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59 白夜と犬

 


 ————————————————————


 個体名【ヒャクロウ】

 種族【魔狼(幼体)(亜種)】

 性別【メス】

 状態:【 】

 Lv【1】

 ・基礎スキル:【噛み付きLv1】


 ・種族スキル:—


 ・特殊スキル:—


 ・称号:【変異体】


 ————————————————————



 変異体なのに種族スキルがないのか?

 いや…進化したことのない個体だからないのだろう。進化すれば【変異体】の称号通り、森狼とは違う種族スキルを覚えるのだろう。


 にしても魔狼は初めてだな。いや九十九匹全て確認したわけではないが大きさ的に全て森狼だろう。一匹くらい確認しておくか。



—————————————————————


 個体名【イチロウ】

 種族【森狼】

 性別【オス】

 状態:【 】

 Lv【5】

 ・基礎スキル:【噛み付きLv2】


 ・種族スキル:—


 ・特殊スキル:—


 ・称号:—


 ————————————————————



 イチロウ…弱いな。

 いや、わざわざ鍛えたりしなければスキル一つでレベルも五くらいか。俺やクー太達は称号のおかげでレベル上がりやすいしから感覚が狂うな。


 とりあえず森狼だったな。

 てかよく考えたらメスで〜ロウってかわいそうだったか?オオカミのロウだから勘弁してくれ。

 名前変えられるのか?

 名前のところに触れてみる。



 ————————————————————


 ・個体名:ヒャクロウ

 ・変更可能。

【条件】

 ・初めに名付けた者のみ変更可能。

 ・魔物が了承した場所のみ可能

 ・一度のみ変更可能。


【変更しますか?Yes or No】


 ————————————————————



 おお!出た!個体名は個体名だから今まで触れたことなかったからな。こんなことになっているのか。

 俺のはどうなんだ?



 ————————————————————


 ・個体名:ナカノ マコト

 ・変更不可


 ————————————————————



 へぇ。こうやって出るのか。

 俺の名付け親…親父なら俺の名前変えられるのだろうか?いや…それとこれとはまた違うよな。親父が人間を従属するスキルでも覚えて俺を従属させたら出来るのかもしれないが…。


 魔物達は…メスだけ名前変えてやるか?いや…シロウとロクロウがいるのにゴロウがいなくなったりしたら据わりが悪い。

 ヒャクロウだけ変えてやるか?まだ子供だし、三桁の名前はこいつだけだし。まあ正直言ったら変異体で可愛いからちょっとだけ特別扱いだ。


「なあ。名前付け直していいか?」


『かえちゃうのですか?』


「そうだな。もっといい名前を付けてやるぞ?」


『わかりました!ハクさまみたいなかっこいいおなまえがいいです!』


 チラッとハクをみると首を振っている。どういう意味だよそれは。


「ハク。ちょっと来い」


『どうされました?』


「こいつ産まれたばかりだろう?」


『ええ。魔素の集まっている場所を見つけたので観察していたらこの子が現れました』


「そうか。で、さっきの首振りはどういう意味だ」


『言語、行動が幼いことに驚いていたのでは?なので産まれたばかりで純真なので諦めてください、と』


「ああ。やっぱそんな感じか。まあ、仕方ない。こいつどうするかな。ハクと行動を共にさせて育てるか、俺が連れ回すか」


『でしたら連れて行ってあげてください。私は身体も大きく目立つので難しいでしょうが、この子なら問題ないでしょうし。外の世界を見るのも大切かと。と言っても私自身外の世界を知らないんですけどね。

 だから、そのうち連れて行ってくださいね?』


「もちろんだ。お前たちをここで飼い殺しにするつもりは毛頭ない。んじゃこいつは俺が預かるよ」


『お願いします』


「さて、こいつの名前だな。ヒャクロウって一度名付けたからな。そこからとって白夜。ビャクヤでどうだ?」


『いい名前かと』


『ビャクヤ!わたしのおなまえですか!』


 ああ、俺とハクの話はちゃんと聞いていたんだな。


「ああ。お前の名前はビャクヤだ。お前はこれからハクじゃなく俺についてこい」


『わかりました!』


 よし。

 さてと、まだ終わりじゃないんだよな。魔犬?達が残っている。

 まだ名付けていない面々を見てみると、姿形がバラバラだ。

 柴犬、プードル、ゴールデンリトリバー、ラブラドール、ブルドック。それに中型犬サイズだが、ダックスフンド、パグ?にチワワぽいのまでいる。

 こいつら絶対に元飼い犬だよな。


 さて…名前、な。

 犬太郎、犬次郎でいい?え?ダメ?

