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52 守り手

 

 親父の運転で進む。

 俺が横に並走し、親父が曲がる道などを俺に口頭でナビしながら進んでいく。

 車が通り道に乗り捨ててあれば俺が車を路肩まで押して道を開ける。今なら持ち上げることもできそうだしそれくらい余裕である。

 魔物は基本蹴り飛ばすか殴り飛ばして放置だ。


 そういえば進化後のステータス見てなかったな。また忘れるところだった。いや、忘れてたな。

 クー太おいで。ステータス確認するよ。


 走りながら声をかけると器用に窓から飛び出し俺の肩に飛びついてきた。いい子だなー。頭を撫でてやる。

 さて、ステータスは。



 ————————————————————


 個体名【クー太】

 種族【妖狸(四尾)(亜成体)】

 性別【オス】

 状態【 】

 Lv【4】3UP

 ・基礎スキル:【噛み付きLv6】【体当たりLv3】

       【気配察知Lv5】【加速Lv3】

       【風刃Lv2】【隠密Lv2】

       【風繭Lv1】new


 ・種族スキル: 【変化】【風纏】【未設定】


 ・特殊スキル:【制限解除】


 ・称号:【進化・使役魔獣】


 ————————————————————



 風繭か。これは詳細見てみないとわからないな。

 あれ?種族スキルに未設定ってあるな。なんでだ?未設定って名のスキルってわけじゃないだろうし。

 タッチしてみる。



 ————————————————————


 ※種族スキルを選択してください。適性のあるスキルを表示します。


 ・【雷纏】

 ・【水纏】

 ・【身体力上昇】

 ・【精神力上昇】

 ・【魅力上昇】


 ————————————————————



 なんか出てきた。米印なんて初めて見たわ。なんなんだろうなこれ。

 三段階目の進化だとみんなあるのかね?

 とりあえずどれを選ぶか…。やっぱ纏系かな。能力上昇はどれくらい上昇するのかも、上昇したのかもわかりにくいんだよな。


「クー太。スキルが選べるんだがどうする?」


 五個を説明してやる。詳細は見てないがまあ名前通りだろう。


『んー。カミナリー』


「了解」


 雷纏を選択。



 ————————————————————


 個体名【クー太】

 種族【妖狸(四尾)(亜成体)】

 性別【オス】

 状態【 】

 Lv【4】

 ・基礎スキル:【噛み付きLv6】【体当たりLv3】

       【気配察知Lv5】【加速Lv3】

       【風刃Lv2】【隠密Lv2】

       【風繭Lv1】new【雷球Lv1】new


 ・種族スキル: 【変化】【風纏】【雷纏】new


 ・特殊スキル:【制限解除】


 ・称号:【進化・使役魔獣】


 ————————————————————



 お。【雷球】ってのが増えた。

 まあ名前的に球と纏はわかるが、一応3つとも確認だな。



 ————————————————————

【風繭】

 ・風属性の魔法。対象を指定し風で覆う。Lvが上がることにより風量、強度が上昇する。


【雷球】

 ・雷属性の魔法。魔力で圧縮した雷の球を放つことができる。


【雷纏】

 ・雷を纏うことができ、速度と力が上がる。


 ————————————————————



 雷も纏えるようなったのか。風と併用はできるのだろうか?


「クー太、風と雷両方纏えるか?」


『んー。やってみるー』


 クー太が風を纏った。そしてバチバチと雷を纏い出して…消えた。


『むー!難しいー』


「でも少しは同時に纏えたんだ。練習すればできそうか?」


『頑張るー』


「要練習だな。頑張れ」


 ステータスの確認が終わったがクー太は車に戻らず俺の肩にいる。ランとラックが私もー、って文句を言っているが今は諦めてもらう。

 そうして進んでいると電線に大量のカラスがいることに気がついた。

 襲ってこられたら流石に厳しいのでは…。そう思うほど大量にいる。

 これ絶対襲ってくるよな?


