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219 苦戦

本編です!

お待たせしました!


あと2、3話ほどで迷宮編終わります(*´ー`*)

「ラン威嚇するなよ」


『え!? 私のせい!?』


え? どう考えてもランを怖がって箱の中に引っ込んだろ? 怖がりな小動物…小魔物っぽいしな。ラックはパンっぽいって言ってたから、レッサーパンダの魔物かもしれないが。


「なあ?」


「ですね」


いつのまにか人型に戻ったハク。


んー。そろそろ服のバリエーション増やしてやるか? ハクに渡してる人型になった時用の服は種類少ないしな。

ハクもお洒落とかしたいのだろうか? ハクがお洒落か…人型状態で髪を染めたらどうなるんだろうか。狼型になっても染めた色が反映されるのか? 


…ハクは白銀色の毛並みが一番だし、染めたりしない方がいいか。


おっと…思考が逸れたがどうするかなあ。


「今回も戦う必要はなさそうだが…箱から出てきてくれないとテイムのしようが…」


ないからどうすっか。とは続かなかった。


言い切る前に目の前にいつもの表示がでた。


《怖がりな小魔物が仲間になりたそうにしています。テイムしますか?》

【Yes or No】


…うん?


思わず首を傾げてしまう。

テイムの条件が未だにわかんないな…。テイムや仲間になれと念じたわけではない。ただこのままだとテイム無理だなーって話をしただけでこの選択肢が出てくるとか…仲間がたくさん欲しいなーって思いながら森の中を歩いたらひっきりなしに、この選択肢が出たり…?

それはないか。やっぱり判定基準がよくわからないな。


とりあえずイエス。


《怖がりな小魔物が仲間になりました。テイムした魔獣に名前をつけてください》


「……いやいやいや。テイムされたなら出てこいよ!? 姿がわからなきゃ名付けきにくいんだが!?」


「鼻先が出た時に鑑定してみればよかったのう。性別もわからぬからな。数字関連でよいのではないかの?」


そうなんだよなあ。テイムできたから、姿さえ視界に入っていればステータスは見れるんだが…。

風月の言う通り数字関連でいいか…?


『ご主人…様?』


お。初めて聞く声だ。

ちょっと甲高い声の主はおそらく今テイムした子だろう。


「どうした? なんで出てこないんだ?」


『ご主人様の周り…たくさん怖い…』


周り、たくさん…魔物たちが怖いってことか?

…いや、それはどうしようもないんだが? 拠点に帰ったら何倍もの数がいるぞ?


