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49 必要な面倒

 

 クー太たち四匹と同じ布団に入り寝た。クロには悪いが大きさ的にベッドの横で寝てもらったが。そして朝、目が覚めるとクロだけすでに目を覚ましていた。


「おはようクロ」


『おはよ』


「すまんな、クロだけ床に寝させて」


『仕方ないし大丈夫』


 クー太達を起こさないよう小声で挨拶をし起き上がる。ランとクー太は身動ぎしたがそのまま寝ている。


「クロ。俺は下に行くからクー太達が起きたらとりあえず部屋で待機してるよう言っておいてくれ」


『任せて』


 部屋着を着替え下に行くとすでに二人とも起きていた。

 カーテンを少しだけ開け、電気はつけず採光していた。

 そんな心配なら二階で過ごせばいいのに、と思うが二階は俺の部屋と客室、物置しかないから落ち着かないのかもな。


「おはよう」


「おはよう」


「おはよう。今日どうするか決めた?」


「ああ。とりあえず街を見に行ってくるよ。2人はここで待ってて」


「マコト流石にそれは危なすぎる」


「そうよ」


「いや、避難所に行くにしても外でるだろうに。俺は大丈夫だよ」


「なら三人で行きましょうよ」


 んー。やっぱ説明するしかないかな。もちろん酔っ払った下りとレベル上げに勤しんだ過程は抜きで。


「昨日聞こえてきた声覚えてる?なんて言っていたか」


「世界がどうとか?よくわからなかったからあんまり覚えてないわ」


「俺もだ」


「んじゃあ説明するから、質問は最後に聴くからとりあえず聞いて」


 そして説明をした。

 うちの両親だって俺が小さい頃は俺に付き合ってRPGゲームをやっていたんだ。レベルがなんなのか、とかは説明しない。


 とりあえず外をウロウロしているのは魔物であることと、あの声が言っていたことを要約して伝える。

 この世界はゲームみたいに魔物を倒せばレベルが上がり、魔素や魔力なんていう不思議エネルギーがあふれる世界になったことを。大雑把にだが。

 そして俺がここまで魔物を殺し、走って来たことを。

 最後にステータスの開き方と職業の設定方法を教える。


「理解はできた?」


「信じ難いが、な」


「そうね…」


「まあ信じようが信じまいがステータスは目の前に現れ、現実じゃあありえなかった生き物が徘徊しているのは事実だしね。まあそういうことだからついて来られても守るのが大変になるだけだから家で待っててほしい」


「わかった…」


「……気をつけるのよ?」


「もちろん。じゃあ支度したら言ってくるよ。あ、これもらうよ?」


 テーブルの上にあった食パンの袋を開け1枚咥え席を立つ。


「マコト」


「ん?」


「お前の職業ってなんなんだ?」


「あー。テイマー?」


「テイマー?魔物を従えられる職業なのか?強いのか?」


「まあそうだね。強いかは知らない」


「それってどうなんだ。テイマーは良い職業なのか?」


 親父のその質問に笑顔で答えてやる。


「最高の職業だよ」



 強いか強くないかは比較対象がいないから知らん。が、クー太達を絆を築け、話せるんだ。最高だろう。


 二階に戻り部屋に入るとみんな起きていた。


「おはよう」


『おはよぉー』


『おはよう』


『おはようなの!』


 と、思ったがアキだけは起きていなかった。

 なのでとりあえず鞄からナッツを取り出し、周りについてる塩を拭く。そしてアキの鼻に近づける。

 鼻がピクピク動く。鼻にくっつけてみる。


 パクッ。


 こいつ…。

 俺の指まで咥えやがった。しかも起きてない…。

 寝ながらモグモグとナッツを頬張っている。


 バシッ!


