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 おおー。上がりにくくなったにしては結構レベル上がってるな。スキルの方はあんま上がらないし、増えないが。


 あれ?クー太のところに…あ、やっぱり進化可能になってる。レベル20で進化するのか?

 10.15.20って進化してるが、何回進化するのだろう。

 とりあえず進化だな。


「クー太起きてるかー?」


『んーー』


 クー太はコロンと寝返りを打った。うん、寝てるな。ならあとでにしよう。

 風刃、風球もレベル2になっているが威力はどうなったのだろうか。

 ラックは土と水があがっている。まあこと二つはかなり使わせたからな。あとで威力を見せてもらうか。

 あ、クロは起きてこちらを見ていた。


「クロおはよう」


『おはよ』


「そういえばお腹は空いてないか?昨日は魔石しかあげてないけど」


『大丈夫』


「ならよかった」


「んじゃ飯食ってくるから、クー太たちが起きて来たら下に来てくれ。アキは引っ張って連れて来ていいから」


『わかった』


 両親はもう起きて朝食も取り、支度をしているようなので、俺は冷蔵庫にあるもので適当にパパッと飯を作る。

 朝食を食べ終えコーヒーを飲んでるとクー太達が降りて来た。


「おはよう」


『おはよー』


『おはよう。お父さんとお母さんは?』


『おはようなの』


「支度してるよ。もう少ししたら行くからな」


『わかったわ』


「それと、クー太進化できるからしようか」


『するー』


『え!またクー太進化するの?私も頑張るわ!』


 ランはクー太にまだ対抗してたのか。

 んじゃ進化先を見てみるかね。



 ————————————————————


 ○クー太の進化先を選んでください。


 ・妖狸(四尾)


 ————————————————————



 あれ?進化先が一つしかないのか?

 じゃあ選ぶも何もないな。一応クー太に説明し、四尾を選択。

 クー太は光ると尻尾が四本に増えた。安定の変化だな。


 クー太が尻尾をふりふりしてランに見せつける。そしてランがペシっとクー太の尻尾を叩く。

 クー太とランの戯れ合いを眺めているとお袋が戻って来た。


「みんなおはよう。もう少し待ってね。今から車に積んじゃうから」


「手伝うよ」


「ありがとう。貴方の荷物は?」


「俺の荷物はもう車に乗せてある。と言ってもほとんど家の方に置いて来たからここに来た時持ってた鞄をそのまま乗っけただけだけど」


「いいの?他に持っていかなくて」


「荷物に余裕があれば布団と服をもう少し持っていきたいけど、それくらいかな」


「わかったわ。ところでクー太ちゃんの尻尾。増えてない?」


「増えたよ」


「どうして??」


「進化したから?」


「そうなのね」


「うん」


「じゃあ荷物運ぶ手伝いお願いね」


「了解」


 お袋はリビングをあとにし、支度に戻る。んじゃ俺も行くかな。


『ねえねえ。ご主人様』


「ランどうした?」


『ご主人様のお母さん反応薄くない?』


「そうか?あんなもんだよ。別に姿形が変わったわけじゃないし。尻尾が生えただけだからな」


『そんなもの、なのかしら?』


「それよりも。荷物を車に乗せてくるからそこで寝てる阿呆を起こしておいてくれ」


 そう。ずっと、クー太たちが降りて来てからずっとアキはクロの尻尾に巻かれて寝ているのだ。

 突っ込むのもめんどくさいから放置していたが…。


『アキね。わかった。起こしておくわ』


『アキ起こすー』


『頑張るの!』


『強めに絞めても全然起きないから私は諦めた』


「はあ。あとは頼んだ」


 俺が乗らないので後ろの座席には目一杯に詰めた。俺の布団も込みで。

 とは言っても俺と同じ軽自動車なので布団を3組も積んだらかなり圧迫する。まあ枕などの他の寝具は積まず、更にマットレスなどではなく薄い布団だけにしたからある程度物は積めたが。


 家の中に向かって声をかけたらアキも起きたようでクー太たちと外に出て来たし行けるな。


「よし、行こうか。二人とも大丈夫?」


「ああ。あとは玄関閉めれば大丈夫だ」


「そうね…。また戻ってこれるといいけど…」


「まあそれは大丈夫だよ。俺が連れて来てもいいし」


「そうね。お願いするわ」


「でもやっぱり俺もレベルアップしたほうがいいんじゃないか?」


「とりあえずいいよ。そんなことしていたら避難所に行くのが遅くなるよ?」


 一度言われたのだ。俺に全て任せるのではなく自分もレベルアップしたいと。そのために初めだけ手伝ってくれと。別に昨日は暇だったし、パーティ組めば経験値分配されるのかもしれないのでレベルを上げることは構わなかったのだが…ゾンビを倒す人間を悪とする風潮やレベルアップした人間を化け物と呼ぶような風潮があったら嫌だし。

 昨日はテレビ映らなかったし、世の中どうなっているか確認してからでも遅くないと言って説得した。


 俺はいいのかって?正直どうでもいい。なにかあっても一つの場所に腰を落ち着ける気は今のところないし、最悪森に住むしな。


「クー太、ラン、アキ、クロ、ラック。準備はいいか?水はちゃんと飲めよ?大丈夫そうだな?なら行こう」


『しゅっぱーつー』


「あ、クー太。言い忘れてた。お前たちは車な」


『『『『『!?』』』』』


 いや、お前ら仲いいな。全員揃って驚いてバッとこちらを向いた。クロも驚いているようだ。


「ああ。クロは影だな」


 そういうとクロは安心したようだ。そんな影の中は居心地がいいのかね?


『ご主人さまなんでー!』


『そうよ!早くレベル上げなきゃ』


『休んでていいのです!?』


『ワタシもなの?』


 アキだけ驚いたベクトルが違った。お前は基本休んでいるだろう。


「やっぱりお前達が目立つのは避けたい。もちろん俺じゃ倒せないようなのがいれば頼むが。ここらのやつなら問題ないだろう?」


『むーー!』


 クー太は余程外を歩きたかったのか?


「じゃあ人の匂いを感じたら、道を変えるんじゃなく車に隠れろよ?」


『わかったー』


『そうするわ』


『え?戦えってことなのです?』


『わかったの!』


「アキ諦めろ。お前一人だけ車はな。何するか心配だ」


『信用が全くないのです!?』


「信じてるぞ?それなりに」


『それなりに!?』


「冗談だ。ほら、親父もお袋も車に乗り込んでるんだ。俺らも行くぞ」




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