「慣れてくれ…」


それしか言いようがない。

とりあえず俺だけで箱の近くまで行きしゃがむ。


「ほら。とりあえず顔見せてくれ」


そう声をかけると黒い鼻先が現れ、ピクピクとする。少しすると顔だけを出し左右を窺い…俺と目が合う。


真っ黒な毛並みに鼻周りと頬、それに眉に見える目の上が白い毛並みだ。

どう見てもレッサーパンダだな。パンの色違いだわこれ。


「ほら、おいで」


手を出すとおっかなびっくりだが、近づいてきたので抱き抱える。


ステータスを見ると影小熊猫。確かパンの進化先にこの種族もあったな。スキルは昔のクロの劣化版って感じだ。隠密特化だな。


さて…名前だが…。


カゲとかエイって名前は…微妙か? メスだし。

こぐまねこって書いてレッサーパンダだし…こぐ…ここ…。

よし。小熊猫の最初と最後を取ってココにしよう。

そう口にすると近くに来ていた風月が微妙な顔をしていた。


「名前は可愛らしいが…名付け理由がのお…」


「…理由は気にするな。ココよろしくな」


『…うんっ。よろしく』


風月を見て少し警戒していたが問題無さそうだ。やはり大勢いると怖いんだろうな。


「さて…もう一匹も…っ」


テイム出来るかな。そう口にする前に箱の中から闇魔法が飛んできた。


大した威力はないが突然で驚いた。


「なんでだ?」


『攻撃的だけど悪い子じゃ…ないよ?』


「…まあそれはいいんだが、怖がっているのか?」


『警戒してるんだと思う』


警戒する理由は…まあココと同じだろうな。怖がっているだろう。ココをテイムしたことで警戒緩めてくれればよかったが…。


「ココ説得できるか?」


『やってみる』


ココは腕の中が跳び下り箱の前へと走って行く。


「風月は皆を少し下がらせてくれるか? ココもそうだが、もう一匹も臆病っぽいし」


「あいわかった」


後ろの魔物たちは風月に任せしばらくその場で待機しているとココが俯きながら戻ってくる。


『出てきてくれない…』


「そうか…いや、ありがとうな」


『うんっ』


さて…どうするか。戦闘もできないんじゃ捕まえてテイムしようがないし。


「よし」


『どうするの?』


「こうなったら餌付けだ」


『餌付け…?』


とりあえずドッグフードとキャットフード、缶詰めに菓子パン、野菜と食べられるものを取り出して行く。


待つこと数分。鼻先が現れた。


『あっ。出てきたっ!』


ココが嬉しそうに声をあげるが、静かにしてほしい。また引っ込まれたら面倒だ。


少しずつだが、顔が現れる。

なんだ? たぬきじゃないし、真っ黒いムジナ…でもなさそうだが。


変わらず鼻はピクピクとしているが視線は睨むようにこちらを見ていた。


テイム!


ピクッと軽く跳ねるように反応するが…。


「何も起こらないか…」


本当どうすればいいんだ?まだ見えている鼻先を見つめながら考える。

流石に無視して先に進みたくはないしなあ。


「…よし決めた。ココ、今から少し怖いことするから風月のところへ下がってな」


『う、うん…』


「風月! ココを遠くまで連れて行ってくれ。【魔圧】使う」


「了解した。あまり周りに巻き散らさぬようにのぅ」


「わかってる」


ココを抱えた風月が充分離れたことを確認し、出来るだけ的を絞って【魔圧】を使う。


パタンッ。


さっきまで鼻先だけだったが、倒れた拍子に頭部が全て現れた。ある意味苦戦だったな。結局【魔圧】使っちゃったし。出来るだけテイム予定の魔物に使いたくないんだよな。テイムした後しばらく怖がられるの嫌だし。

にしても…。


「んー…なんか見たことあるな…。風月に見てもらうか」


後ろを振り向くとちゃんと全員無事な上に怖がっている子も…そんないないから成功だろう。

【魔圧】を完全に操作して、対象以外に一切影響を与えないってのは中々難しいな。


風月に来てくれるよう伝え、倒れた魔物を箱から引っ張り出し抱える。


「あー、なんだっけこの動物、いや魔物。名前がここまで出かかっているんだが…」


うんうんと唸っていると風月がココを抱えたままやって来る。充分な距離があったからかココから怯えの感情は特に感じなかったからよかった。


「なにをしているのかのぉ…」


「いや、なんていう動物だったか…ここまで出かかっているんだ」


「どうせ以前の世界の動物と似ておっても種族名は違うだろうに。気にすることではないと思うがの」


「いや、気になるだろう。それで、なんて種族だ?」


「シャドウデビル。好物は強者らしいぞ」


シャドウ…デビル。ああ、タスマニアデビルだ。

これでスッキリだな。

起きたらテイムするとして、名前を考えておこう。

ココと同じように最初と最後を取ると…シャルか。メスみたいだし、いいんじゃないか?


風月に聞いてみた。


「シャルのぅ…。可愛らしい名前だの。だが名付けの理由がココと一緒ではないか」


「だから理由は気にするな」


『シャルちゃん! いい名前っ』


風月が微妙な顔をしている一方、ココが褒めてくれた。


「ほら。こういう感想でいいんだ。シャルと仲良くするんだぞ」


『うんっ』


起きるまでずっと監視してるのも、放置して起きた時に逃げられるのも面倒なので今いる魔物たち全員でシャドウデビルを囲むようにして休憩する。


しばらくしてシャドウデビルがピクピクと動き始めたのでいつ襲い掛かられても捕獲できるように構える。


それから間もなく、シャドウデビルがバッと勢いよく起き上がり忙しなく頭を動かしたと思うと目が合った。


さて、どう来る? 戦うか逃げるか…。まあどちらにせよ制圧出来るだろうが。


「ギュアァァア」


シャドウデビルは不思議な声を上げながら…伏せた。

その瞬間にテイムの是非を問うアナウンスが流れた。


「わからん。とりあえずテイム……お前の名前はシャルな」


『わかりましたわ!』


「それで…なんで突然テイムされた?」


『強き王に従うのは当然ですわ!』


「…じゃあなんで隠れてたんだ」


『こ、怖かったのですわ…』


……お嬢様っぽい口調で性格は臆病っと。そして確認したステータスもココと同様、クロの劣化版といった感じだ。ただココよりも攻撃系のスキルが多かったが。


なんかドッと疲れたが、休憩は充分取ったしここにいる必要も無くなったのでなんとか気合いを入れて次の階層へ向かう。



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