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閑話 メイ

こういうの書いたことないので変なところがあるかと思いますがご容赦を。


本編はあと数話で街に行ってレベリング回は一旦終わる予定です。


 


 私が中野さんと出会ったのは偶然だと思っていましたが、今思うとクー太ちゃん達が私を見つけ、心配した中野さんが見に来てくれたからだと思っています。


 私とミミちゃんは朝に登山に来たら九時ごろに大きな振動を感じ、足元や周りの草木が、植物の成長の直速再生されたビデオをみているかのようにどんどん大きくなり、近くの建物が木に貫かれ、吸われているかのようにどんどん崩れ去り、人は草に覆われ消えていきました。

 慌てて近くで草に覆われた人の草を払ったのですが…その人は消えていて…草だけしかありませんでした。


 きっと死んでしまったのだろう…と思いますが、目にしたのは草に覆われるところだけでしたので、恐怖はあってもその光景に、ではなく周りの植物に対しての恐怖でした。


 そして気がつくと周りは人の文明などなかったかのようにほとんどが草と木、花に覆われていました。

 足元の草花や周りの木がいつ自分達を襲ってくるか怯えながら残っていた建物に向かうと草花がたくさん落ちている屋内で高山さんと出会いました。

 初めて会った時高山さんは呆然と足元や落ちている草の山を見ていましたね。

 きっと誰かが草に覆われて消えたのでしょう。

 そんな高山さんをみて、私達は声をかけることもできず、草も花も木もないところを探し、そこで携帯を弄ったり、警察に電話しなきゃなどと話しながらこれからどうするかを話しました。

 まあ電波もその時にはありませんでしたし、ミミちゃんもどうすればいいかわかっていなかったのでどうしようもありませんでしたけどね。


 どれくらい経っていたのでしょう。何もできず固まって震えていたら突然高山さんに声をかけられました。


「君達!こんなところでどうしたんだ?ここは危険だ!逃げよう!」


 そう言われ、ミミちゃんと一緒に高山さんの後についていきました。振り返ると高山さんもずっと呆然としていましたし、逆に外に出た方が危険だったと思います。

 ですが状況がわからなすぎて…思考が纏まらずそのまま高山さんについていくことしかできませんでした…。


 もう舗装された道路も道中にあった建物もなくなり、人も全然居ませんでした。平日だとはいってもそれなりの人がいたはずなのに…。

 大まかにどちらの方角が帰り道か話し合い、移動しました。

 初めは走り、だんだんみんな息が切れ、誰からかはわかりませんが走る足を止め、三人で歩き始めました。

 何があったのか。アレはなんなのか。疑問を出し合っても答えはでてきません。ですが、言わずにはいられなかったんです。

その後落ち着き始めた頃にやっと自己紹介をし、街へ向かう、という目的を決めました。

 けど…突然大きな猿がでたのです。


 初めは驚きましたが、野生の猿ってこんな大きいんだな?って思うくらいで…そしたらその猿は高山さんを叩いてきて高山さんは倒れました。


 後から考えるとあの時の猿は遊んでいたのでしょう。あの大きな猿が本気で叩けば、レベルの上がってない人間なんて骨が折れたって、下手したら死んだっておかしくないのですから。


 そのあとは何匹も猿が集まって来て危険を感じ、逃げて逃げて。がむしゃらに逃げていたらいつのまにか二人ともいなくって…。足も捻って泣きそうだったけど、ミミちゃんを探しながら街の方面だと思う方へ歩き続けました。


 そうして中野さんに出会ったのです。彼に出会えて本当に良かった。助けられたし、あの雑とも気楽とも捉えられる雰囲気や行動を見て安心できました。


 そうでなければあんな怖い思いをした森に、しかも夜に来ようなんて思いません。自分でも不思議ですが彼についていけば安全だ。って感じていたのです。

 ミミちゃんも似たようなことを言っていたので、直感スキルのおかげかもしれないですけどね。


 ミミちゃんとアキさんと、護衛してくれる子達と一緒に火の灯りとライトの明かりで照らされた場所にいると安心して今日の出来事を冷静に考えることができます。

 今日街に行った時、人が全然いなかった。

 中野さんはみんな避難したのだろうと思っていたのか、避難所に送り届けてくれるといっていましたが…どれくらいが生き残っているのでしょう…。

 私達のいた場所にだって何十人と人はいたのに高山さん以外見つけられなかったのですから。

 探したわけではないので生きてる人たちもいたのでしょうが…全く会わなかったのはそういうことなのでしょう…。

 元気が取り柄ってよく言われるのにこうやって冷静になると暗くなってしまいます。

 こんな時こそクー太ちゃんやランちゃんの尻尾をモフりたいです。


「メイちゃん大丈夫?」


「あ、はい!ちょっと考え事していただけです!」


「無理はしないで。お互い今日は色んなことがあったでしょうから。もちろんミミちゃんもね」


「そう…ですね。まだ実感が湧かないですけど…。夢じゃないのかなって…」


「そう思いたくなるのはわかるけど残念ながら現実ね」


「そう…ですよね」


「そういえば私達の話はしましたが、アキさんは今日どんな経緯であそこにいたんですか?あ、無理に教えてほしいってわけではないですよ?話しても良ければ聞いてみたいなって…」


