表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
245/250

215 箱の中身

お待たせしました…orz


えーっと。


両脇の宝箱がアイテムで青い箱が珍しい魔物…だと思う。

赤い箱からは俺の嫌いな魔物が出てきたし、青が珍しい魔物だろう。多分。


まず、左の宝箱を開けると一枚の真っ黒い布が。

右の箱には銀色の二つのリングがクロスしたような小さな腕輪が二つ。


……魔物用だとしたらこっちの腕輪だよな…?


「風月。鑑定できるか?」


「うむ。……布は死神のコート。腕輪は防具の腕輪だの。死神のコートの方は名前しかわからぬが、防具の腕輪は形状変化らしいぞ」


効果わからないのはきついな。死神のコートとか…呪われてないだろうか。この死神って、ニヒリティと同格の神なのか魔物としての死神なのかわからないよな。魔物としても神としても死神が存在してるのかも知らないし。


とりあえず手に持ってみるが特に何も起きないので羽織ってみる。丈は膝まであり、サイズはぴったりだ。柄は…特にないな。真っ黒だ。


「何も異常はないかの?」


「ああ。今のところは。まあ報酬って言っていたし、呪いのアイテムなんて寄越さないだろ。そんなことされたら意地でも手伝わない。というか魔族側に寝返る」


「寝返るのは駄目ではないかの…?」


「交渉してみたら案外いい奴らかもしれないだろ? 俺らを放っておいてくれるなら別に敵対しなくていいし。まあそれは邪神が裏切ったら…たらればの話をしても仕方ないか。よし。腕輪はどうするかね」


『ご主人さま! ボクほしいー!』


『クー太にあげるなら私も欲しい!』


クー太とランか。まあ一番初めに仲間になった二匹だし、あげるならこの二匹からか。


「皆、それでいいか?」


全員頷き、了承してくれた。


左手を挙げるクー太と右手を挙げるラン。

挙げた腕に着けろってことか。


腕に嵌めた瞬間、腕輪が変形し始める。


クロスした形の腕輪はそのまま腕に沿って伸びていき、まず腕を菱形の格子状で覆った。

その後は反対の腕、胴体、頭部と順に伸びていく。


腕には菱形の格子状にリングが絡み付く。

籠手とは言えないな。という程度の防御力で、お洒落な腕輪といった感じだ。


頭部には角のような一本角が生えた帽子…いや、兜か。耳の間の僅かな部分しかないので、兜というよりも帽子っぽいが。


肩と胴は格子状のものが重なって出来たからか、鱗のように見える鎧だ。尻尾と後ろ足、腹部は覆われていない。


「うん。いいんじゃないか? かっこいいぞ」


有名なゲームの猫の装備っぽい。


『すごーいー! 硬いよーこれ!』


『鱗みたいね。まあ悪くないわ』


鎧を爪で叩いているのかカンカンと音を立て、硬さを確かめている。


格好いいのだが…もふもふが減った。戦闘時以外では着けさせないようにしないと。


「それ戻せるか?」


『戻れー!』


『戻りなさい』


クー太とランがそういうとスルスルスルと巻き戻ししているように戻っていく。


「便利だな。戦闘時以外はその状態にしておくんだぞ」


『わかったー』


『ゴツゴツしてて嫌なのね。わかったわ』


…ランにはバレているようだ。


「こほん。…じゃあ青い箱を開けるか」


見る感じ取手はない。

一旦全員で箱から距離を置き適当な魔法を撃つと、扉が倒れる。


「何が出てくんだろうな。無条件でテイム出来るのか、それなりに屈服させないと無理なのか…。お前たちは俺の【魔圧】と【邪纏】の影響はもうほとんど受けないよな?」


『うーん…これだけ近いと少しつらいかもー』


『至近距離はつらいわね。でも来るとわかっていれば平気よ』


「私も事前にわかっているのなら大丈夫です」


『…みーとぅー』


『ミートゥーなの!』


クー太、ラン、ハクはいい。

だが、フェリとラック…いや。何も言うまい。拠点にいるやつの影響だろうな。これも成長の一つなのだろうが、変な言葉を覚えたら嫌だな。


なんでそれを短縮した? といった略語とか短くしすぎて、それだけじゃなんのことかさっぱりわからないネット用語とか使い始めたら流石に嫌だな。

そんなことになったら、教えたのがメイやミミであろうが、接触禁止命令を出すかもしれない。


そんなことを考えているうちに魔物が現れた。

のそのそと現れたのは陸亀…茶色い甲羅の大きなカメ。その大きさは甲羅の天辺が俺の背丈と同じくらいのカメだ。


その後に続いて出てきたのはワニ。何故カメよりもワニの方が一回り小さいんだ。という感想しか出てこない。


その二匹は箱の前に並ぶとこちらをジッと見てくるだけで襲って来ないので、テイムと念じるとテイムできてしまった。


正直拍子抜けである。どれくらい戦えるのか見てからテイムしたかったな、と思うのは贅沢だろうか?

あまりにもお膳立てされ過ぎていて腑に落ちないが、テイムはする。


種族は地亀、地鰐。

どちらも二度進化した個体で、それなりにスキルを持っていたが目新しいものはなかった。強いて言うなら穴掘りなど拠点で使えそうなスキルが嬉しいな、といった感じだ。


いつもならここで名付けして、【恩寵】を使い進化、ステータスまたはスキルチェックと行くのだが…面倒なので今回は放置。


自分からこいつをテイムしたい! と思ったわけでもないし、毎度毎度【恩寵】の下りをやるのに疲れてきたと言うのが正直なところだ。

今戦力に困ってないしな。


そんなわけで、どちらもオスだったので、地亀をカメタロウ。地鰐をワニタロウと名付け…ようとして、それはどうかと思った。


皆似たり寄ったりの名付けをしているが、コイツらはきっと何匹もテイムできるような魔物じゃないだろうから別の名前を考える。まあアマゾンとか元々自然豊かなところに行けば居るかもしれないが。


色はどちらも茶色だし…よし。カメはタートルだから、タート。ワニはクロコダイルだよな? クロは被るから無しとして、ダイル…かな。


雑さ加減は変わってないって?

うん。自覚はある…。だが、本人…本亀と本鰐たちは喜んでいるからいいだろう。


もし予想が外れ、次に地亀が仲間になったら? そしたらもうカメタロウ…?


…ま、まあ、どんな名前だろうが共にいる仲間なら愛情はわくのだから良いさ。良いよな?

とにかく今はさっさと先に進もう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