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お待たせしました(*´ー`*)


先日、書籍発売致しました!

さて…名付けだ。

名付けが一番苦痛かもしれない。


こいつが初めてテイムする魔物ならシロとかハクとかにするんだが…。


なんて考えていたら後ろからどつかれた。


「ゴボッ!」


咽せそうになったが、すぐさま反転し戦闘態勢に入るが…なんだ? 何もいない?


『キューン!』


『ご主人さまー! 下ー!』


何かの鳴き声とクー太の声がし、下を向くと青い物体が近づいてきたので、すぐさま避ける。


『なんだ…? 痛くはなかったが…』


青い…青黒いのか…? とりあえず凄く見にくい。


大きさは白熊の倍以上、狼形態のハクよりと大きな塊が避けても避けても追いかけてきた。


『イルカ…?』


『ご主人。そやつに敵意がないぞ。あと朧鯱らしいぞ。好物は珊瑚だの』


おぼろしゃち? シャチ!? シャチなのに肉食じゃないのかよ!

なんだよ。ここの魔物は皆、好物珊瑚か!


『ご主人さまー。避けないであげてー』


『避けないであげてって…突っ込んでくるんだから避けるだろう!』


『敵意ないよー?』


クー太にもそう言われる。敵意があろうがなかろうが、物凄い速度で突っ込んでくるんだから避けるだろう!

というか白熊よりも圧倒的に速い。

現在、普通に避けるのは不可能と判断し、水魔法を手から噴射して避けている状態だ。


『キューン…』


『キューンって…このシャチの声か?』


『そのようだのう』


『確かに声を聞く限り敵意はなさそうだが…』


『最初に突っ込まれた時痛くなかったのだろう? なら受け止めてやったらどうかの』


風月が他人事のように言ってくる。


『痛くなくてもあの質量が迫って来たら怖いだろう!』


『…本当に怖いのかの…?』


『………いや、そんな怖くないな』


うん。よく考えたら、別に怖くはない。ただ、反射と言えばいいだろうか。巨大な物が迫ってきたら普通避けるよな? トラックが突っ込んできて、それを止める力があっても咄嗟だったら避けるな?


受け止める。

そう心の準備をして両手を突き出す。


『キュッ?』


突き出した両手に当たることはなく、その直前でシャチは止まった。


《朧鯱が仲間になりたそうにしています。テイムしますか?》

【Yes or No】


は?

こいつ仲間になりたくて突っ込んできたのか…?

いやいや…まず、白熊以外に攻撃あてなかったんだが…何でこいつ突っ込んできたんだ?


……まあいいか。YESで。


《朧鯱が仲間になりました。テイムした魔獣に名前をつけてください》


『わーい! ありがとうー! よろしくねー!』


テイムした瞬間、朧鯱は念話でそう言いながら巨大を体を擦り付けて来た。


『ちょっ。ちょい…おいこら! ちょっと待て!』


『キュゥ!? な、なんで怒るの…!?』


『待てと言ってるんだから待て! 名前付けてやらないぞ!?』


『っ!? やー! 待つ!』


子供か!

図体がデカイだけで言動が幼児なんだが。


『あの…』


『あ?』


『ひっ!』


待てって言っただろうに、と言おうと思ったら怯えた声が聞こえた。

目の前のシャチは大人しく待っている。じゃあ…横を見ると少し怯えた目をした白熊が…。


あ。忘れてた。


『すまんすまん。お前に怒っているわけじゃないから怯えなくていいぞ。それでどうした?』


『自分も名前が欲しい…です』


『あー。うん。もちろん名前は付けるぞ? 少し待っててくれ』


『は、はい…』


なんか怯えてる?