「そうね。私は植物が突然発生した時この森?でいいのかしら。ギリギリ外側にいたわ。何が起こったのか、何が起こっているのか、それを知りたくって。考えなしと言われればそうなんだけど昔から好奇心が豊富でね。見に来たのよ。まあ元々用事があってここら辺にいたというのもあるんだけど。

 まあそれで色んな見たこともない植物や知ってる植物だけど大きすぎる物を見て楽しくなっちゃって、気がついたら日が暮れ始めていてね。まあそのあとは知っている通り中野君に助けられたってわけよ。あなた達みたいに辛い思いしたってわけじゃないわ」


「す、すごいですね。普通安全な方へ逃げるかと思うんですけど」


「だから考えなしでしょ?自分でも馬鹿だと思うわ。でも貴方達に会えて良かった。多分今日一日で多くの人が死に、多くの魔物が世界に溢れているでしょうね。そんな中で中野君みたいな人と出会えたってのは幸運よ。

 まあ…今後も助けてくれるかは知らないけどね。人間より動物優先、世界の異変よりレベルアップ優先の変な人だから…。というか私の態度のせいもあるのでしょうけど…」


「まあアキさんは気が強い感じですから中野さんとは合わないのかも…?でもそうですね。本当自由な人ですよ。頼もしいんですけどね」


「そう、だね…本当に」


「ええ、そうね」


 そのあと私達はクー太ちゃん、ランちゃん、クレナイ君?、ハクちゃん、アキちゃん、クロちゃん、グレイ君、フェリちゃん。誰が一番可愛いか、などを話しました。


「あ、そういえば二人ともステータス見ました??」


「見たよ」


「見たわよ?詳細ってのは見てないけど」


「じゃあじゃあ見せ合いっこしません!?ステータス鑑定は持ってるんですよね?パーティ組めばステータス見れるみたいですし!」


 あれ?見れるんでしたよね?もう一度【ステータス鑑定】の詳細見てみましょうか。



————————————————————


【ステータス鑑定】

 自身のステータスとその詳細を見ることができる。Lvが上がるほど他人に対して有効。使役魔獣、パーティメンバーに対しては拒否されなければ鑑定可能。他人に対しては不可能。


————————————————————



 うん、パーティ組めればやっぱ見れますね。けど…パーティの組み方が…。


「うん…。でもどうやるの?」


「私も構わないわよ。けどパーティの組み方とかわからないしね」


「ですよね……。このステータスも詳細とかも、あと中野さんのテイムも声に出してもいいけど強く明確に念じればできるじゃないですか?三人でタイミング合わせたり、バラバラでも念じれば組めたりしませんかね?」


「やってみるね」


「わかったわ」


 三人でむむむむ。と念じてみますが何も起きません…。

 攻略本とか解説書くらい用意しておいて欲しいものです。


「ダメですね。なら色々試してみましょう!」


 そのあと色々試しました。祈りのポーズをしながらとか声に出してとか、ステータスを弄りまわしてパーティ設定みたいなのが、何か出ないかな?と。

 そうして…。


《個体名:齋藤メイが森田ミミ、藤堂アキにパーティの申し込みをし、二名の同意を確認。三名によるパーティを結成しました。同戦場での戦闘経験値の分配、念話の使用が可能になります。パーティを解散、または脱退する時はその旨を念話を通じてパーティメンバーへ通達すれば可能となります》


 できました!どんなことができるとか解散するにはとか、色々と説明が入りました。けどその前に、パーティを組む前に説明が欲しかったです。

 色々試した結果、手を繋いで私が「パーティを組みましょう」と言い二人が「はい」と許諾したらこうなりました。

 確かにゲームでもパーティリーダーが居て、パーティ申請をするかしてもらうかして、許可を出すってモノは結構多いので、確かに、とは思いましたが…手を繋ぐ意味は納得できません。目の前に居るんだからそれでいいじゃないですか!と言いたかったです。

 あ、でも握手しながら「パーティ組みましょう。これからよろしく」的な感じなら違和感ないですね。

 円陣組むことなかったですね…。


「やっとパーティが組めたわね。本当わかりづらいわ」


「ですね…。こう、なんていえばいいんだろう………この不親切さがゲームとは違って現実だってことなんですかね…」


 確かに不親切だが、学校やゲームじゃないんだからいちいち全てを説明してくれるわけがないってのも納得です。

 でも不親切過ぎます!!