『わあああ!?』


 ムカついたのでデコピンをしてやったら流石に起きたようだ。


「起きたか?俺の指とナッツは美味かったか?」


『あ、おはようなのです!指?ナッツ?あ!口の中にナッツがあるのです!寝てるわたしの口にナッツを入れてくれたのですか?それなら起きてる時にほしいのです!」


 もう1発デコピンしてやろうかと思ったが、不穏な気配を感じたのかベッドから飛び降り俺から離れる。


「はあ。とりあえず全員起きたな?これからここら辺見て回るからお前たちはここにいてくれ。魔物が襲って来たら外に出て迎撃で。クロかアキは部屋の鍵は俺が出たらかけておいてくれ」


『お留守番ー?』


「お留守番だ。俺の両親を頼むぞ」


 ちょっと寂しそうにしたクー太を撫でてやる。連れて行っても良いのだが、全員ついて来たがるだろうしな。クー太だけ連れて行ったら他の子がかわいそうだ。まあクー太とランを多少贔屓してる自覚はあるが。

 そして他の子も撫でてやる。


「みんな頼むな。ここらにいる魔物なら集団でこられても問題ないし、何かあれば逃げてくるさ」


『わかったー』


『気をつけてね?』


『待ってるの』


『私も留守番?』


『ご主人!それならわたしのことデコピンまでして起こすことなかった気がするのです!』


「クロも留守番だな。何かあればうちの親の影に入って守ってやってくれ。アキにデコピンしたのは腹が立ったからだな」


『ひ、ひどいのです…!』


「お前がナッツと一緒に人の指まで咥えて来たからだ。しかも寝ながら」


『そうなのです?つまり悪いのはわたし…?』


「そうだな」


『む……。そ、それでも暴力はよくないのです!』


「ならデコピンされる前にちゃんと起きろ。んじゃあいってくる」


 むむむ、と唸っているアキは放置して部屋を出て、その後カチャッと鍵が閉まった音を確認してから下へ向かう。

 リビングには行かずそのまま玄関へ向かうと2人がいた


「気をつけるんだぞ?」


「そうよ。いくら強くなったからって油断なんてしてはだめよ」


「ああ。わかってる。んじゃ昼には一回帰ってくるよ。魔物の心配しなくていいから飯作っておいてくれると嬉しい」


「大丈夫なの?」


「お前が言うなら…。そういえばテイマーなんだろ?仲間にした魔物はいるのか?」


「ああ。言ってなかった。いるよ。帰ったら紹介する。それと俺がいない間はテイムした魔物がこの家を守るから安心して」


「安全…なんだよな?」


「もちろん。ただまあ普通の動物じゃあないから出来るだけ怖がったりしないよう心構えはしておいて」


「わかった」


 見送ってもらい外に出る。

 外に出ると魔物が…なんてことはなかった。昨日家周辺の魔物を相当間引いてくれたんだろうな。

 あ、ステータス見忘れたな…。


 さてと、小走りで途中寄り道しながら駅まで向かう。


 やっぱりコンビニやスーパーも営業していなかった。日持ちしない食品貰ってったらだめかね?やっぱお金置いておく必要ある?

 そこはまあ両親と相談するかね。

 そして魔物はゾンビと魔犬だ。ゾンビはいつでもいるんだな。魔犬は昼間しか居ないのだろうか。


 駅は無人だった。

 んー。やっぱ動いてない、よな。

 その後は駅周辺を見ていく。

 道中に乗り捨てられている車は窓が割られたものや、家屋に突っ込んでいるものもあり、家屋は無事なのとボロボロに風化しているものがある。どれにも言えるのが苔が生えている。

 この苔や木も魔物、なのだろうか?鑑定スキルみたいなのがほしいな。


 人がいるかはわからない。無人の家なのかただ潜んでいるのか。

 避難所か…。避難所の場所聞き忘れたな。やっぱりどこかの学校かね?

 近くにある学校を見ていく。魔物が集まっているようなことはなかったが、中に入って出れなくなるのは嫌なので外から見て回る。

 人のいる気配は…わからん。いる気はするが、所詮気がする。くらいだ。


 大して収穫はないな。

 本当これからどうするかねー。目的を何にするか。

 一、クー太たちと一緒にいる。

 二、ハクたちと一緒に行動する。

 三、両親を安全なとこへ。


 となると…あの森に両親を連れていくか?森の魔物を殲滅or全使役すれば安全になるし、クー太やハク達とも居られるし。

 そうなると移動手段なんだよな。

 歩きじゃどれくらいかかるやら。親父達にレベルアップしてもらうにしても少なくともお袋は魔物を殺すとか無理だろうし。

 二人には車に乗って移動してもらって、俺らが車の周りを走りながら魔物と障害物を排除して行けば………めんどくさいが…両親を避難所へ置いていくよりはいい、か…。


 そうするか…。なら家に戻って話そう。



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