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56 ぬいぐるみ

 


 うわ。悩む。

 魔力系かより巨大化して変化系のスキル持ちか、ってことだな。

 アメリにも聞いてみる。


『どっちでもいいにゃ』


 さいですか。個人的には猫又が気になるのだが、身体のサイズを変えられそうな化け猫の方が都合はいいんだよな。小さくなれば普通の猫だし。

 というかクー太たちも尻尾隠して貰えば普通の狸で通せるのか。なんで今までそうしなかったんだ…って今更だな。

 尻尾ふさふさで触り心地いいし、隠す選択は極力無しだしな。


 さてと。化け猫にしようかね。


「化け猫にするぞー」


『了解にゃ』


 選択。アメリが光に包まれる。おお、結構大きそうだ。

 光が収まるとハクより気持ち小さめ?毛量のせいでそう思うのかもしれないが、三メートル級の大きさのアメリが現れた。

 もはや迫力が巨大な虎だな。



 ————————————————————


 個体名【アメリ】

 種族【化け猫】

 性別【メス】

 状態:【 】

 Lv【1】

 基礎スキル:【噛み付きLv5】UP【体当たりLv2】

      【伸爪Lv1】new


 種族スキル:【縄張り作成】【変化】new


 特殊スキル:—


 称号:—


 ————————————————————



 アキの縮小のようなスキルではなく、クー太たちと同じ変化か。同じ変化なのか詳細見ておくか。

 それと伸爪…シンソウかね?これは爪を伸ばせるのだろう。



 ————————————————————


【伸爪】

 ・爪を伸ばすことができる。Lvの上昇により長さ、強度が上がる。


【変化】

 ・イメージ次第で自分の身体の大きさと比較的近い物に化けられる。


 ————————————————————



 変化はクー太たちと同じだな。伸爪は予想通りか。


「アメリ。早速だがクー太たちくらいの大きさに変化できるか?」


『できると思うにゃ』


 アメリが光ると光がどんどん小さくなり、子猫…どころか猫の赤ちゃんくらいのサイズになる。クー太たちと同じくらいだな。

 リュック…だとクー太、ラン、アキ、ラック、アメリを入れるのは厳しいか。

 もっと形が崩れないような…出前とか入れて運ぶ正方形の配達用バッグとかいいかもな。底もしっかりしてて崩れないし。

 よし!ショッピングモールとか見かけたら絶対寄って探そう!というかナビで探してもらうか!


「親父。ここら辺にショッピングモールみたいなところないか?」


「ん?待ってくれ。ここからだと少し離れてるがあるぞ。遠回りって程でもないな。寄るか?」


「頼む」


「了解した。案内する」


「よし、少しだけ寄り道だからな。少し急いで行こう」


 今度はアメリも車に乗せ移動する。30分ほどでショッピングモールに着いた。


「親父とお袋は何か欲しいものはあるか?」


「んー。特に思いつかないから大丈夫よ」


「そうだな。今は特に思いつかない」


「了解。少し待っててくれ。クー太たちはここを頼む。出来るだけすぐ戻るからな」


『わかったー』


『何しにいくのか知らないけど気をつけてね?』


『了解なのです!』


『私は影にいる』


『待ってるの』


『はいにゃ』


 クロは影でいいか。駆け足で向かい、目的のものを置いていそうなお店を探す。

 目当ての物は全然見つからない。その代わりと言ってはなんだがゴブリンがたくさんいる。雨風凌げるからここで暮らしているのか?


 というか目当ての鞄は通販とかでしかないのだろうか?

 それでも一通り店を覗いていくとスポーツ用品店で思い描いていたものとは違ったが底も側面もしっかりとしている大きめのバックパックを見つけた。少し縦長だが底に何かタオルなどを詰めれば大丈夫だろう。


 底も側面もすぐ形の変わる普通のリュックより全然いいだろう。お金をレジに置き鞄を拝借していく。

 お、金属バットも売っている。

 んー。超々ジュラルミン製のやつを二本程持っていこうか。

 これでやっと素手を卒業だな。


「なあ、クロ。影の中にこれ入れておけたりしないよな?」


 話しかけると影からクロがでてきた。


『私がずっと持ってれば影の中にいれられる。けど、影の中でもずっと身につけていなきゃいけないからヤだ』


 あ、そういう感じなのね。了解。確かにバットを尻尾で掴み続けてろ、っていうのはかわいそうか。


「了解した。戻るぞ」


『わかった。私は影の中にいる』


 スルスルっと影に戻っていった。


 そこらをウロウロしているゴブリンの相手も面倒なので一気に駆け、車へ向かう。


「ありゃ?なんか襲われてるな。クロ、アレゾンビか?」


『魔石の反応あるからゾンビ』


「ならよかった。突っ込むぞ」


 人と姿形が同じ魔物を殺すところを初めて見せたときお袋たちは顔を真っ青にしていたからな。出来るだけ間近で見せたくなかったのだが、仕方ない。

 車の周りを囲んでる奴らに突っ込んでバットを振り回す。


 おー。殴るよりこっちの方が楽だな。精神的にも。

 倒していくとすぐクー太たちと合流でき、残りも殴り飛ばしていく。


「結構いたな?二人とも大丈夫?俺が寄り道したせいで悪い」


「いや…慣れ…てはないが仕方ないことだし構わない」


「そうよ。気にしないで」


「ありがとう。こいつら退かしてサッサと移動しよう」


 ゾンビ達を退かし、先程持ってきたバッグにタオルやブルーシートを詰めていく。クー太たちの足元が不安定にならないようきっちり詰める。

 あ、バットも一本は車に入れておこう。

 よし。クー太たちを抱え上げバッグ入れる。


『新しいバッグー』


『前のより居心地は良さそうね』


『下が硬いのです。寝心地が悪そうなのです』


『アキちゃん寝ちゃだめなの!』


『僕もこれに乗るにゃ?』


「アキ。そこで寝るなよ?アメリも一応ここにいてくれ。ただの猫にしか見えないとはいえ、他の人間が魔物に対してどんな反応するかわからないから念のためだ」


『わかったにゃ』


 バッグから五匹が顔だけだす。可愛いな。可愛いが…なんかこいつら小さすぎてぬいぐるみにしか見えない…。

 側から見たら俺がぬいぐるみをバッグに入れて背中に背負っているようにみえるってことか?

 なんかやだな…。


「行くぞー」


 とりあえずバッグに入れた状態で移動する。この子達が酔わないかお試しだ。


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