「親父車止めてくれ。ラン達降りて来てくれ。念のため全力戦闘形態で」


 ラン、アキが車の窓から飛び出して一気に巨大化する。ラックはいつのまにか俺の顔の横でフヨフヨ浮かんでた。そしてクー太も肩から降りて巨大化した。


「親父、お袋。窓閉めてくれ。クー太は風繭を車に。あいつら絶対襲ってくるぞ」


『カラスさん?襲ってきそうだねー』


『そうね』


『目がギラギラしていて怖いのです!』


「ギャァー!」


 アキの言葉に反応したわけではないだろうが突然魔カラス?が鳴き、周りのたくさんのカラスもギャーギャー鳴き出した。

 カラスと大きさがあんまり変わらないが、俺でもわかるくらい殺意を感じる。確実に魔物だな。

 何十というカラス。いや数百といるかもしれない。

 それが一気に襲ってきた。

 クー太とランは風纏を使い突っ込む。


「アキとクロは無理するな!ラックは車の近くで魔法だ。危なくなったら逃げろよ?」


『了解なのです!』


『わかった』


『了解なの!』


 俺は車からあまり離れないよう襲ってきた奴を殴り飛ばす。的が小さいから難しい。


「いってぇ!」


 避けてはいるが複数で襲ってくるため避けきれないのがいてカラスのクチバシがかする。

 集中だ。集中して動きを見ろ。目で追えない速さではない。クー太たちと比べれば遅いのだ。


 その後も傷を負いながら戦う。

 あー!くそ。範囲魔法でもありゃいいのに!

 直撃はしていないが結構クチバシがカスって服はボロボロ、所々血が滲んでる。

 その後も戦い続け何分、何十分経ったのか、なんとか全てを倒し切った。見てる感じ逃げるやつはいなかったな…。


《一度の戦闘で五十倍以上の敵から非戦闘民と所有財産を守り抜いたことにより称号【守り手】を獲得。称号【守り手】を得たことによりスキル【結界生成】を獲得》


 称号?五十倍以上っつったか?俺一人に対しての五十倍か?いや俺一人と五匹に対しての五十倍か?それでも三百羽以上いたことになるんだが…。

 てか、くそいてぇ…。擦り傷だけじゃなく肉抉れてんじゃねーか?


『ご主人さまー!』


『ご主人様大丈夫!?』


『だ、大丈夫なのです!?血が出てるのです!』


『でも大きな怪我してない。良かった』


『ご主人様怪我してるの…』


「大丈夫だ。お前たちは大丈夫か?」


『ボクは大丈夫ー。ご主人様痛そうー…』


『私とクー太は平気よ。風纏してるとあいつらくらいなら弾けるわ』


『わたしは少しだけかすり傷がついたくらいなのです。直撃しても刺さらなかったから大丈夫なのです!ご主人と比べれば全然なのです』


『私は敵の影に入りながら攻撃してたから大丈夫。ご主人様が一番重傷…』


『ワタシも平気なの!ご主人様の後ろにいたし…それよりご主人様なの』


「心配してくれてありがとうな。重傷ではないよ。これくらい平気だ」


 回復魔法でもあればな。すごく心配させたようだ。両親の方を見れない。かなり心配していそうだし。

 魔力で治せないかね?治せそうなもんだけど。

 ふーっ。

 目を閉じ深呼吸をして集中してみる。身体の傷を治すイメージ、というより魔力で細胞を活性化させて治すイメージをする。


『!?ご主人様!何しているの?傷が治っていくの!』


 目を開けるとスーッと傷が治っている。

 おお。やればできるじゃん!

 そして数秒すると傷が治ったが…全て瘡蓋になってるな。イメージが足りなかったか?

 ならば、と。傷がなくなるイメージをしてみる。


『ご主人さま不思議ー』


『すごいわね』


『すごいのです!』


『放出してる魔力の量がハンパないの…。これだけで進化に必要なエネルギー量が摂取できるの…』


 ん?傷が治っているのがすごいんじゃなく魔力量が凄いのか?イマイチわからんが。

 そのまま続け…。


「おー。治った治った。魔法便利だな。というかこれなら魔法使えるんじゃないか?今ので魔力がどんなもんかわかったし」


 手のひらを上に向けランがやっている風球をイメージして魔力を放出する。


「お?できた。意外と簡単にできたな。でもランと比べると球が小さいな」


『ご主人様大丈夫なの!?そんなに力使って!漏れ出てる魔力やばいわよ!』


「ん?そんなに?…っと」


 やべ。ふらついた。魔力の使いすぎってか?風球を霧散させる。


『ご主人様!凄いけどすごく無駄が多いの!というかなんでそんな魔力多いの!』


「多いのか?なんとなく魔力ってのが何かわかったからやってみただけだから魔力量とかはまだわからん」


『はぁ…。ご主人様も要練習なの』


 うーん。とりあえず雷、水、火、土をイメージして順番にもう一度やってみる。


 んー。できるけど魔力量ってのはわからんな。さっきふらついたのも魔力が足りなくなったってわけではなさそうだし。使い慣れてないものを突然使ったからか?


「了解。とりあえず練習するよ。余分に魔力を出してたら教えてくれ」


『わかったー。気をつけてー?』


『わかったわ』


『ちゃんと言うの!だからこっそり練習はしないように、なの!』


『むむむ…。全然わからなかったのです…』


 アキは魔法を使えないからわからないのかね?

 ステータス見てみるかな。スキルが増えてるといいな。



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