白さで、触れてしまえばつきたてのお餅のような柔らかさと吸い付きが襲ってきそうだ。
「それではお背中流しますね」
タオルにボディーソープを垂らしもしゃもしゃとすればすぐに泡のボールができる。そのボールを背中に広げて優しく洗い始めた。
昨日までの俺ならここで目を瞑って精神を統一することにより、泡と夜見さんの手から繰り出される柔らかな攻撃に耐えようとしただろう。しかし、この方法は昨日のスキンケアの時に失敗しているので今日はその轍を踏まない。
もし、目を瞑っている時に敏感な部分に触れられてしまって変な声が出たら、背中を流してもらっているだけなのに喘いでいる変態野郎になってしまう。
「陽さんって、部活やってへんのに意外と筋肉ありはりますね。やっぱり、男の人って感じやわぁ」
「中学の時は一応運動部だったから、そのころの貯金を切り崩しているようなものだよ。今は夜見さんのご飯が美味しいからちょっと食べ過ぎかも。太る前に運動しようかな」
夜見さんは円を描くように優しく背中を洗うと今度は腕もということで腕も洗い始めた。肩の方から徐々に手首の方に洗い進めていって、手を洗う時は一瞬恋人繋ぎのような形になったがこれもなんとか声を出さず耐えることに成功した。
「それでは次は前の方を――」
「そっちは自分でやるから大丈夫! 夜見さんだって俺がそこを洗ったら恥ずかしいでしょ」
夜見さんからタオルを奪って胸や腹を洗い始める。夜見さんはおもちゃを取り上げられた子供のように寂しさと悲しさが混ざり合ったような顔をしているがここは譲れない。
「うちはちょっと恥ずかしいけど、陽さんならかまいまへん」
「夜見さんはいいかもしれないけど、それは俺ができないよ!」
なんて恐ろしいことを言いだすんだ。思わずちょっと想像してしまったじゃないか。
シャワーで石鹸を落とすと次はシャンプーだ。こちらは触れられるのが頭だけだから先程よりも安心していられる。
濡れた髪に軽く泡立てられたシャンプーが馴染まされてシャカシャカと泡立てられていく、理髪店で髪を切ってもらった後のシャンプーが好きなのだが、夜見さんのシャンプーもなかなか気持ちいい。指の腹を使ったリズムの良いの動きと力加減が申し分ない。俺が普段するよりもずっと丁寧で細かいところまでしっかりと洗われているようだ。どうして自分以外の人にシャンプーされるってこうも気持ちがいいのだろう。
「このままマッサージしますね」
そう言うと今度は耳の上の辺りから円を描き、頭皮をほぐすようにマッサージを始めた。学校では緊張状態が続いていたので頭皮が凝り固まっていたらしくこれがとても気持ちいい。
ただ、力強くマッサージされるのでどうしても身体が手の動きにあわせて揺れてしまう。
そして、マッサージの心地よさに意識が向いていたので、全く気付いていなかったのだけど、先程から俺の体の動きに合わせてふにょんふにょんと柔らかなものが背中に当たっている。そう、つきたてのお餅を板の上で手でこねて形を整える作業をしている感じだ。
こ、これは……、どう考えても夜見さんのものが……。
― ― ― ― ― ―
本日も読んでいただき誠にありがとうございます。評価、ブックマークをしていただいた読者の方感謝です。