『ご主人さまー白熊さん怖がってるよー?』


『ご主人様に睨まれたからね。仕方ないわ』


『…睨んだというより、怒ったような声を出したから?』


『ご主人様。新しく仲間になるんですからもう少し優しくしてあげた方が良いかと…ふふ』


…お前たち。俺に怖がらせる気も睨んだつもりも、怒ったつもりもないのを分かってるだろうが。

ハクなんて最後笑ってるし。揶揄うなって。名前考えるの大変なんだからな?


さてと…どうしようか。アオとシロ…。


え? 安直すぎ? 今更だろう。

まあ流石にもう少し考えるが。シロだとハクとなんとなく被るし。


声からして両方ともメスなんだよなー。メス率本当高いよな。


シャチの方は朧…メスにつける名前じゃないか?


……あーもう! 朧鯱は青いからアオだ! んで、白熊は水熊だったな? ならスイだ。異論は…認めないことはないが…これで良しとしてもらいたい。


『名前はお前がアオ。お前がスイだ』


『アオ! アオはアオ? ありがとうっ!』


『自分は…スイ…ですか。ありがとう…ございます』


とりあえず水棲系の魔物は二体だけにしておこう。アオは予想外だったが…まあなんとかなるだろ。


『アオ。スイ。ここらに次の階層に行く大穴はないか?』


『ある!』


『ある…です』


じゃあ早速…と思ったが、邪神との約束である水中系スキルのレベル上げをしないとな。

初めはスキルレベルを上げた報酬としてクー太たちを呼ぶと言っていたが、前倒しで呼んで貰ったし、そこはちゃんと守ろう。


『じゃあ一回上に戻るぞ』


魔物のいないところまで行き、手始めにアオとスイのステータス確認。

こいつらは二匹とも二回進化した個体らしく種族スキルを二つ持っていた。更に【恩寵】を使った結果、レベルが最大まで上がったので進化もさせる。


ちなみに選択肢は各々、二つずつ。


————————————————————

【朧夜鯱】

・全身漆黒色で、目の周りだけ黒に近い青色をした種族。

・暗殺や隠密に特化している。

・深海や夜など、陽の光がない時、能力が上昇する。


【グラトニーオルカ】

・口に入る大きさならなんでも食べる種族。

・満腹になることはなく、あらゆる物を捕食し、自身の魔力量を上昇させることができるが、自我が薄くなる。


【氷雪熊】

・水属性系統の魔法を得意とする種族。

・雪や氷、冷たい水中などで能力が上昇する。


【マーメイドベア】

・太腿から下が尾ひれとなり、エラ呼吸が可能となった種族。

・水中で能力が上昇。また水属性の魔法を得意とする。


————————————————————


…マーメイドベアが物凄く気になるな!?

脚が尾ひれになった熊か…見てみたい…!


見てみたいが…しかし、せっかく水陸両用? なのに陸で戦力にならないのはなぁ…というわけで、スイは氷雪熊に。

さっそくスイという名の由来である『水』という単語が無くなったことが地味にショックだが…仕方ない…よな? ユキに名前を変えても‥とも思ったが、次の進化で『雪』って単語も無くなったら何のために名前を変えたかわからないし…スイのままでいい、よな?


アオはもちろん朧夜鯱だ。自我が薄くなるグラトニーオルカとか絶対選ばん。


進化させた二匹は僅かに体が大きくなった。


アオが目測だが、六メートル。狼型のハクより一回り大きい。そして吸い込まれそうな漆黒色である。ダンジョンの光が当たるここなら問題ないが、光がほとんど届かない先程のような場所だと目の前に居なければわからないかもしれない。


スイは真っ白い体に青い線が走っている。

体も四メートルほどで、こちらは狼型のハクと同じくらいだ。


これで邪神が新しい拠点をくれなかったら、スイはまだしも朧夜鯱のアオはどうしようか…。最悪大穴を空けて水魔法で池を作る? 魔法で出した水の中で生きていけるのか不明だが…。邪神が約束守ってくれることに期待するしかないか…。



 

誤字報告ありがとうございます!

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