「とりあえずパーティ組めたんですしステータス見せ合いっこしましょう!なんかパーティ組むのが目的みたいになっちゃってます!」


「うん。目的はステータスだったよね…」


「確かにそうね。忘れるところだったわ」


 三人で笑いながらステータスを見ます。見せ合いっこと言ってもステータス画面はお互い自分が表示している物が見れるわけではないので、それぞれが相手のを表示してみます。



 ————————————————————



 個体名【齋藤 芽依】

 種族【普人】

 職業【未設定】

 性別【女】

 状態【 】

 Lv【1】

 ・基礎スキル:【裁縫lv1】【直感lv4】

       【料理(お菓子)lv3】


 ・種族スキル:【無特化】


 ・特殊スキル: 【ステータス鑑定】


 ・称号: 【適応する者】


 ————————————————————


 個体名【森田 美海】

 種族【普人】

 職業【未設定】

 性別【女】

 状態【 】

 Lv【1】

 ・基礎スキル:【棒術lv1】【直感lv1】【料理lv2】


 ・種族スキル:【無特化】


 ・特殊スキル: 【ステータス鑑定】


 ・称号: 【適応する者】


 ————————————————————


 個体名【藤堂 亜紀】

 種族【普人】

 職業【未設定】

 性別【女】

 状態【 】

 Lv【1】

 ・基礎スキル:【拳術lv1】【指導lv1】【料理lv1】

       【裁縫lv1】【歌唱lv1】【指揮lv2】


 ・種族スキル:【無特化】


 ・特殊スキル: 【ステータス鑑定】


 ・称号: 【適応する者】


 ————————————————————


「え!?なんで二人とも戦闘系のスキル待ってるんです!?」


「私は護身の為にやってみろってお父さんに言われて少しだけ道場に….」


「私も護身ね。ていうか見ればわかるけどlv1ばっかりで浅く広くって感じよ?スキルとして書かれてないけど、他にもたくさん習い事してみたり、自分でやってみたりしたしね」


「ええー…私もやっておけば良かったかなあ…」


「いいじゃない。私とは違ってレベルが高いものがあるしね。それにスキルとして書いてないからって得意なことが他になかったり、できることがないわけではないでしょう?」


「そうです、よね」


「そうだよ…。それにしてもスキルとして書かれる基準ってなんだろうね…?」


「私の推測だけど、多分メイちゃんやミミちゃんのスキルもだろうけどレベルが上がると補正がかかるとか、上昇するとかあるでしょう?自分が出来ること、訓練したことってのもあるとは思うけど、その人と相性が良いものがスキルとして出て、相性が良いからこそ補正がかかるんじゃないかしら?」


 つまりどういうことでしょう…?相性が悪かったら練習すればある程度できるようにはなるけど、スキルとして発現はしないから補正がかからない、ってこと…?

 確かにそんな気がします。他にも法則がありそうですけどこんな世界を作った神様か邪神様かわからないけど、作った人にしかわからないですよね。

 説明書ないですし。


「あ、じゃあ二人はどんな職業が選択できるんですか!」


「私は…学生と武闘家と料理人と占い師かな」


「私は武闘家と料理人、教師に指揮官ね。元々教職についていたってのもあるのでしょうけど。今は仕事辞めて就活中だったけどね」


「私は学生とパティシエと占い師でした。アキさんは歌手とか選択肢にないんですか?歌唱があるからそういうのもあるのかと…」


「確かに、不思議ね?歌手って職業自体存在しないだけかもしれないけど…そんなことはなさそうだしね。わからないわ。歌唱のレベルが上がれば出てくるかもしれないけどね」


「ですね…裁縫職人みたいなのもないよね…?」


「うーん。難しいです。とりあえずそういうものって納得しておきましょうか」


「それがいいわ。小難しく考えても何も変わらなさそうだしね。そろそろ寝ましょうか?布団もないし、お世辞にも綺麗ってわけでは無いけど寝るスペースと敷物は手に入ったことだし。私は今日は疲れたわ」


「はい…。私も眠いです…」


「わかりました!じゃあおやすみなさい!」


 この物置小屋を私達が休めるスペースを作る為に少し片付けていたら、防災グッズが見つかったのです!流石に地べたで横になるのは抵抗あるのでよかったです。


 ステータスの見せ合いをしましたが……中野さんもステータスを見せ合いしてくれないでしょうか…。

 あの人ならパーティすら組んでくれなさそうですね。はっきり嫌とは言わなそうですけど物凄く面倒くさいモノを見るかのような目で見られそうです。


 あ、いつのまにか外が静かですね。中野さんはもう狩りに行ったんですかね?こんな暗い中で本当すごいです。

 そういえば、初めて会った時此処は何処かって聞かれましたけど、別に記憶喪失ではなさそうですよね。複雑な事情がって言ってましたけど…大した事情はないけど説明するのがめんどくさかっただけって可能性もありそうです。

 今度ゆっくり話す時間があれば聞いてみましょうか。パーティの件も含めて。


 さて、私も今日は疲れました…。ミミちゃん、アキさん、中野さん。おやすみなさい。



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