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206 質問

お待たせしました!

 

「あ、そうだ。ついでにいくつか質問していいか?」


 何かあった時、こいつに聞くタイミングがあれば聞こうとは思っているんだが、いつも忘れるんだよな。話している時に思い出したら随時聞こう。


『んー。待ってね』


「あ? 待つ? …おーい」


 待ってってなんだ? 


「待つのはいいが時間かかるならクー太のとこに戻るぞ?」


 返事がない…。

 消えたな…。


『ごめんごめん。他の神に魔神の監視を代わってもらったんだ。それで何が聞きたいんだい?』


「あーっと…なんだっけ?」


『…記憶力を上昇させるスキルとか、備忘録を残しておけるようなアイテムでもあげようか?』


「おお、くれるんなら欲しいな。アイテムは…使うの忘れそうだし、記憶力を上昇させるスキルをくれるならありがたくもらうぞ」


『…なんで微妙に上から目線? まあいいけどねー。力も回復してるし、後であげるよ』


「おー。太っ腹。次会ったら死ぬまで殴りたいと思ってたけど顔が腫れて識別できない程度にしておこう」


『殴るのをやめてほしいな!?』


「却下。あ、そうそう。殴るで思い出した。どうやったらお前を殺せるんだ?」


『今の話の流れで教えるはずないよね!?』


「…ほら。魔族もお前たちのように精神体みたいなもんなんだろ? 消滅のさせ方は知っておいた方がいいだろ?」


『…地球やマギアにいる魔族は肉体を持っているから普通に倒せるからね? 仮初とはいえ肉体を持つからその肉体を壊せば、彼らは地球やマギアで力を振るうことはできないし、新たに肉体を作るにはそれなりに力を消耗する。だから肉体を破壊してこの世界から追い出してくれればいいけど…』


 そうなのか。だが…。


「精神体ごと倒した方がいいだろ?」


『まあそうだね。別に肉体を壊してくれれば、安易に世界を渡ってこないだろうからその間に次元の穴をなんとかしようと思っていたけど…確かに消滅させられるならその方がいいし…君ならできるかもしれないね』


「じゃあ教えてくれ」


『一応言っておくけど、完全に消滅させるには相当力が必要だよ? 今の君では不可能だ。まずは、レベルを上げることだね。あとは精神に影響する魔法。光属性と闇属性をもっと覚えるといい。そして光と火、闇と水などで【紫紅爆】のような合成魔法を使えるようになった方がいいかな。あとは…精神魔法だけど、多分マコト君には無理かなぁ…』


「は? 精神魔法使えないのか?」


『直接会って確認してみないとはっきり言えないけど…使えないね。多分適性がないかな』


「…まじか。じゃあ光と闇の魔法を練習するしかないのか?」


『そうだね。魔力量次第では【魔圧】や【邪纏】で動きを鈍らせたりはできると思うけど、消滅させられるほどの精神系スキルは覚えられるかどうか…。そういうのは特殊スキルや種族スキルだからね。基礎スキルで…つまり鍛練で会得できる精神系スキルで魔族に効くほどのスキルは僕の知る限りないかな』


「ん? 特殊スキルと種族スキルなら覚えられるなら覚えさせてくれてもいいぞ?」


『なんでさっきからちょいちょい上から目線なんだい…。強力な特殊スキルや神々が作ったスキルシステムにはないスキルを与えるのは凄く力を消費するんだ。会得条件をつけたり、スキルに制限を設ければ作れるけど…それじゃあ神族や魔族は倒せないかな。それにスキルを与えたところで今の君の魔力量じゃ消滅させるのは無理だよ』


 …面倒くさいな。


「まあ別にいいや。邪神に頼りきって強くなっても面白くないし。狩りと訓練を頑張るさ」


『そうしてほしいね。僕はサポートはするけど、結局のところ本当の強さを得るのは君自身が行動しなきゃならないから。ちなみに種族スキルで精神干渉するスキルを覚える場合は、次の進化でハイヒューマンに退化して別の進化を辿る必要があるかな。そうすれば精神干渉系のスキルを使える種族に進化…できるんじゃないかな?』


「曖昧だな!? 出来たら良いね、って感じはなんだよ!」


『あはは〜。君がどんな進化をするのかちょっとわからないんだよねぇ。だいたい普通は…そうだね。ハイヒューマンが基本かな。それしか選択肢がない人の方が多いんじゃないかな? テイマーやサモナー、調教師、獣医師とか…獣関係の職業で、魔物たちと親密にしていたら獣人の選択肢も出てくるし、あと普人から進化できるとしたら……ハイゴブリン、ハイオーク、ハイオーガ、エルフ、ドワーフ、マーフォーク、リザードマン…あとは小人や虫人かなぁ? 虫人はそうそういないけど』


