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73 パーティ

 

 クロとスーパーに行き、レジ袋四つをパンパンにして店を出る。

 お金を払うのはやめた。避難所の惨状と魔物の数を見る限り余程のことがない限り復旧しないだろうし。

 小心者だから名刺だけレジのところへ置いてきたが。すぐに復旧して何かあれば電話くるだろう。


 それにしても自衛隊や警察はどうしているんだろうな。警官の格好をしたゾンビならたくさん見たがアレは元警官なのかね。

 後で親父に何か知らないか聞いてみるか。


 スーパーを出たところでオーガ?ぽいのとばったり出会した。

 豚顔のやつはオーク、人に近くツノが生えてるやつはオーガと仮称として呼んでいる。

 というか…あれ?スーパーに入る時邪魔されたら嫌だからスーパー周りにいたやつ相当倒したんだけどな。


 とりあえずオーガを殴ろうとしたらオーガがひざまづいた。まだなにもしてないが…。


「ワタシヲハイカニ」


 !?!?


 喋ったぞ!?というかなんて言った?


「もう一度言ってくれ」


「ワタシヲハイカニシテクダサイ」


 配下?テイムされたいってことか?

 でもなぁ…モフモフじゃないし…。親父達の誰かにテイムさせるか?


「なんで配下になりたいんだ?」


「スゴクツヨイカタ。カテナイトオモイマシタ」


 戦っても勝てないから配下になりたいってことかね?別に攻撃して来なきゃ今は殺さないんだが。


「俺じゃないやつの配下になれって言ったらなるか?」


「オスナラ」


「雄なら?なんでだ?」


「メスノハイカ二ナルノハユルサレナイ」


 プライドとか種族本能?まあいいか。なら親父にテイムさせて親父の護衛にするか。


「クロ」


『なに?』


「こいつ大丈夫だと思うか?」


『弱いと思う』


「ああ、そうじゃなくてちゃんと従うかどうか。今までのオーガは問答無用で襲って来たのに突然配下にしてくれって奴が現れたら何か狙いがあるんじゃないか、とな」


『それは多分大丈夫。ご主人様のさっきの戦闘で出した魔力に当てられて屈服したんだと思う。だから逆らわない』


 クロが珍しく長く会話したな。

 戻ってメイ達の勘も聞いてみるか。


「じゃあついてこい」


「ワカリマシタ」


 その後学校に戻り、オーガは校門のところで待たせ親父達のところへ行く。すでに荷物をまとめて車に乗っているようだ。


「マコト!準備はできてるぞ」


「なら移動しよう。それと一つ相談…提案があるんだが、とりあえず校門を出てくれ」


「?わかった」


 校門を出てもらいオーガに驚いた四人に大丈夫だと伝えオーガを呼ぶ。


「こいつなんだが、なんか配下になりたいらしくてな。男の配下にしかなりたくないらしいから親父がテイムしないか?護衛にも訓練相手にもなるし良いと思ったんだが。安全テイムできるし」


「俺がか!?いや…凄く睨んできてないか?大丈夫か…?」


「それはそういう顔なだけだと思うんだけど…」


「そ、そうか。でもマコトがテイムしなくていいのか?結構強そうだし」


「見た目的にパス」


「!?」


 あ、なんかオーガがショックを受けてる。すまんなオーガ。でも反応がいいな。ちょっと自分でテイムしたくなったぞ。


「おい…。ショック受けてるみたいなんだが…。やっぱりお前がテイムしたらどうだ?マコトがテイムして俺に護衛としてつけてくれればいいし」


「うーん…。とりあえずどっちがテイムするにしても名前が必要だから親父が名前考えてくれ」


「お前…名前考えるのがめんどくさかったからテイムしなかったのか?」


「そんなことは…少ししかない」


「かわいそうだな…。名前か…シュキなんてどうだ?ツノが綺麗な朱色だし、朱い鬼でシュキ」


「いいんじゃないか?じゃあ…シュキ。どっちの配下になる?」


「え?」


「ん?親父にいったか?」


「あ、ああ。テイムしますか?って聞こえた。YesとNoが見えるぞ」


「ならYesと念じればテイムできるよ」


「わかった」


 無事にテイムできたようでなによりだ。


「移動するけど、その前にパーティ組んでみよう。俺が倒しても経験値がはいるのか実験だ。メイどうすればいいんだ?」


「あ、はい!手を握ってもらっていいですか?私がパーティリーダーになってるので申請?出しますね!」


 手を出して来たので握ってみる。これ手を握らないとできないのか?


