65 進化1
倒せないことはないと思うんだが…。
「ビャクヤはさっきのように一匹倒してくれ」
『わ、わかりました!ごしゅじんさま大丈夫ですか!?すごくおおきいです!』
「平気だよ」
恐怖を感じないから大丈夫だろう。
とりあえず駆け出し普通のやつを思い切り蹴飛ばし戦線離脱させる。もう一匹はビャクヤ担当で。
さて巨大猿。やろうか。
何故かドラミングしている猿に向かって駆け、殴りかかる。
あ、バット持ってくるの忘れてたな。今更だが。
ガンッ。
え?
腹あたりを割と本気で殴ったのだが鉄でも殴ったような音と感覚がした。
なんつー硬さだ。
動きは俺よりも遅いので巨大猿が振り回した腕に当たることはないので一度距離をあける。
これなら魔法を試すのにちょうどいいかもしれないな。
水球を作り打ち出す。
バシャッ。とぶつかったが特にダメージは無さそうだ。突っ込んできた巨大猿を避け次は土球を作り打ち出す。
凄い音が響いたが巨大猿は怯むことなくまた突っ込んでくる。心なし怒っているように見える。
んじゃ次は風球だな。
え!?
風球を作り出そうとしていたら巨大猿の速度が突然上がり、咄嗟に避けたが腕に巨大猿の突進が当たりよろける。
なんで突然速度上がってんだよ!痛くないがびっくりしたぞ。そのまま速度が上がった状態で突っ込んできて腕を振り上げ殴りかかってくる。
くそ。避けられるが、巨大猿も結構速いので避けるのがめんどくさくなってきた。思い切り地面を蹴り距離をあける。
風球を試そうと思ったが辞めだ。本命の火球を全力で打つ。
とりあえず発動途中だったからかまだ霧散していないうずらの卵くらいの風玉を当てる。
まあ何も起こらないわな。微風が吹いたくらいだろう。
そして本命。掌にソフトボールサイズの火球を出し突っ込んでくる巨大猿に向けて放つ。
「おらぁ!」
ドガァァン!
「ブッ!?グハッ」
………!?
気がついたら倒れていた。
一瞬意識が飛んでた、のか…?まさか自身の魔法で吹き飛んだってか…?阿呆だろう俺。
肌がひりつく。火傷したかなこれ…。いてぇな。
【回帰】を使うと痛みが引いてきた。
回復手段持っててよかったわ。さてと巨大猿はどうなったかね。余波で俺がここまでになったんだから流石に死ぬか、死ななくても重症だろう。そうであって欲しい。
巨大猿を見ると…あれ?いない?逃げた?何処だ?
隠れてるのかとも思い周りを見渡す。
『ごしゅじんさますごいです!いまの爆発はなんですか!』
「あ、ああ。魔法だ。それよりさっきのデカいやつは逃げたか?」
『火が消えたらもういませんでしたよ?』
「そうか…。ビャクヤは倒せたのか?」
『はい!』
ビャクヤは怪我も負ってないようだ。よかった。それより今の巨大猿跡形もなく死んだのか?逃げたとは思えないがあの頑丈さだ。耐えられていてもおかしくはない。
ステータス見てみるか?結構大物だったし倒せているならいくつかレベルも上がってるだろ。
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個体名【中野 誠】
種族【普人】
職業【テイマーLv6(使役上限数♾)】
性別【男】
状態【進化可能】
Lv【★50】9UP
・基礎スキル:【拳術Lv6】【防御術Lv2】
【速読Lv2】【造形Lv2】【料理Lv2】
【毒耐性(中)Lv3】
【精神耐性(大)Lv3】UP
【回避術Lv4】UP【テイムLv6】
【蹴術Lv5】【夜目Lv2】
【細胞活性Lv1】【回帰Lv1】
【風球Lv1】【雷球Lv1】
【水球Lv1】【火球Lv1】
【土球Lv1】【棍術Lv2】UP
・種族スキル: 【無特化】
・特殊スキル:【ステータス鑑定】【ボーナス(特)】
【テイム(特)】【結界生成】
・称号:【適応する者】【魔物を屠る者】
【魔物に好かれる者】【守り手】
○パーティメンバー:0人(0/5)
○使役魔獣:246匹(246/∞)
個体名【ビャクヤ】
種族【森狼(亜種)】
性別【メス】
状態:【 】
Lv【10】3UP
・基礎スキル:【噛み付きLv2】【体当たりLv1】new
・種族スキル:【夜闇適応】
・特殊スキル:—
・称号:【変異体】
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瞼を擦ってみる。
ゴシゴシ。チラッ。
もう一度擦ってみる。
ゴシゴシ。
うむ。変わらないな。
はぁ……人間も進化するんだなぁ….。
というかレベル上がりすぎじゃない?前に確認した時は四十一でそれからの戦闘ってビャクヤと行動してからだぞ?猿十匹くらいしか倒してないし……大量にテイムした魔物達が魔物を倒した時の経験値が俺に入ってきてるからか…?
あれだけの数が一気に経験値稼ぎすれば俺に入ってくる経験値も相当なものになるだろうし…。
そう考えると二百四十六匹?の魔物の能力が上乗せされてる俺のパンチを受け切ったさっきの巨大猿相当強かったんじゃないか…?
たった数日でよくこんな強くなったもんだ…。
「ビャクヤ少し休んで待っててくれ」
『??はい!』
疑問に思ったようで小首を傾げたがすぐに良い返事が返ってきた。
さて進化先だよな。
どんな種族があるのだろうか…。