「ハイオークとハイオーガ、小人、虫人は選択肢になかったな」


『あれだけ選択肢があるだけ異常なんだけどねぇ。まあそこら辺は進化する前の行動や所有スキル、性格などの適性次第だからあんま気にしなくて良いよ』


 気にするなと言われると気になるが…まあ今言った種族になるつもりはないからいいか。


「それはいいや。気になったのは二つ。どの種族でもハイヒューマンにはなれるのか?」


『元が普人だからハイヒューマンの選択肢は残り続けるよ』


 つまり最終進化先が表示されたらハイヒューマンに戻れば能力を引き継いで更に強くなれると。何度でも進化できるならその方がお得…。


『ちなみに言っておくけど進化した回数や基礎能力次第ではハイヒューマンに戻っても次進化できるのは相当先になるよ。今の君が次ハイヒューマンになって、そこから…そうだね。正当進化ならロイヤルヒューマンなんだけど、ロイヤルヒューマンになるにはレベル百以上じゃないと無理かな?』


 …ロイヤル? ロイヤル…ロイヤルヒューマン? 高貴な人間? 種族名だけで拒否反応がでそうだな。


「じゃあハイヒューマンに戻らない方がいいんだな。じゃああとは…カシがハイオークリーダーだったが、その普人の進化先のハイオークは違うのか?」


『うーん…。一応同じハイオークだけど、原点が違うから全く同じとは言えないね。マギアでは人間からハイオークに進化なんてしないんだよね。地球人特有の進化先だね』


「つまりハイオークに進化したやつは魔物になるってことか」


 人間から魔石をもった魔物に進化か…。まあ別に悪いことではないが、なんとなく違和感がある。


『うん? あー。君の魔物の基準が魔石を持っている生き物なんだね。それだと君の体にも魔石はあるよ? もちろん僕にもね』


 は? 


「俺にも? 精神体のお前にも魔石はあんのか?」


『魔力をもつ生物には皆あるさ。というか魔力に適応した人間は皆魔石を持っているよ? それと精神体である僕らだけど、石…とは違うけど魔力の核みたいなものはあるね。ちなみに精霊は魔力体だからないよ。契約して肉体を得た精霊にはもちろんあるけど』


 あ、そう…。あるのか…魔石。


「胸と頭どっちにあるんだ?」


『君の魔石が? 胸にあるんじゃないかい?』


「ふむ…。胸当てでも調達した方がいいかね」


 心臓を刺されても意識さえあればすぐさま【回帰】を使って再生しちゃえば大丈夫だろう、くらいの感覚だったが、万が一、魔石を一撃で砕かれたら意識云々言ってられないよな? 即死だよな? てか話を聞く限り魔力の源なんだし、それを壊されたら即死しなくても【回帰】は使えないよな?


 …背筋が寒くなった。

 恐怖、だな。魔力があれば、スキルがあるからなんて楽観視していたが…もう少し慎重になった方がいいか…。


『魔力や地球にある鉱石なんかで作る胸当てなら、今の君の体の方が硬いと思うよ?』


「でもないよりマシだろ。一センチでも厚みが増えるなら」


『そんな心配しなくても良いと思うけどねえ…。話が脱線しちゃったけど、カシ君はマギアから連れてきたハイオークだよ。ハイオークはオークの変異体ってわけじゃないけど、滅多に生まれない強力な個体だね。知能も高いし。ちなみに普人からハイオークになっても魔物として生を受けたハイオークみたいに豚顔にはならないから安心してね』


 安心するも何もハイオークになる予定はない。

 つまりハイゴブリンやハイオーガも同じか。


「了解した。後は…最終進化先の時に出てきたスキルの詳細が知りたい」


『それは…ひ・み・つ』


 うぜぇ。

 やっぱり教えてくれないか。

 教える気があるんなら詳細を見れるようにしてくれてるだろうしな。


『でもどれも強力だからどれを選んでもいいと思うよ! じゃあそろそろ質問タイムは終わりかな? 君もあんまりのんびりする気はないでしょ? クー太君が待ってるよ』


 あっ。そうだ! あんまゆっくりしてたら風月の耳がクー太に齧られるし、戻るか。


「じゃああいつらに話しておくから、入れ替わらせるのは頼んだぞ」


『待ってるから早くいっておいで』


「おう」


 その後、泳ぐのではなく、宙を飛びながら船に戻った。


『ご主人さまぁー! おかえりー!』


 船に降り立つ前にクー太が飛びついてきた。前よりも何倍も甘えん坊になってないか? 大丈夫か? 幼児化してる?


「ただいま。あまり風月を困らすなよ? 少しは我慢してくれ」


『むぅー…。わかったぁー』


 ルナ、シルバにも、ただいまと撫でてやると、人型となったカシ、キキが自分もして欲しいと言ってきたのでしてやる。


『ご主人。我にはないのかの』 


 わざわざ念話でそう伝えてきたのは風月だ。

 お前もかよ。とは思ったが、仲間はずれは嫌か。


『して欲しいなら近くにこいよ』


『む…』


 不満そうだが、近くまできたので撫でてやった。髪がサラサラで撫で心地がかなり良かった。もふもふとはまた違った良さだな。


 そして全員とスキンシップをとって落ち着くと説明をした。

 ダンジョンを最短で攻略したいから、俺の仲間で最も強いメンバーと入れ替わりに俺の拠点へと行ってくれと。カシとシルバはわからないが、ルナとキキは不満そうにしていた。だが、入れ替わりっていう条件を邪神が提示してきたから我慢してくれと説得する。


「仕方ないの。まあお主の仲間に会うのも楽しみだ」


「あ、風月は残ってくれ」


誤字報告ありがとうございます!

助かります!

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