 どうすっかなー。犬だから、ケンイチ、ゲンジ、ケンゾウ、ケンシ、ケンゴでいいかな。

 え?犬太郎、犬次郎と変わらないって?

 勘弁してください。

 てことで。



《魔犬が仲間になりたそうにしています。テイムしますか?》

【Yes or No】


 はい。


《魔犬が仲間になりました。テイムした魔獣に名前をつけてください》



「ケンタで」


 あ。ケンイチにするつもりがケンタになっちゃった。

 まあいいか。こいつはゴールデンリトリバーだな。多分。


『王様!よろしく!』


 こいつも俺を王様呼ばわりか。まあいいや。いちいち訂正してたらどれだけ時間かかるか。

 というか。夜目のせいであんま気にならなかったが月出てるし。もう夜じゃんか。これ終わったら寝よう。疲れたわ。



《魔犬が仲間になりたそうにしています。テイムしますか?》

【Yes or No】


 はい。


《魔犬が仲間になりました。テイムした魔獣に名前をつけてください》



「お前はケンイチな」


『はい!』


 その後結局ケンキュウ、ケンジュウ、を超えケンテンイチ、ケンジュウジ(犬十二)とかでやり過ごし、ケンテンクまで名付けた。

 同じ十なのにジュウとテンで分けたのはただ語呂がいい方を選んだ。と言ってもどれも語呂がわるいが…。


 狼含めて百二十匹ワンちゃんでした。頑張ったわー。すみません。名前を考えることに関しては頑張ってません。

 てことで一応、一匹だけだが初テイムの種族なのでステータスを確認してみる。



 ———————————————————


 個体名【ケンタ】

 種族【魔犬】

 性別【オス】

 状態:【 】

 Lv【3】

 ・基礎スキル:【噛み付きLv1】【阿諛Lv2】


 ・種族スキル:—


 ・特殊スキル:—


 ・称号:—


 ———————————————————



 レベルは森狼より下か。というか森狼って一度は進化してるんだから、魔犬Lv3って魔狼Lv3と同じってことだよな?

 流石元飼い犬。温室育ちなんだな。

 だが、魔犬のくせに初見スキル!どういうスキルだ?

【阿諛】?アユって読めばいいのか?

 詳細表示!



 ————————————————————


【阿諛】

 媚びることが上手くなり、相手に気に入られるように振る舞うことが得意になる。相手の表情や感情を感じ取れるようになる。


 ————————————————————



 おい。飼い犬共。何無駄なスキル身につけてるんだ。感情を感じ取れるのは意外と有用だが…前の文が酷い。

 こいつらの媚びに騙されないようにしよう。

 そう考えたら可愛いと思わなくなったわ。


 はあ。まあ正式名称も魔犬だったな。ハクに頑張って鍛えてもらおう。

 …………ちょっと待て。もしこいつらがレベル10、15になった時俺がステータスから進化を選択してやらないと進化できないのか?

 テイムするの早まったかな…。

 まあ百二十匹もいるし、全員…ビャクヤ以外全員がレベル上限になるのは時間かかるだろうし、全員が上限に達した時にまとめてやるか。


「とりあえずステータス確認は終わった、グレイ、フェリ、クレナイのところへ行こうか」


『では私達が最後に別れた小屋へ行きましょう。ご主人様の匂いを見つけた時にクレナイさん達には合図しておいたので小屋に集まってるかと』


「合図?」


『ええ。ご主人様を見つけた場合と緊急事態の時は遠吠えをして小屋へ集合する事を決めておいたので。まあ…クレナイさんには難しいので私とグレイさん、フェリちゃんの取り決め、ですが』


「了解。なら先導頼む。ハクが先頭、次に俺達、森狼たちは最後尾で」


『わかりました。小屋に着いたら色々聞いてもいいですか?背中にいるクー太さんたちを含め、初顔の子のことも』


「あ。紹介忘れてたな。というかお前達静かだな?」


『久しぶりの再会とテイムの邪魔しちゃ悪いからー』


『私たちは三日間ずっと一緒だったから邪魔しないように?』


『zzz』


『そうなの!』


『zzz』


 アキはまあ寝てても不思議ではないが、アメリお前も寝てるのか。

 まあ暇だったんだろうな。





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