【個体名・齋藤メイからパーティの申請が届きました。パーティを組みますか?】


【Yes or No】


 Yes。


 手を離す。やっぱり手を握る必要ないよな?近くに同姓同名の人がいた場合の誤認防止とか?いや、やっぱり必要ないだろう…。


「できました!なんて聞こえました?パーティを組むかどうかだけでした?」


「そうだが…他に何かあるのか?」


「パーティは組むのには、パーティリーダーになる人が○○さんと自身をパーティリーダーとしたパーティを作りますって念じるんです。それでリーダーになる人とパーティに入ることを同意している人が身体の一部を触れ合ってる状態で念じないとパーティを作ることもできませんでした。つまり最低二人はいないとパーティを作れないってことです!」


「いや、そりゃパーティなんだから一人じゃ無理だろ?」


「そうなんですけど…えーっと。一人だけのパーティを作っておいて後から人を入れるってことができないんです。作ると組むが同じタイミングでじゃないといけないみたいです」


「あー、空のパーティは作れないのな」


「そうです!それで、パーティを作ると、個体名:○○が○○をパーティの申し込みをし、同意を確認。パーティを結成しました。同戦場での戦闘経験値の分配、念話の使用が可能になります。パーティを解散、または脱退する時はその旨を念話を通じてパーティメンバーへ通達すれば可能となります。って聞こえるんです!条件がイマイチわからなかったので何度もやりましたので覚えました」


「へえ…。凄いじゃないか。ありがとうな」


「いえ!少しでもお役に立てたのならよかったです」


「てかやっぱり手を握る必要はないんじゃないか?肩とかでいいだろう」


「あ、すみません。ミミちゃん達とずっと手を繋いでやってたもので…」


「いや、そんなに気にしてるわけじゃあない。さて。そろそろ行くか。シュキ!お前は車に乗れないだろうから頑張って走ってついてこいよ?」


「ワカリマシタ」


「親父達は車に乗って俺の後をついて来てくれ。クロ」


『露払い手伝う?』


「露払いは俺がやるから、コクジ達と車の護衛。それとオーガのシュキがちゃんとついて来れてるか確認しておいてくれ」


『わかった』


 校門を出た後は乗り捨てられた車が少なく比較的ちゃんと走れる大通りから森へ向かう。

 ゴブリンが六匹ほど路肩でしゃがみ込んでいたり、オーガ同士で戦っていたりしていた奴らが俺たちを見た瞬間こちらに向かってきた。

 これ魔力を思い切り放出すればコイツら逃げ出すかね?やらないけど。

 とりあえず片っ端から魔法を撃ち込んでいく。


「「マコト!」」


 ん?親父とお袋が窓から顔を出しながら呼んできた?


「どうした?」


「それ魔法か!?」


「魔法よね?」


「魔法だが…」


「後で教えてくれ!」


「私も教えてほしいわ」


 あー、うん。そりゃあ魔法は幾つになっても現実にあるなら使ってみたいよね。

 メイとミミも心なし目がキラキラしてるし。

 教えるのかー…めんどくさいな…。とりあえず後回しにするか。


「わかったけど後でね」


 その後はまた前に出て魔法を撃ち込んでいく。

 何発撃ったかわからないくらい魔法を使い森に着いたときには倦怠感と少し頭痛を感じた。

 魔法使いすぎたか…。進化して魔力が結構増えた感じがしたから大丈夫だと思ったんだが流石に何十何百って連射すればこうなるわな…。

 森に道を作るのに魔法使わなきゃいけないし、少し休むか。森に入ったところにいればハクとか、誰かしらが気づいてこちらにくるだろうし魔物の心配は要らないだろう。


「四人とも車から降りてくれ。それとシュキ少し手伝って…いやいい」


 シュキが息を荒くし膝に手をついていた。

 そんな速く移動してないよな?30キロとか?オーガのくせに体力なさすぎないか?見た目は筋肉質で戦闘特化してます。って感じなんだが…レベルが低いのか?

 親父達が降りた車を押して木々を避けながら森に入っていく。


「親父。シュキのレベルはいくつだ?それと親父達のレベルは上がったか?」


「シュキは…レベル2だな。俺はレベルが2つ上がって5だな」


「私もレベル4に上がったわよ。ありがとね」


「私もレベル4に上がってます!ありがとうございます!」


「私も…4に上がりました…」


 え、あれだけ倒してそれだけ?街にいる魔物ら経験値が少ない?んなわけないよな。

 とりあえず森の外が見えなくなるところまで車を押し休憩することにする。俺のとクロのステータスを確認するか。


「少し休憩する。魔力が回復したら移動するから待っててくれ」


「わかった。負担かけてすまないな…」


「無理しないでね?」


「大丈夫」


 さてステータスだな。



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